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みんなの「音楽」ブログ

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何度も聞く古楽2018-42 ダウランド  リュート曲「涙のパバーヌ
ジョン・ダウランド(1563-1626)は、バードともに英国におけるルネッサンス音楽の代表的作曲家である。 主にリュート曲が中心。とりわけ有名なのが、「涙のパヴァーヌ(Lacrimae)」で、世俗歌「Flow my tears(流れよ我が涙)」を器楽用に作曲したもの。 ダウランドのリュートの曲には、「ダウランドの涙」「常にダウランド、常に悲しき」など「つねに悲しむ」をモットーとする作曲家である。 人間は、基本的に孤独であり、常に悲しい存在である。ダウランドの曲は、そんな人間の常態を、「爽や... ...続きを見る

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2018/05/27 10:41
何度も聞く古楽2018-41スヴェーリンク オルガン曲「われ汝を呼ぶ、主イエス・キリスト」他
ヤン・ピーテルスゾン・スヴェーリンク(蘭1562-1621)は、17世紀初頭のオランダのアムステルダムの旧教会のオルガニストで、即興の名手とし、北ヨーロッパにその名を知られていた作曲家。 バロック鍵盤音楽の書法を開発し、その後展開するドイツオルガン音楽に大きな影響を与えている。 彼の門下生にドイツのシャイトやシャイデマンなどがいて彼らがドイツでオルガン音楽の種まき役をした。 「われ汝を呼ぶ、主イエス・キリスト」はコラールの4つの変奏曲で、定旋律のコラールが音域の変化、対位法、フーガなどへ... ...続きを見る

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2018/05/26 07:57
何度も聞く古楽2018-40 ジェズアルド 「ミゼレーレ」
カルロ・ジェズアルド(伊1560-1613)は、モンテヴェルディと並ぶイタルア・マドリガーレの代表的作曲家。 妻と愛人を殺害した痛苦の人生を送った人のようである。 ミゼレーレMiserereというのは、部下を戦場に送りその妻を奪うという卑劣な罪を犯したダビデの悔い改めが素材になっている詩篇51篇によるが、苦渋の生涯を送ったジェズアルドにも特別な思いが込められているのかもしれない。ジェズアルドの「ミゼレーレ」には大変魅力的な深い響きがある。 ...続きを見る

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2018/05/24 07:10
何度も聞く古楽2018-39マレンツィオ  マドリガーレ「露に濡れた夜明け前に」他
ルーカ・マレンツィオ(伊1553-1599)は、ルネッサンス末期のイタリアの作曲家でマドリガーレの大家として知られる。 マドリガーレは、16世紀初頭からイタリアで現われた形式で、自由詩にあわせたメロディがポリフォニーで作られる。 ヴィラールト、ローレ、ジェズアルド、モンテヴェルディなどとともに代表的作曲家の一人。 イタリアの貴族社会の社交的芸術として栄え、ペトラルカ、タッソー、サンナローザなど、優れた詩人の詩をメロディー化しており、マレンツィオのドリガーレは大変、質のよい優れた曲が多い。 ... ...続きを見る

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2018/05/23 07:24
何度も聞く古楽2018-38トマス・モーリ  マドリガル「蕾にさえも悲しみは」他
トマス・モーリ(Thomas Morley英1557-16029) は、ジョン ウイルビー(Jhon Wilbye 英1575-1638)、トーマス・ウィールクス(Thomas Weelkes英1576-1623)とともに ルネッサンス音楽末期のイングリッシュ・マドリガルの作曲家として、なかでもモーリは主導的な立場にあった人である。 モーリスの場合は、当時のイタリア・マドリガルを範として作曲しているが、「今や五月」「蕾にさえも悲しみは」「4月は愛しい人のおもざし」「やさしいニンフが君の恋人を」... ...続きを見る

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2018/05/22 07:52
何度も聞く古楽2018-37  G.アッレーグリ    「ミゼレーレ」
アッレーグリ(伊1552-1652)「ミゼレーレ」は、パレストリーナの「教皇マルチェルス」とともにヴァチカンのシスティーナ礼拝堂に鳴り響いていたといわれ、その典礼でしか聞くことのできない秘曲だったそうである。 その秘曲を、ローマを訪れたモーツアルトが一度聞いただけで全曲書き写してしまったというエピソードがある。 天井の高い教会に、下から駆け上がって行く声が同時に上から降り注いでくるような極度な高音が繰り返される。 ミゼレーレMiserereというのは、部下を戦場に送りその妻を奪うという卑... ...続きを見る

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

2018/05/21 07:31
何度も聞く古楽2018-36ジョバンニ・ガブリエリ   カンツォーナとソナタ
ジョバンニ・ガブリエル(伊1553-1612)は、ルネッサンスからバロックへの過渡期に、分割合唱、通奏低音などによる作曲をした人。 聖マルコ寺院における宗教曲集「サクラ・シンフォニア集1,2」が、当時のドイツのハスラー、シュッツ、M.プレトリウスなどへ影響を与え、初期バロックのドイツへの移植を促した。 分割合唱様式は、半世紀前の聖マルコ寺院楽長であったヴィラールト開拓したヴェネツィア楽派の特徴であるが、ガブリエリにおいては、楽器、声楽を高度に配置した作曲が特徴。 「サクラ・シンフォニア集... ...続きを見る

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2018/05/20 08:17
何度も聞く古楽2018-35 レヒナー  モテト「もし主の御手から恵みを得るならば」 ハスラー モテ
レヒナー(独1550-1606) ハスラー(独1562-1612)はルネッサンスからバロック移行期のドイツの重要な作曲家である。ルネッサンス期は、音楽の後進国だったドイツが、ルターの宗教改革とともに新たな歩みを始めた。ルターは<万人司祭>の理念から母国語によるコラールを誕生させた。以来、ルター→ラッスス→レヒナー→ハスラー→シュッツ→バッハへとプロテスタント音楽は台頭してゆく。 レヒナーのモテト「もし主の御手から恵みを得るならば」は、胸にずんと染み入ってくるような美しさがある。 歌詞の中に「... ...続きを見る

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2018/05/19 07:28
何度も聞く古楽2018-34ヴィクトリア レクツイオ「我が心は生活に疲れたり」 他
ヴィクトリア(西1548-1611)のレクツイオ「我が心は生活に疲れたり」は、ヨブ記10章1−7節から歌詞が採られている。 レクツイオというのは、朗読に曲をつけたものである。 聖務日課でヨブ記が歌われるというのは、結局は、自分のために神を求めているにすぎない、という応報思想への厳しい戒めである。 ヴィクトリアのこの曲を繰り返し聴いているうちに、朗読の言葉のリズムが曲に生かされていて、一緒に声に出してつぶやきたくなる。 またヴィクトリアはグレゴリオ聖歌の交唱「アヴェ・マリア」をベースにヴ... ...続きを見る

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2018/05/18 07:14
何度も聞く古楽2018-33ヴィクトリア 「死者のためのミサ曲」
ヴィクトリア(西1548-1611)は、ルネッサンス期スペイン最大の音楽家。 教会音楽家でミサ曲のほかにも、「アベマリア」をはじめ印象深いモテトゥスが数多くある。 「死者のためのミサ曲」は、皇帝マクシミリアン2世の皇后マリア(フェリペ二世の妹)の死を悼んで作曲された。 レクイエムの単旋律聖歌を定旋律として他の5声がポリフォニックにからむ形で展開するが、悲しみやさまざまな感情を完全に昇華してしまうようなハーモ二ーが美しい。 ...続きを見る

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2018/05/17 07:08
何度も聞く古楽2018-32 W.バード  「5声のミサ」
バード(英1543-1623)の代表作は、「3声のミサ」[4声のミサ」[5声のミサ」である。 いずれも余計な装飾がない端正な曲ばかりである。 あまりにも完璧なハーモニーでただただ聞き従う以外にないような面もあるが、音と音が組み合わさって作られる力強さにいつの間にか呑み込まれてゆく。 中でも「5声のミサ」は、熟達したポリフォニーに感動する。最後のアニュス・デーの美しさは格別である ...続きを見る

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2018/05/16 07:45
何度も聞く古楽2018-31 W.バード 「Sing joyfully unto God
「われらの力の神に向いて喜び歌い Sing joyfully unto God」 (詩篇第81編) は、W.バード(英1543-1623)の礼拝用アンセムのひとつ。アンセムとは、イングランド国教会の礼拝(サービス)のなかの短い合唱曲のことで、この曲は、一緒に歌いたくなる楽しい曲である。特に、「Blow the trumpet in the new moon(角笛を吹き鳴らせ、新月に)」という件りがくると、思わず口をついてしまう。この詩篇には、「(神が)雷の隠れたところで答える」というキーワードが... ...続きを見る

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2018/05/15 07:49
W.バード  コンソートソング(清らかな英国半島)
W.バード(英1543-1623)は、ミサの名曲があるが、コンソート・ソングの作曲者としても素晴らしい。 コンソート・ソングというのは、ヴィオールの合奏(コンソート)の伴奏を持つ独唱、または2重唱の歌曲であるが、「清らかな英国半島Fair Britain isle」「喪服の天使in angel's weed」などを聞くと、死者を悼む哀歌,悲歌ということもあるが、胸に迫るものがある。「美しいスザンナSusanna fair」も美しい。また、「キリストは蘇りChrist rising again... ...続きを見る

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2018/05/14 07:19
何度も聞く古楽2018-29コヴェントリ・キャロル  「ラリ ルラ、小さき子よ」
コヴェントリ・キャロルとは、16世紀の英国のコヴェントリで歌われてきたクリスマスキャロルで、「ラリ ルラ、小さき子よ(July,july thou little tiny child)」は作者不明、「ララバイ(子守唄)」は、ウィリアム・バード(英1543-1623)の曲である。 いずれも単なる子守唄ではなく、マタイ伝に出てくるがヘロデ王がベツレヘムで行ったという大規模な幼児虐殺事件を描いていて、イエスの降誕に伴う幼児への鎮魂歌である。子守唄のやさしさのなかに、母親の悲しみが広がってくる。特にバ... ...続きを見る

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2018/05/13 07:12
何度も聞く古楽2018-28ロバート ホワイト 「エレミア哀歌」
ロバート ホワイト(英1538-1574)は、トーマス・タリス(英1505-1585)より少し後の作曲家で、ヘンリ8世からエリザベス1世に変わる、丁度、宗教改革によってカトリックからプロテスタントのスタイルへの変更を余儀なくされた時代の人である。 特に、「エレミア哀歌」は、タリスの作品とともに傑作とされている。 20分を超える長い曲なれど、聞くものを少しも飽きさせない。悲しみに満ちた響きがグイグイと迫ってくる。 また、モテトゥスも素晴らしく「主、汝にこたえたまわんことを」、「光にして日なる... ...続きを見る

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2018/05/12 08:14
何度も聞く古楽2018-27 ラッスス 「レクイエム(5声)」
ラッスス(フランドル1532-1594)のレクイエムも素晴らしい。 ラッススのポリフォニーには、ナチュラルな美しさがある。 湧き出る泉の音をいつまでも聞いているような魅力がある。「レクイエム(5声)」は、グレゴリオ聖歌の「レクイエム」とポリフォニーによる声楽部が交差して歌われ、声楽部は常にグレゴリオ聖歌の定旋律を用いてポリフォニックに展開されていく。ラッソには4声の「レクイエム」もある。 ...続きを見る

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2018/05/10 07:09
何度も聞く古楽2018-26ラッスス  「音楽は神の贈り物」他
ラッスス(フランドル1532-1594)は、パレストリーナとともにルネッサンス・ポリフォニーの完成者といわれる人である。 「音楽は神の贈り物」は6声部のモテトゥスであるが、ポリフォニーに深みがあり、調和のとれた美しい曲で、題名にふさわしい。 歌詞は「音楽は最高の神の贈り物であり、人を感動させ、神をも感動させる、音楽は激しい心を和らげ、悲しい気持ちを励ます。音楽は樹木さえ、また、恐ろしい野獣をさえ感動させる」というもの。日々古楽を聞く我々にとっても、音楽はまさに神の贈り物である。 また 「... ...続きを見る

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2018/05/09 08:04
何度も聞く古楽2018-25パレストリーナ  モテット「鹿が谷川を慕うごとく」「バビロン川のほとり」
パレストリーナ(伊1525-1594)の代表的なモテット。 詩篇42、詩篇137に基づくものであるが、バビロンの捕囚など、イスラエルが破壊され、旧約の神に見放されてしまう絶望の時期の詩である。敵を倒す神はもはやいない、ひたすら苦しみをともにしてくれる受苦の神(旧約の神)がいるだけである。 聖書には、羊がよく出てくるが、鹿が出てくるのは珍しい。愚鈍で迷いやすい羊と比べ、繊細でひ弱なイメージがある。喉が渇ききっていてもどこかノーブルな鹿のように、パレストリーナの曲もやさしく美しい。 このほか、... ...続きを見る

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2018/05/08 07:33
何度も聞く古楽2018-24パレストリーナ「教皇マルチェルスのミサ」
この曲は、ルネッサンス後期の大作曲家パレストリーナ(伊1525-1594)の代表作。 ルターの宗教改革でドイツ語による「コラール」が生まれ独自の教会音楽が育ってゆくなか、カトリックのミサの言葉が不明朗といわれた多声音楽を、言葉がよく聞き取れるという典礼の要請と芸術の完成度を両立作品として知られる。端正で明るく、透き通るような美しさがある。 また 「スタ-バト・マーテル」はペルコレージが有名だが、パレストリーナのこの曲も美しい。 調和した響きに、静かに打ち寄せる波のようなリズムがあり、お... ...続きを見る

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2018/05/07 07:10
何度も聞く古楽2018-23アントニオ・デ・カベソン 「ディファレンシアス」「 ティエント」
アントニオ・デ・カベソン(西1510-1566 Antonio de Cabezon)は、モラレスなどとともにイベリア半島の大作曲家の一人。 フェリペ(カール)2世に仕えた盲目の宮廷音楽家でオルガンの作曲家ある。 スペインには古くからオルガンが使われてきたが、カベソンが16世紀,スペイン音楽にオルガン曲を開花させた。 彼は、スペインのバッハとも言われる。 「ディファレンシアス」は、変奏曲という意味である。 「騎士の歌」「イタリア風パヴァーナ」{ミラノ風ガリアリダ」などのディファレンシア... ...続きを見る

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2018/05/06 07:50
何度も聞く古楽2018-22トーマス・タリス   「4声のミサ」、モテット、アンセム
トーマス・タリス(英1505-1585)は、「エレミア哀歌」で有名であるが 「4声のミサ」や数々の「モテット」、「アンセム」「ミサ」が聞き応えある。 バード(英1543-1623)とともに、エリザベス1世時代、カトリックから英国国教会のために、ラテン語から英語を用いて音楽を作ることを要請された時代の作曲家である。 アンセムとは、イングランド国教会の礼拝(サービス)のなかの短い合唱曲で、英国国教会版モテットのことである。彼のラテン語によるモテットにすばらしいものがある。 「祭祀たちは食を断... ...続きを見る

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2018/05/05 07:50
何度も聞く古楽2018-21トーマス・タリス  「エレミア哀歌」
トーマス・タリス(英1505-1585)の「エレミア哀歌」は、ルネッサンス時代の英国における宗教曲の中でバードのミサ曲(3声、4声、5声)とともに特に美しいものとしてと知られる。 「エレミア哀歌」は旧約聖書に出てくる預言者エレミアが、紀元前6世紀、新バビロニアに滅ぼされたエルサレムの荒廃を嘆いたとされる歌である。原典のヘブル語で、詩の各節が、ABCのアルファベットで始まるように作られている。 「エレミア哀歌」は、タリスのほかにも、アントワーヌ・ブリュメリ(仏1460-1520),ホワイト(... ...続きを見る

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2018/05/04 07:56
何度も聞く古楽2018-20モラレス  モテトゥス「より良き生活のうちに」「羊飼いたちよ、語れ」
クリストバル・デ・モラレス(西1500-1553)は、モテトゥスにおいて素晴らしい曲が多い。 すべてに劇的な表現力と抑制の調和が実現されている。なかでも、「より良き生活のうちに」「羊飼いたちよ、語れ」が一層心に滲み込んでくる。 「より良き生活のうちに」は、歌詞が、「人間は,埃から生まれ死して埃に返るにすぎない存在である。」打ち砕かれた謙虚な心こそが人間にふさわしいと悔い改めを求める。「羊飼いたちよ、語れ」は「キリストのご誕生を」と歌うくだりに、えもいわれぬ喜びが感じられる。 このほかのモテ... ...続きを見る

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2018/05/03 07:34
何度も聞く古楽2018-19ジャヌカン  シャンソン「狩の歌」「鳥の歌」「女のおしゃべり」
クレマン・ジャヌカン(仏1485-1558)はフランスの世俗歌謡シャンソンの作曲家であるが、言葉に鳥や動物の擬音や擬態語を取り入れるとともに、市民の日常生活を描写した歌を作り出していて、その独特でダイナミックな音の世界に圧倒される。 「鳥の歌」「狩の歌」など鳥、動物と言葉の混成体が、四声の複雑な音の組み合わせで展開するその技は神がかりでさえある。無条件に面白いし、この時代にこのような優れた労作が数多く作り出されていたことにただただ驚くばかりである。 ...続きを見る

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2018/05/02 07:31
何度も聞く古楽2018-18ニコラ・ゴンベール   モテット「命半ばにわれら死ぬ」世俗歌「兎狩り
ゴンベール(フランドル1495-1560)は、ジョスカン・デ・プレの弟子であり、ジョスカンより不協和音などを積極的に取り入れた複雑なポリフォニを作っている。 モテット「ムーサたちよ嘆け」は、ジョスカンの追悼曲で不協和音などの効果がよく現れている代表例である。 ゴンベールは、自作のモテット「命半ばにわれら死ぬ」をもとに、パロディミサを作っている。 和声の、低音に深みと複雑な音の推移に魅了される。 「命半ば」というのは、「永遠の命」に対する言葉なのであろう。 「罪深いわれらに苦い死を与えな... ...続きを見る

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2018/05/01 07:53
何度も聞く古楽2018-17 レリティエル モテトゥス「ニグラ・スム」
ジャン・レリティエル(仏、伊1480-1552)はジョスカン・デプレの弟子である。 彼のモテトゥス「ニグラ・スム」は、パレストリーナが、それをもとにパロディミサ「ニグラ・スム」として作曲していることから、注目されいるのであるが、レリティエルの素朴な美しさは胸に染み入ってくる。 「ニグラ・スム」は旧約のソロモン雅歌にテキストがあるが、「私は、色が黒いが美しい。だから王に愛されて、ご自分の寝室に導き入れられた。」という元来エロティックな歌詞が、主とマリアの詩に変えられていったもの。聖と俗が融合す... ...続きを見る

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2018/04/30 06:59
何度も聞く古楽2018-16W.コーニッシュ「悲しみにくれて」「ああロビン」(世俗歌:キャロル)
W.コーニッシュ(英1465-1523)ルネッサンス初期のヘンリー8世時代の傑出した作曲家。 このような美しい曲が、この時代になぜ作られたのかと思われるほど印象深い。 特に「ああロビン」は有名で不思議な音がする曲であるが、それに劣らず、「悲しみにくれて」も、十字架に釘付けにされたイエスの受動の極限ともいうべき姿の悲しみを歌っている。 一方、コーニッシュは宗教曲であるモテトゥスも聞き応えのある作品を作っている。 「サルヴェ・レジーナ」「キリストの母なる処女よ、喜べ」など美しい曲があるが、... ...続きを見る

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2018/04/29 07:42
何度も聞く古楽2018-15ブリュメル 「エレミア哀歌」
アントワーヌ・ブリュメリ(仏1460-1520)は、ジョスカンなどと同世代の作曲家で、北フランス、ジュネーブ、イタリアなどで活躍した人であるが、余り記録もなく良く知られていない。 エレミア哀歌は、なにげない音の流れに、秘めた悲しみが漂うような感動を覚える曲である。 ...続きを見る

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2018/04/28 07:11
何度も聞く古楽2018-13オブレヒト  モテトゥス「祝されたまえり、マリア」「めでたし、十字架よ
ヤコブ・オブレヒト(フランドル1450-1505)は、ジョスカン・デ・プレの同時代者で、イザーク、ラ・リューなどとともに活躍。 オランダのユトレヒトでオブレヒトが楽長をしていたとき、高名なユマニストのエラスムスが少年聖歌隊員として歌っていたといわれる。 オブレヒトは平明な作風といわれ、モテトゥス「祝されたまえり、マリア」「めでたし、十字架よ」の2曲は、グレゴリオ聖歌などのプレーンチャントの複数の旋律と歌詞が4声、5声でそれぞれポリフォニックに模倣し合いながら歌われ大変楽しく聞くことが出来る。 ...続きを見る

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2018/04/26 07:08
何度も聞く古楽2018-12イザーク モテトゥス「至高なる羊飼いよ」他
イザーク((フランドル、1450−1517)は、ジョスカン・デ・プレと並び立つ実力派でである。 シャンソンなどのほかに宗教音楽でも「使徒のミサ」や重厚なモテトゥスで聞くものを圧倒する。 モテトゥス「至高なる羊飼いよ」などは、重厚な中にも自然な伸びやかさがある。 また「あなたはまったく美しい」は、ハーモニックな調べの後半、何度もあらわれる沈黙があり、終息に向かい引き潮を聞いているような美しさがある。ほかに、「いとも賢きかの処女が」など。 ...続きを見る

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2018/04/25 08:06
何度も聞く古楽2018-11イザーク 「私は安楽に暮らせない」「インスブルックよ、さらば」(シャンソ
イザーク((フランドル、1450−1517)は、デ・プレと並び立つ大家である。 「インスブルックよ、さらば」は、インスブルック冬季五輪の閉会式で歌われるなど、今も歌われていて有名であるが、「私は安楽に暮らせない」というシャンソンも、深いバスの音が心に染みてくる。何度聞いても飽きない一曲である。 ...続きを見る

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2018/04/24 07:30
何度も聞く古楽2018-10ジョスカン・デ・プレ  シャンソン「千々の悲しみ」
ジョスカン・デ・プレ(フランドル、1440−1521)のシャンソン「千々の悲しみmille regrets」は、「天正の少年使節」が秀吉の前で演奏したとされる曲。 当時スペインなどで流行、神聖ローマ帝国の皇帝カール5世が大変好きだったことから「皇帝の歌」とも言われている。(この曲はモラレス、ゴンベール,ナルバエスなどが編曲している。) この曲とは別にジョスカンには、「わが愛しき人Que vous ma dame」などのシャンソンがある。 グレゴリオ聖歌の一部が定旋律になっているモテゥス・シ... ...続きを見る

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2018/04/23 07:14
何度も聞く古楽2018-9ジョスカン・デ・プレ 「オケゲムの死を悼む晩歌」 「アヴェ・マリア」
ジョスカン・デ・プレ(フランドル、1440−1521)は、ルネッサンス音楽の最盛期の大作曲家の一人。 彼の作品のなかで、とくに美しいといわれる作品。 オケゲムの死を悼む曲が、オケゲムを引き継ぐデ・プレによって作られ、このように美しい5声によって歌われ、次世代へと音楽の調和の輪が広がってゆくことに感動する。 歌詞のなかに、次の世代の作曲家、ジョスカン、ブリュメル、ラ・リュー、コンベールの4名が出てくる。 またアヴェ・マリアは、グノーやアルカデルトなど旋律の美しいものが有名だしたくさんあるが... ...続きを見る

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2018/04/22 07:48
何度も聞く古楽2018-8オケゲム 「レクイエム」「けがれなき神の母Intemerata Dei M
オケゲム(Johannes Ockeghemフランドル1410頃-1497)のレクイエムは、史上最古のポリフォニー・レクイエムといわれるものである。 中世のあいだは死者のためのミサは、グレゴリオ聖歌によって演奏されてきたが、デュファイやオケゲムによって初めて多声化された(残念ながらデュファイの曲は、残されていない)。 オケゲムの「レクイエム」章のひとつ(トラクトゥス)に詩篇42「鹿が谷川を慕うごとく」が取り入れられている。 「魂は神を慕いあえぐ」「お前の神はどこにいる」など神に見放されてし... ...続きを見る

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2018/04/21 07:44
何度も聞く古楽2018-7ギョーム・デュファイ   シャンソン「ああ,わが悲しみ」
デュファイ(フランドル1400-1474)のシャンソンのなかでは、「もしも私の顔が青いなら」が、同名の彼の代表作のミサにその旋律が使われていることで有名であるが、数あるシャンソンのなかで一際印象的な旋律が、「ああ,わが悲しみ(Helas mon dueil)」である。現代のフォークソングにも通ずる叙情的な旋律は、一人だけのものではく、皆と悲しみを共有する旋律である。 ほかに、「「よい日,よい月、よい年」「新年の日」「もしも私の顔の青いなら」など ...続きを見る

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2018/04/20 07:32
何度も聞く古楽2018-6ダンスタブル  モテトゥス「聖霊よ、来たりたまえVeni Sancte S
ジョン・ダンスタブル(英1390-1453)は、中世末期イギリスの最大の作曲家といわれ、大陸とイギリスの和声を融合しルネッサンス音楽誕生をもたらした人と言われている。 この曲は、中世音楽の手法である複雑なイソリズム(旋律を反復する一定の繰り返されるリズムに埋め込む手法)を用いている驚異的なモテトウスである。 二つのグレゴリオ聖歌のVeni Sancte SpiritusとVeni creator Spritusと前者の改編した曲に基づく4声を、反復するリズムにまさに埋め込みながら展開させる。... ...続きを見る

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2018/04/19 07:16
何度も聞く古楽2018-5ギヨーム・ド・マショー  「ダヴィデのホケトゥス 」
ギヨーム・ド・マショー(仏1300-1377)は、ポリフォニーの本格的なミサ曲を最初に作曲した人である。 一人の作曲家がミサの通常文をすべて作曲する「通作ミサ」の最古のものがマショーの「ノートルダム・ミサ」である。古楽の黎明期であるゴシック期は、ノートルダム学派(1160-1250)、アルス・アンティクワ81250-1320)、アルス・ノヴァ1320-1380)の3期間に分けられるが、マショーは、アルス・ノヴァの時代の中心的な作曲である。 マショーは、モテトゥスや世俗曲も作っていて、「ああ... ...続きを見る

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2018/04/18 08:04
何度も聞く古楽2018-4モンセラートの朱い本
スペイン・バルセロナ郊外のモンセラート山の黒い聖母像で知られるモンセラート修道院に伝承される14世紀の朱い写本(1399製作)には、巡礼者たちによって歌い踊られた10曲の歌が残されている。 民謡や賛歌などで、単旋律、2声、4声のポリフォニー歌曲もある。素朴で力強い旋律は大変魅力的である。 「声をそろえていざ歌わん」や「7つの喜び」などの掛け声のようなマリア賛美には、人々の素朴な一体感と喜びが伝わってくる。 「あまねき天の女王」は、時間が止まってしまったような、ゆったりした世界の中で満たされ... ...続きを見る

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2018/04/17 07:47
何度も聞く古楽2018-3中世イギリスの歌  「夏は来たりぬ」「天使がひそかに」ほか
まだ多声音楽の中心がフランスにあった13世紀ころに、作者不詳の「夏は来たりぬ」など6声で輪唱による世俗歌がイギリスに存在していた。 音楽史上奇跡に近いといわれている。 民謡風の素朴なリズムが多声で躍動する。 この頃の数々のマリア賛歌の曲なども素朴で温かい。古楽の魅力は、この頃の民衆的な素朴な歌に原泉がある。「天使がひそかに Angelus ad virginem」はラテン語であるが、その英語版の「ガブリエルは天父から」や、「祝福あれ(Edi be thu)」などの小曲を聞くと至福の喜びを覚... ...続きを見る

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2018/04/16 07:05
何度も聞く古楽2018-2 スラヴ典礼音楽 「十字架挙栄祭」「四旬節と復活祭の聖歌」
スラヴ典礼はビザンツ典礼の流れをくむギリシャ正教の典礼である(スラヴ諸国において独自の民族的色彩のもとに発展したビザンツ=スラヴ典礼)。 楽器を使用しない、独特の旋律をつなぎ合わせた旋法という特徴がある。 大地の香りというか、海岸に打ち寄せる静かな波の音を聞くような、豊かでいつまでも聞き入っていたくなるような不思議な典礼音楽である。歌詞は、典礼だから祈りそのものであるが、祈りがこのような素晴らしい音楽のなかで行われることを大変羨ましく思う。 ...続きを見る

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2018/04/15 07:42
何度も聞く古楽2018-1グレゴリオ聖歌、ソールズベリー聖歌
グレゴリオなど聖歌は癒しの音楽といわれるが、何度も聞きたくなる歌というのは必ずしも多くない。繰り返し聞いたり謳いたくなる聖歌を挙げてみる。  (グレゴリオ聖歌)  ◆サルヴェ・レジーナSalve,Regina ◆来たれ,造り主なる聖霊よ Veni Cretator Spiritus ◆過越のいけにえを Victimae paschali laudes ◆シオンよ汝の救い主を讃えよLauda Sion、 ◆われは御身を敬虔にあがめAdoro te devote ◆偉大なる秘蹟Tan... ...続きを見る

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2018/04/14 07:49
繰り返し聞く古楽2018(100)バッハ  「フーガの技法」BWV1080
バッハ(独1685-1750)の「フーガの技法」は、一つの主題を複数の声部が追いかけるのであるが、そこには反行、縮小、二重、3重、鏡影、カノンなどさまざまなフーガが展開する。やや衒学的で、感覚に訴える要素を犠牲にしても、対位法の技を極限にまで突き詰めた作品といわれている。18のフーガを詩篇との関連で読み解こうとする試みもある。バッハの音楽には、音楽を超えたロゴスの世界を暗示させるような力があるのは確かだ。 ...続きを見る

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2018/04/13 07:17
繰り返し聞く古楽2018(99)バッハ  「音楽の捧げもの」BWV1079
バッハ(独1685-1750)のこの有名な曲は、フリードリッヒ2世がバッハに与えた主題により作曲し王にプレゼントした作品である。魅力はこの主題の旋律。 この一連の作品のなかで、やはり「フルート・トラヴェルソ、ヴァイオリンと通奏低音のためのトリオ・ソナタ」が素晴らしい。 ラルゴ、アレグロに続きアンダンテが始まると、この曲に出会えた喜びを感ずる。 バッハが王の前で即興した「3声のリチェルカーレ」、即興できなかったが後で献呈した「6声のリチェルカーレ」など話題も面白く、曲集としても堪能できる。 ... ...続きを見る

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2018/04/12 07:02
繰り返し聞く古楽2018(98)バッハ  「無伴奏チェロ組曲BWV1007-1012」
バッハ(独1685-1750)の「無伴奏チェロ組曲」は、聞けば聞くほど、いつの間にか自分の内面の声を聞いているような気分になってくる。言葉にならない音楽の言葉が語られてゆく。私はその言葉にうなずきながら聞く。 6曲のすべて、前奏曲が、滑り込むように曲にいざなう。第1組曲から第6組曲に至るまで、だんだん深い世界に入ってゆく。スラーが奥へ深く引きつれ、付点のリズムが激しく鼓動する。各組曲の、ブーレ、ガボットが降りtてゆく階段の踊り場で、生き生きと躍動する。第6組曲は、音域が一層幅広くなり、言葉にな... ...続きを見る

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2018/04/11 07:15
繰り返し聞く古楽2018(97)バッハ  「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータBWV10
バッハ(独1685-1750)のこの曲は、誰もが一度は心酔する名曲である。 パルティータ第2番のシャコンヌは、深い感動を与えてくれる。 一方、ソナタも素晴らしい。第1番の2楽章フーガの始まりの部分や3楽章のシチリアーノの柔らかな響き、第2番の3楽章アンダンテの美しさ、4楽章アレグロの不思議な響きなど魅力一杯である。また、ソナタ3番は宗教色が強いといわれる。1楽章は鐘の音、2楽章はコラールの祈り。3楽章のメロディとバスの響きが素晴らしい。 ...続きを見る

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2018/04/10 06:44
繰り返し聞く古楽2018(96)バッハ  「イタリア協奏曲BWV971」
バッハ(独1685-1750)のこの有名な「イタリア協奏曲」は、いわゆるソロと管弦楽の協奏曲ではなく、2段鍵盤(チェンバロ)による協奏曲的な形式原理を持ったソロ器楽曲である。 ヴィヴァルディなどのイタリアの合奏協奏曲の作曲原理を取り入れていることから「イタリア協奏曲」といわれている。 1楽章:ヘ長調(アレグロ)→2楽章:ニ短調(アンダンテ)→3楽章:へ長調(プレスト)と、緩/急、長/短、強/弱の効果的な組み合わせが、曲の流れを生き生きとさせると共にまとまりのあるものにしている。 特に1楽章... ...続きを見る

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2018/04/09 07:18
繰り返し聞く古楽2018(95)バッハ 「半音階的幻想曲とフーガニ短調 BWV903」
この曲はベートーベンもよく研究したといわれる。 幻想曲の急速なパッセージ、大胆な転調、加えて、「語り歌う」レチタティーヴォ、しばし、バッハの他の曲にみられないこのドラマティックな曲に息をのむ。 この即興的な《幻想曲》で表現は、《フーガ》という厳格性に引き継がれ高められ、濃縮される。 ...続きを見る

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2018/04/08 08:27
繰り返し聞く古楽2018(94)バッハ 平均律クラヴィーア曲集(2)
24の調による「プレリュードとフーガ」の第2集。第1集に比べ音楽性が豊か。全体的にプレリュードが美しい。優雅さ、快適さ、甘美さなど次々繰り広げられる多彩な曲想に、飽きることはない。なかでも、印象に残る曲は、第4曲嬰ハ短調BWV873、第6曲ニ短調BWV875、第8曲嬰ニ短調BWV877、第9曲ホ長調BWV878、第22曲BWV893変ロ短調など。 第4曲嬰ハ短調BWV873は、大変哀愁に満ちた深い表現で胸にしみわたってくるプレリュード、軽快ではあるが、深い情感を維持したまま進むフーガ。 第6... ...続きを見る

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2018/04/07 07:08
繰り返し聞く古楽2018(93)バッハ 平均律クラヴィーア曲集(1)BWV846-869
24の調による「プレリュードとフーガ」。曲集は(1)と(2)があり、(1)は1722年、(2)はその20年後に完成している。(1)で印象に残る曲は、先ずなんといっても第1曲ハ長調BWV846,この曲を基にグノーが「アヴェ・マリア」のメロディをつけて編曲しことで知られる。こうした短い曲では、第13曲嬰ヘ長調BWV858は、:明るく楽しいプレリュードとフーガが快く美しい。 圧巻は次の3曲。 第4曲嬰ハ短調BWV849のプレリュードの冒頭のモチーフが素晴らしい。フーガは堂々とした巨大な構築空間の中... ...続きを見る

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2018/04/06 08:16
繰り返し聞く古楽2018(92)バッハ  「パルティータ全曲 」BWV825-830
バッハ(独1685-1750)の鍵盤の組曲には、この「パルティータ」のほか「フランス組曲」「イギリス組曲」などがある。「パルティータ」は、「クラヴィーア練習曲集第1部」として最初に出版され、第2部には「イタりア協奏曲」「フランス序曲」、第3部「オルガン・ミサ曲」、第4部「ゴルトベルグ変奏曲」と続く。 「パルティータ」のなかで、印象深いのは1番と6番。1番は、舞曲のリズムを生かしながら、自然にある調和、変化を音で表現しているような繊細さとともにおおらかさがある。第2曲は、イタリア協奏曲を想起させ... ...続きを見る

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2018/04/05 07:19
繰り返し聞く古楽2018(91)バッハ  「フランス組曲 5番BWV816」
バッハ(独1685-1750)の組曲は、このフランス組曲に先立ち「イギリス組曲」がある。「イギリス組曲」は、各曲の冒頭に自由なプレリュードがおかれているが、フランス組曲は、それはなく、舞曲リズムのアルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグを核とした組曲である。 バッハは、舞曲リズムから、曲のさまざまな多様性を引き出したといわれている。 繊細なリズム感、洗練された音楽表現、自然な音楽といった性格を創り出してきた。 この組曲の、特に有名でもある5番のアルマンドが流れ始めると、その洗練された音楽... ...続きを見る

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2018/04/04 07:46
繰り返し聞く古楽2018(90) バッハ オルガンコラール「深き淵より我汝をよばわる」
オルガンコラール「深き淵より我汝をよばわる」→詩篇130の基づくマルティン・ルターの作詞作曲。 同名のカンタータ第38がある。 詩篇130は罪の深い絶望から神の赦しを乞うという内容。 コラールの単旋律をもとに、深い淵からの重い叫びが響いてくるような荘厳な曲である。 時が生まれ一斉に万象が動き始め伸びてゆ北飼いに絡んでゆく。 そして怒濤のごとく流れゆく ...続きを見る

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2018/04/03 08:18
繰り返し聞く古楽2018(89)ハ  「パッサカリアとフーガハ短調BWV582」
バッハ(独1685-1750)のオルガン曲の中で、「パッサカリアとフーガ」は「トッカータとフーガ」に並んで素晴らしい。 冒頭の低音主題が大変印象的で、この主題の反復と変奏がグイグイと深くて雄大な世界に我々を引き込んでゆく。 ...続きを見る

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2018/04/02 07:42
繰り返し聞く古楽2018(88)バッハ 前奏曲とフーガ「ハ短調BWV549]
ペダルの迫力がすごい。エネルギーがほとばしる。フーガはそのエネルギーを秘めに秘めてリズムを刻む。だんだん激しくなってゆく。 ...続きを見る

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2018/04/01 08:04
繰り返し聞く古楽2018(87)バッハ 教理問答書コラール WV682:「天にまします我らの父よ
穏やかな波動が一点から円を描き天上に広がってゆく ...続きを見る

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2018/03/31 08:09
繰り返し聞く古楽2018(86)バッハ オルガン曲「トッカータとフーガ 二短調BWV565」
この曲は、誰でも知っているバッハ(独1685-1750)のオルガン曲の代表作であるが、この曲に触発されてヘルマン・ヘッセが詩を書いている。「バッハのあるトッカータに寄せて」という題がつけられている。 「凝固せる太古の沈黙.....支配する暗黒.....このとき一条の光  雲の裂け目よりほとばしり、光なき虚無の中より 世の深遠をつかむ。..............」     ヘッセは、「バッハのトッカータを聞くと、必ず天地創造のイメージが、しかも光の誕生のイメージが湧いてくるのです。」と言って... ...続きを見る

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2018/03/30 08:12
繰り返し聞く古楽2018(85)バッハ オルガン作品「幻想曲とフーガ BWV542」「フーガ
バッハの「幻想曲とフーガ BWV542」「フーガ BWV578]は、大フーガ、小フーガといわれている名曲。大フーガ、小フーガという言い方は、BWVの番号が存在しなかったときの名残りのようである。 大フーガのドラマティックで、未踏の空間へグイグイ心をひっぱって行くような展開、そして、目の前に開ける壮大で美しい世界。この音楽の世界は何だろう。すべてが一致結合し価値を認めており充足しあっている。 一方の小フーガは、バランスの取れたまとまった名曲 ...続きを見る

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2018/03/29 08:01
繰り返し聞く古楽2018(84)バッハ  「オルガン独奏のためのトリオソナタBWV525-530」
バッハ(独1685-1750)のこのオルガンのトリオソナタは、3楽章構成で6曲あるが、詩情に満ちた美しい曲ばかりで、どの曲にも惹きつけられる。3人で演奏されるソナタ形式を一人で、右手、左手、両足で3パートを演奏する。それぞれのメロディの自律性を認識し、他のメロディーとの掛け合いを上手く弾きこなす必要があり、かなり高度な演奏技術が要求される。 ソナタ525の冒頭から楽しい豊かな音色で始まり、切なく美しいアダージョ、アレグロでは、軽やかな小さな生き物が飛び交う。ソナタ526のラルゴ、ソナタ527の... ...続きを見る

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2018/03/28 07:52
繰り返し聞く古楽2018(83)バッハ 「マタイ受難曲」
ハ(独1685-1750)の「マタイ受難曲」は、「ヨハネ受難曲」が「初めに言あり、言は神であった」という福音書の前提を踏まえているため、神の支配、栄光が強調されるが、「マタイ受難曲」の方は、イエスの人間的実存の面から展開されているため、イエスの人間としての苦悩などが多くの場面で描写される。ユダの裏切りへの厳しいことば、イエスの苦悩を理解しない弟子への落胆、「我が神、どうして私をお捨てになるのか」という神への信の確認など、きわめてドラマティックな展開を見せる。「ああ、血にまみれ傷ついた御頭よ」が歌... ...続きを見る

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2018/03/27 07:15
繰り返し聞く古楽2018(82)バッハ モテット3番BWV227「イエスよ、私の喜びよJesu,me
バッハのモテットは6曲あるが、いずれも、聖書の聖句や宗教詩、コラールなどのテキストを音楽化したもので、祈りの音楽である。中でも3番「イエスよ、私の喜びよJesu,meine Freude」は、同名のコラールをベースに、それを効果的に生かした素晴らしい作品である。テキストも、イエスに寄り添うことで、死、罪、傲慢、虚栄、富、名誉と戦うといった素朴な内容で、心の安らぎを求める祈り、信仰、霊の勝利を歌う。変奏が多彩で、テキストの内容が音楽となって深化してゆく不思議な一曲である。 ...続きを見る

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2018/03/26 08:02
繰り返し聞く古楽2018(81)バッハ カンタータ第182番 「天の王よ、汝を迎えまつらん」BW
イエスはユダヤ各地で伝道して多くの信者・弟子を得た後、首都エルサレムに入り、やがて十字架にかけられるが、このエルサレム入城を「枝の日曜日」とし、その週の金曜日が受難日、次の日曜日が復活祭となる。第182番 「天の王よ、汝を迎えまつらん」は、このエルサレム入城の時のカンタータである。最初のソナタは、ヴァイオリンとリコーダーによる素朴でのどかな音楽。「ロバに乗って」という場面を想像させる。なんといってもこの曲の要は、5曲目のアルトによるアリアであろう。リコーダーのオブリガートが、やがてやって来る受難... ...続きを見る

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2018/03/25 07:30
繰り返し聞く古楽2018(80)バッハ  カンタータ106番 「神の時こそいと良き日」
J.S.バッハ(独1685-1750)のこの曲は、「哀悼行事用」呼ばれる葬送用のカンタータである。リコーダー、ビオラ・ダ・ガンバの柔らかい美しい前奏で始まる。死の人間のジメジメしたやりきれなさが、どこかへ吹っ飛んでしまうような独特の響きがある。旧約の、避けられない掟としての死を歌うバス、その後、やさしいソプラノが「主イエスよ来たりたまえ」と救済の手を差し伸べる。直後のアリアとガンバの伴奏がとりわけ美しく感動的だ。終章もリコーダー、ガンバが効果的にコラールを締めくくり、これらの楽器の魅力を再認識さ... ...続きを見る

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2018/03/24 07:45
繰り返し聞く古楽2018(79) バッハ  カンタータ第82番「われは足れり」BWV82
バッハ(独1685-1750)のバス独唱の名曲として知られる。ルカによる福音書にある、救い主としての幼児イエスに出会い心満たされて死に赴くシメオン老人の物語で、シメオンを「私」として歌います。”私はもう結構。正しい人たちの希望である救い主をこの腕に抱きしめたのだ。私は今日のうちにもこの世を去りたい。”と。誕生した孫かひ孫を抱き上げる老人のような、深い限りなくやさしい喜びと気持ちが重なり、心が安らぐ名曲である。 ...続きを見る

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2018/03/23 08:11
繰り返し聞く古楽2018(78)バッハ  カンタータ4「キリストは死の縄目につながれたり」BWV4
ルターが、グレゴリオ聖歌「過越のいけにえを」Victimae paschali laudesの旋律を改編してコラール「キリストは死の縄目につながれたり」を作り、そのコラールをもとにバッハがカンタータ4番とする。 このカンタータ「キリストは死の縄目につながれたりBWV4」は、死と生命が戦い、生命が死を呑みつくすという緊迫感のあるクライマックスがあるが、 音楽としては、 その前の、罪ゆえに死に囚われる人間の絶望を歌う ソプラノとアルトの2重唱の第2変奏「死に打ち勝てる者絶えてなかりき」(De... ...続きを見る

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2018/03/22 07:44
繰り返し聞く古楽2018(77)ペルゴレージ    「スタ-バト・マーテル」
ジョヴァンニ・バティスタ・ペルゴレージ(伊 1710-1736 後期バロックのオペラ作曲家)は、バッハより25年後の世代だが、26歳の若さで亡くなっているため、彼より早く世を去っている。 「スタ-バト・マーテル(悲しみの聖母)」は、グレゴリオ聖歌のひとつで、十字架のイエスの足元でマリアがわが子を嘆く悲痛な詩である。 グレゴリオ聖歌は、やや単調な歌であるが、ペルコレージのこの歌は、悲しみの中に明るさもあり、まことに美しい。パレストリーナも美しい「スタ-バト・マーテル」を作っているが、ペルゴレー... ...続きを見る

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2018/03/21 08:31
繰り返し聞く古楽2018(76)ガルッピ  チェンバロ「ソナタ5番ハ長調」
バルダッサーレ・ガルッピ(伊1706-1785)は、後期バロック期のオペラの作曲家であるが、大変魅力的なチェンバロのソナタを残している。チェンバロ「ソナタ5番ハ長調」は、ミケランジェリのピアノ演奏で有名になったが、曲の鳴りはじめた瞬間からその旋律に引き込まれてしまう。 この美しいチャーミングな旋律は、ミケランジェリのピアノ演奏で聞くと、もはやバロックではなく、モーツアルトなどに近いが、チェンバロの演奏は、もっと素朴で別な味わいがある。 ...続きを見る

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2018/03/20 08:11
繰り返し聞く古楽2018(75)ルクレール  「ヴァイオリンソナタ」第4巻作品9−10
ジャン・マリ・ルクレール(仏1694-1764)は、「フランスのコレッリ」と呼ばれている。 ラモー(仏1683-1764)と同世代のルイ15世時代のヴェルサイユ学派で、ヴァイオリンをコレッリの高弟に師事している。彼の華麗で繊細な音楽は、音楽と舞踊の結びつきから来ている。彼はイタリアで若き頃舞踊手でもあった。「ヴァイオリンソナタ」1巻から4巻まで48曲を作っているが、すべての「ヴァイオリンソナタ」に舞曲風のステップが刻まれ、優雅で美しい。第3巻作品5−7などは、タルティーニの「悪魔のトリオ」を思... ...続きを見る

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2018/03/19 07:09
繰り返し聞く古楽2018(74)ヘンデル ハープシコード組曲
ヘンデル(英1685-1759)のハープシコードの作品には、魅力的な曲が多い。 ヘンデル自身、ドメニコ・スカルラッティとハープシコードの腕試しをした逸話があるほどの名手である。 「調子のよい鍛冶屋(組曲第5番)」は、もっとも有名でありいつ聞いても楽しくさせてくれる曲である。この原曲は「シャコンヌ ト長調」の主題と変奏にある。 ヘンデルは、ハープシコードにおいて霊感を得た音楽を伝えようとしたといわれるが、彼のリズムや音の展開には湧き出る泉のように心の乾きを潤してくれるものがある。 ... ...続きを見る

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2018/03/18 08:18
繰り返し聞く古楽2018(73)ヘンデル  「リコーダソナタ」
ヘンデル(英1685-1759)の作品のなかで、「リコーダソナタ」は、多くの人に愛されている。 リコーダを吹くアマチュアにもプロにも。 曲が明るく、気持ちを平和な調和の世界に整えてゆく。とにかく旋律に無理がなく単純で質素なのであるが、内実が豊かで聞き手の心を満たしてくれる。 ソナタハ長調、イ短調、変ロ長調をはじめ、トリオソナタなどもより豊かな表現力を伴って、リコーダと通奏低音の、他の楽器にはない魅力的な雰囲気に浸ることが出来る。 ...続きを見る

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2018/03/17 07:52
繰り返し聞く古楽2018(72) ヘンデル  詩篇歌「主はいわれたDixit Dominus」
詩篇110番「主はいわれたDixit Dominus」は、ダビデの詩による賛歌であり、マタイ福音書でイエスがこの言葉を語っている。 「主はいわれた。”私の右の座に着きなさい。わたしがあなたの敵をあなたの足元に屈服させるときまで”と」。イエスが現世におりて人となり、受難して再び昇天するするまでの間の、イエスに対する神の言葉としてとらえられている。この詩篇歌で、ヘンデル(英1685−1759)に勝るものはないであろう。出だしの畳み掛けるようなリズムにすっかり魅了されてしまう. ...続きを見る

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2018/03/16 18:08
繰り返し聞く古楽2018(71)D. スカルラッティ  「ソナタ集」
ドメニコ・スカルラッティ(伊1685-1757)は、ヘンデルとチェンバロの腕試しをした逸話がある名手であり、「555のソナタ」を残している。 バッハ、ヘンデルと同じ年の生まれである。 彼のソナタは、フラメンコの踊りやギターの音楽を思わせる音型、両手の激しい対話、憂愁を漂わせる響きなど多彩であり、飽きさせない魅力たっぷりの曲集である。 特にK132ハ長調,K501ハ長調などが印象深い。 ...続きを見る

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2018/03/15 07:29
繰り返し聞く古楽2018(70)ラモー  「クラブサン集」
ジャン・フィリップ・ラモー(仏1683-1764)は、ジャン・ジャック・ルソー時代のオルガニスト、作曲家、音楽理論家でもある。「クラブサン集」には、「第1」、「第2」、「新」と3集あるが、いずれのどの曲も聴く人を退屈させない。 舞曲がベースになっていることや標題音楽などが楽しさを増す。 すべてが空気のようであり、さわやかな風が耳元を駆け抜けてゆく。 特に第2集の、標題音楽の「小鳥たちの集合ラッパ」「リゴドン」「タンブラン」「恋のくりごと」「ソローニュのお人好し」、新曲集の「ガボットとドウ... ...続きを見る

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2018/03/14 07:58
繰り返し聞く古楽2018(69)テレマン  「リコーダ協奏曲」
テレマン(独1681-1767)といえば、同時代のバッハやヘンデルより当時は、人気と名声があった人である。 代表作は、「ターフェルムジーク(食卓の音楽)」。さまざまな楽器を魅力的に鳴らし質の高い作品を大量に作り出しているのだが、ここで取り上げるのは「リコーダ協奏曲」。 バロック時代は、ヴィルトゥオーゾ楽器としてリコーダが人気があったが、テレマンのリコーダ作品を聞くと、リコーダの魅力が最大限に引き出され精気がみなぎっている。ハ長調、ホ短調、ヘ長調、組曲イ短調など傑作が多い。中でもホ短調は、リ... ...続きを見る

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2018/03/13 07:45
繰り返し聞く古楽2018(68)ヴィヴァルディ   「調和の霊感」
ヴィヴァルディ(伊1678-1741)の「調和の霊感」は12の協奏曲からなり、「四季」と並ぶもっとも有名な曲である。 彼は「赤毛の神父」の愛称を持つ神父で、孤児院付属の女子音楽院の教師として活躍し、この音楽院の演奏のために多くの作品が書かれたいわれている。 子供から大人まで音楽の調和の喜びに導くような明るさがあるのもそんなところから来るのかもしれない。 6番の独奏ヴァイオリンの曲が、ヴァイオリンを学ぶ子供の教則本に載っていて、この曲をより親しみのあるものにしている。このほか、5番、8番、9... ...続きを見る

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2018/03/12 07:16
繰り返し聞く古楽2018(67)ヴィヴァルディ   「スタバトマーテル」
ヴィヴァルディ(伊1678-1741)といえば「四季」があまりにも有名だが、宗教曲においてもすばらしいものがある。 彼は、もともと司祭でもあった。宗教曲といっても、劇音楽に興味を持っていたヴィヴァルディは、宗教的独唱とシンフォニア的なコンチェルトの組み合わせで作られている。 「スタバトマーテル(悲しみの聖母)」は、ペルコレージ、パレストリーナなど多くの作品があるが、ヴィヴァルディの場合も、十字架上のわが子に対し「人として泣かぬものがあろうか」という言い知れぬ悲しみに打ち崩れながらも、苦しみに... ...続きを見る

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2018/03/11 08:09
繰り返し聞く古楽2018(66)クープラン クラブサン曲「恋する夜うぐいす」「神秘な障壁」他
フランソワ クープラン(仏1668-1733)は、ラモー(仏1683-1764)とともに、フランスクラブサン学派の巨匠の一人。クープランの作品の標題に伴う情景描写が極めて印象的である。 たとえば「恋する夜うぐいす」「神秘な障壁」「修道女モニク」などの小曲をきくと、爽やかなイメージの詩のアニメ動画を見ているような錯覚を覚える。 特に響きを消した音を効果的に使った和声の展開が印象的である ...続きを見る

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2018/03/10 08:15
繰り返し聞く古楽2018(65)ヨハン・クリストフ・ペーツ  「パストラール協奏曲 ヘ長調」
パストラーレ(キリスト降誕の夜、牧童が笛を吹いたという聖書に基づき田園情緒を描こうとする)については、コレッリで紹介したが、ドイツの作曲家ヨハン・クリストフ・ペーツ(独Johann Christoph Pez 1664-1716)のパストラール協奏曲ヘ長調も素晴らしい。 ドイツ人であるが、イタリアでコレッリに学び、フランスのリュリなどの影響も受けている。 弦楽に2本のリコーダーが加わり、牧歌的な雰囲気を出している。 ...続きを見る

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2018/03/09 08:05
繰り返し聞く古楽2018(64)ジュゼッペ・ヤッキーニ  チェロソナタ
ジュゼッペ・ヤッキーニ(Giuseppe Maria Jacchini伊1663-1727)は、チェロの黎明期のチェロ奏者で作曲家、ドメニコ・ガブリエル(伊1659-1690)(186参照)に師事したといわれる。いくつかのチェロソナタが素朴で、哀愁を帯びた旋律が親しみやすい。また舞踏的なリズムの楽しさも魅力的だ。「ソナタ・ハ長調」、「ソナタ・イ短調」、「ソナタ・ト長調」などチェロならではの魅力が生かされ、いずれも飽きさせない。 ...続きを見る

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2018/03/08 08:27
繰り返し聞く古楽2018(63)ドメニコ・ガブリエル  「ソナタ ト短調」「ソナタ イ長調」
ドメニコ・ガブリエル(伊1659-1690)は、バロック時代の作曲家でチェリスト。 「チェロのドミニカ」といわれていたようで、チェロの作品が面白い。 なかでも「ソナタ ト短調」「ソナタ イ長調」が印象に残る。ト短調は、のびやかで語りかけるように歌う、何か思い出が詰まった話をするような。 イ長調は、切なく美しい旋律と、軽快なリズムとが交互に展開し、緩急のチェロの魅力を味わうことができる。 ...続きを見る

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2018/03/07 07:27
繰り返し聞く古楽2018(62)パーセル  ファンタジア「第5番、インノミネ」「 ソナタ6番」
パーセル(英1659-1695)は、バロック時代の英国の大作曲家で、彼の「ファンタジア」には不思議な魅力がある。ファンタジアというのは、声楽曲で培われたポリフォニー技法を器楽曲に転用したもので、器楽曲が独自の道を始めた時の音楽である。テキストなしで思うままに旋律を作り出し独自の発想で練り上げてゆく。「声と言葉」から開放された斬新さ、音そのものの喜びのようなものを感じさせる。ファンタジアのどの曲も素晴らしいが、第5番とインノミネの2曲は何度も繰り返して聞きたくなる曲である。「インノミネ」はジョン・... ...続きを見る

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2018/03/06 07:38
繰り返し聞く古楽2018(61)パーセル 「組曲6番」「ラウンド0」「グラウンド」
ヘンリー・パーセル(英1659-1695)は、彼にはいくつかの優れたハープシコードの作品がある。 ちょっとしゃれた感じの「組曲6番」、哀愁を感じさせる「グラウンド」そしてブリテンの「青少年管弦楽入門」の主題にになっている「ラウンド0」など。 「ラウンド0」は、劇付随音楽のアブデラザールの中の第2曲「ロンドー」からきている。音そのものの喜びのようなものを感じさせるパーセル独特の自由奔放な世界がある ...続きを見る

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2018/03/05 07:34
繰り返し聞く古楽2018(60)マラン・マレ  ヴィオール曲「聖ジュヌヴィエーヴ教会の鐘の音」
マラン・マレ(仏1656-1728)は、ルイ14世に仕えたヴィオール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)奏者であり作曲家である。 マラン・マレについて書かれた小説に、パスカル・キニャールという人の「めぐり逢う朝」がある。 マレの師コロンブとの共感、葛藤を描いたものであるが、この中で「音楽とは言葉では語れぬことを語るためにある。」「死者に残しておく一杯の水のため、、、、生まれる前の命のために。息もせず、光もなかった頃のために」といった師弟の会話があり、音楽の根源を考えさせる。 「聖ジュヌヴィエーヴ教会の... ...続きを見る

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2018/03/04 08:09
繰り返し聞く古楽2018(59)パッヘルベル  オルガン作品集
パッヘルベル(独1653-1706)については、ブクステフーデとともにバッハに影響を与えたといわれるように、オルガン作品集に数々の傑作がある。 アポロの6弦琴、プレリュードニ短調、シャコンヌへ短調、ニ短調、リチュルカーレハ短調、さらにルターのコラールにより変奏曲「God the Father dwells with us」など。 プレリュードニ短調は、バッハを想起させる迫力のある曲想、 シャコンヌへ短調、ニ短調は聞く者の心をとらえて離さない。 リチュルカーレハ短調は、不思議な半音階に引き... ...続きを見る

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2018/03/03 08:02
繰り返し聞く古楽2018(58)パッヘルベル  器楽アンサンブル「音楽の楽しみ」
ヨハン・パッヘルベル(独1653-1706)は、「カノンとジーグ」で有名であるが、バッハの父アンブロジウスと交流のあったオルガニストで、ブクステフーデなどともにバッハに影響を残した人である。 彼は、オルガン曲だけでなく、器楽アンサンブルの作品を書いた。 「音楽の楽しみ」もその一つで、宮廷での「食卓音楽」として演奏された「6 曲のパルティータ」からなる小アンサンブル作品である。「カノン」や5声、4声のパルティータなどとともに、題名どおり[音楽の楽しみ]を味わうことが出来る。4番ホ短調など特に素... ...続きを見る

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2018/03/02 07:18
繰り返し聞く古楽2018(57)ゲオルク ムファット  「シャコンヌ ト長調」(「調和の捧げ物
ドイツのプロテスタントのオルガン音楽において、バッハの先輩たちにブクステフーデやパッヘルベルなどがいるが、その当時の一人、ゲオルク ムファット(Georg Muffat独1653-1704)は南ドイツ オーストリアのカトリック系オルガン音楽を代表する作曲家である。 パリでリュリに、ローマでコレッリに学んでいる。ビーバーとも交流があり、ムッファトは汎ヨーロッパ的な人生を送っている。 この頃のトッカータ、パッサカリア、シャコンヌなどはフランス、イタリアの影響を強く受けている。 シャコンヌは、舞... ...続きを見る

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2018/03/01 07:49
繰り返し聞く古楽2018(56)ビーバー  「ロザリオソナタ」
ハインリヒ・イグナツ・フランツ・ビーバー(チュコ1644-1704)は、17世紀屈指のヴァイオリンのヴィルトゥオーソ・作曲家」といわれる。 ザルツブルグの宮廷礼拝堂楽長を務めていたこともあり、「教会あるいは宮廷用ソナタ」「ロザリオのソナタ」「レクイエム」など宗教的な色彩の強いヴァイオリンソナタがある一方、「描写的なヴァイオリンソナタ」など、鳥や動物、戦いなどを描写した標題音楽なども作曲している。 マリアを主題とした「ロザリオのソナタ」は、パッサカリアやソナタ6番など高度の技法と深みのあ... ...続きを見る

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2018/02/28 07:15
繰り返し聞く古楽2018(55)シャルパンティエ     「真夜中のミサ」
マルカントワーヌ・シャルパンティエ(仏1643-1704)は、バッハより少し前のフランスの作曲家で、この「真夜中のミサ」は、クリスマス前夜の真夜中の曲。 当時、フランスで広く歌われていたノエル(クリスマスの歌)が、ミサ曲として仕立てられている。 合唱と器楽合奏で作られ、素朴な笛の音は牧歌的な雰囲気を出している。出だしのキリエを聴いた途端、その美しい安らぎのメロディに魅了されてしまう。 バッハの「マタイ受難曲」のコラールなどの響きとも違って、もっとフランス的な明るい美しさがある。いつまでもこ... ...続きを見る

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2018/02/27 09:51
繰り返し聞く古楽2018(54)ブクステフーデ オルガン作品「前奏曲 ト短調149」
ブクステフーデブクステフーデ(独1637−1707)のオルガン作品は、前奏曲やフーガに優れた作品が多い。 特に「前奏曲 ト短調149」「フーガ ハ長調174」のこの2曲は、特に印象に残る作品である。 前奏曲 ト長調149」は、冒頭、大自然の鼓動を思わせる重厚な低音の旋律で始まり、深い世界へと我々を引き込んでゆく。芸術性の高い名作である。「フーガ ハ長調174」は、ジーグ舞曲のリズムによる可愛らしいブーガ。 断片的な小曲であるが、大変美しい。 ...続きを見る

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2018/02/25 08:43
繰り返し聞く古楽2018(53)ブクステフーデ  オルガン・コラール「いかに美しきかな暁の明星
ブクステフーデ(独1637−1707)については、パッサカリアのような壮大なオルガン曲の一方で、オルガンコラールの作品群は、素朴で美しい魅力がある。 「いかに美しきかな暁の明星は(BuxWV223)」「われ汝を呼ぶ、主イエス・キリスト(BuxWV196)」「甘き喜びのうちに(BuxWV197)」「来たれ聖霊、主なる神(BuxWV199)」「今我ら聖霊に願い奉る(BuxWV208)」など。 バッハやパッペルベルなども同様にコラールに基づくオルガン曲を作っているが、ルター派のコラールの旋律には素... ...続きを見る

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2018/02/23 07:17
繰り返し聞く古楽2018(52)ブクステフーデ   オルガン曲「パッサカリア ニ短調」
ブクステフーデ(1637−1707)は,J.S.バッハ以前のドイツにおいて最大の教会音楽の作曲家といわれる人で、バッハに多大な影響を与えている。 ブクステフーデのオルガン曲には、プレリュード、トッカータなど沢山あるが、コラールやパッサカリアなどが、素朴で柔らかく聞く人の心に語りかけてきて印象的である。 特にパッサカリアニ短調は、ヘッセの小説「デミアン」の中で、「古いオルガン音楽のえり抜きの曲」で「この異様な深い沈潜的な、自分自身に聞き入っているような音楽に浸った。 それはいつ聞いても快く... ...続きを見る

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2018/02/22 08:02
繰り返し聞く古楽2018(51)フローベルガー 「トッカータ第11番(聖体奉挙のために)」他
フローベルガー(独1616-1667)については、組曲など標題音楽について取り上げたが、その中で「フローベルガーは、ヘルマン・ヘッセの小説「ガラス玉遊戯」の中で、主人公クネヒトが初めて出会う音楽名人のイメージとして取り上げられている。」と書いた。 ヘッセのフローベルガーへの思いは、標題音楽ではなく、ブクステフーデやバッハへ連なる荘重な鍵盤音楽のイメージを持っていたのではないかと思う。 彼の重厚さをイメージする音楽は、トッカータ、リチェルカーレ、カンツオーナ、ファンタジア、カプリッチョなどの作... ...続きを見る

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2018/02/21 07:29
繰り返し聞く古楽2018(50)フローベルガー 標題音楽「哀歌」 ほか
ヨハン・ヤーコブ・フローベルガー(独1616-1667)は、初期バロック時代の鍵盤楽器奏者、作曲家でフレスコバルディの弟子で、イタリアの音楽をドイツに橋渡しをした。ブクステフーデやバッハに先行するドイツの重要な作曲家である。バロック時代の組曲の構成舞曲(アルマンド、ジーク、クーラント、サラバンド)を確立したとされる。彼には下記のような、いくつかの標題音楽があり組曲に組み込まれている。いずれも題名が面白く情感豊かな曲が多い。 ●「皇帝フェルディナント3世陛下の痛切の極みなる死に捧げる哀歌」「ロー... ...続きを見る

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2018/02/20 11:34
繰り返し聞く古楽2018(49)シュッツ 「音楽による葬送」
ハインリッヒ・シュッツ(独1585-1672)は、17世紀のドイツ音楽を確立した人でドイツ音楽の父と言われている。 大バッハ誕生100年前に生まれている。 受難曲やモテットを多く作曲している。「音楽による葬送」は、シュッツの領主であった伯爵に依頼されて作曲した埋葬儀式のための教会音楽で、ドイツレクイエムの最初の作品である。 この曲は、「裸で私は母の胎からでた。裸でまた、そこへ帰ってゆこう」という歌詞で始まり一貫して「主よ私はあなたを離しません。私を祝福して下さるまで」と死に打ち勝つ恵みを求... ...続きを見る

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2018/02/19 07:32
繰り返し聞く古楽2018(48)フレスコバルディ 「フィオーリ・ムジカーリ(音楽の花束)」
ジローラモ・フレスコバルディ(伊1583-1643)は、声楽界におけるモンテヴェルディと並んで、初期バロックの鍵盤楽器の最大の作曲家である。ローマのサン・ピエトロ寺院のオルガニストであり、聖歌に代わる典礼用のオルガン曲などを作曲し、弟子のフローベルガー(独1616-1667)を通して、ブクステフーデやバッハなどドイツのオルガン音楽に至る道を敷いたといわれる。後のバッハなどにも影響を与えている。 その「オルガン・ミサ」の代表作が「フィオーリ・ムジカーリ(音楽の花束)」である。トッカータ、キリエ、... ...続きを見る

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2018/02/18 08:13
繰り返し聞く古楽2018(47)ジョン・ウイルビー  イングリッシュ・マドリガル「甘き蜜吸うハチたち
ジョン ウイルビー(Jhon Wilbye 英1575-1638)は、 ルネッサンス音楽末期のイングリッシュ・マドリガルの作曲家。 イングリッシュ・マドリガルは、トーマス・モーリ(Thomas英1557-16029) をはじめジョン・ウイルビー、トーマス・ウィールクス(Thomas Weelkes英1576-1623)などエリザベス朝時代の宮廷作曲家達によって、イタリアの形式を真似て作られたが、イタリア程複雑で無く、英語にあったイギリス独自のものに発達させていて、多声だが和声を主体にした曲が多... ...続きを見る

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2018/02/17 08:30
繰り返し聞く古楽2018(46)M.プレトリウス 教会音楽「シオンのミューズたち」
ミヒャエル プレトリウス(独1571-1621)は、ドイツプロテスタントのコラールや賛美歌を編曲をした人として重要な作曲家である。 主要な作品は、教会音楽「シオンのミューズたち」と理論書「音楽大全」などである。ドイツでは、10年年上のハスラー、10年年下のシュッツ、シャイトなどと、また、イタリアのガブリエルなどとも交流があり、ドイツプロテスタントのコラールの展開とともに、教会コンチェルトの様式をドイツにもたらしている。 「シオンのミューズたち」では「マニフィカト」、「コラール」、モテット「来... ...続きを見る

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2018/02/16 08:15
繰り返し聞く古楽2018(45)モンテヴェルディ マドリガーレ集:「アリアンナの嘆き」ほか
モンテヴェルディ(伊1567-1643)は多くの優れたマドリガーレを残している。ヴェネチアのサンマルコ大聖堂の楽長を努め宗教曲を作曲する傍ら、いわばオフタイムにマドリガーレを作曲。ジェズアルドとともに代表的なマドリガーレ作者である。 モンテヴェルディは、マドリガーレ集を1〜8巻まで作曲し、後半の5巻あたりから、マドリガーレを通奏低音つきの独唱歌曲に変化させ、この分野でのバロック音楽を確立したといわれている。「こうして死にたいもの」(4巻)「私の魂は」(5巻)→「あなたを愛しています、私の生命よ... ...続きを見る

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2018/02/15 07:56
繰り返し聞く古楽2018(44)モンテヴェルディ [マニフィカト]他
モンテヴェルディ(伊1567-1643)は、バロック期初期の巨人である。 聖務日課用の大作「聖母マリアの夕べの祈り」が有名であるが、この中でも、その終曲であるマニフィカトが美しい。マニフィカトは2種類作曲されていて、ひとつは7声の合唱と器楽によるもの,もうひとつは6声の合唱と通奏低音だけのものである。この後半の通奏低音だけのものが、とりわけ美しい。 マニフィカトというのは、「賛美する」という意味であるが、受胎告知を受けたマリアが神を賛美する歌である。 「主は、この賤しい主の卑女(はしため)... ...続きを見る

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2018/02/14 07:18
繰り返し聞く古楽2018(43)ドゥアルテ・ロボ  「レクイエム」
ドゥアルテ・ロボ(ポルトガル(1565-1646)は、ヴィクトリア(西1548-1611)の影響下にあった隣国ポルトガルにおけるポリフォニーの第一人者である。 彼の「レクイエム」はヴィクトリアの「死者のためのミサ曲」に劣らず、まことに美しい。 彼らは、日本にキリスト教が伝えられた頃の作曲家である。当時、日本人の間でキリスト教が、急速に広まったのは、キリスト教の死者に対する丁寧な扱いがあったことが要因のひとつにあげられている。 信長、秀吉の頃、セミナリオ(神学校)を通して宗教音楽などが... ...続きを見る

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2018/02/13 07:47
繰り返し聞く古楽2018(42)ダウランド  リュート曲「涙のパバーヌ
ジョン・ダウランド(1563-1626)は、バードともに英国におけるルネッサンス音楽の代表的作曲家である。 主にリュート曲が中心。とりわけ有名なのが、「涙のパヴァーヌ(Lacrimae)」で、世俗歌「Flow my tears(流れよ我が涙)」を器楽用に作曲したもの。 ダウランドのリュートの曲には、「ダウランドの涙」「常にダウランド、常に悲しき」など「つねに悲しむ」をモットーとする作曲家である。 人間は、基本的に孤独であり、常に悲しい存在である。ダウランドの曲は、そんな人間の常態を、「爽... ...続きを見る

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2018/02/12 08:14
繰り返し聞く古楽2018(41)スヴェーリンク オルガン曲「われ汝を呼ぶ、主イエス・キリスト」他
ヤン・ピーテルスゾン・スヴェーリンク(蘭1562-1621)は、17世紀初頭のオランダのアムステルダムの旧教会のオルガニストで、即興の名手とし、北ヨーロッパにその名を知られていた作曲家。 バロック鍵盤音楽の書法を開発し、その後展開するドイツオルガン音楽に大きな影響を与えている。 彼の門下生にドイツのシャイトやシャイデマンなどがいて彼らがドイツでオルガン音楽の種まき役をした。 「われ汝を呼ぶ、主イエス・キリスト」はコラールの4つの変奏曲で、定旋律のコラールが音域の変化、対位法、フーガなどへと... ...続きを見る

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2018/02/11 08:04
繰り返し聞く古楽2018(40)ジェズアルド 「ミゼレーレ」
カルロ・ジェズアルド(伊1560-1613)は、モンテヴェルディと並ぶイタルア・マドリガーレの代表的作曲家。 妻と愛人を殺害した痛苦の人生を送った人のようである。 ミゼレーレMiserereというのは、部下を戦場に送りその妻を奪うという卑劣な罪を犯したダビデの悔い改めが素材になっている詩篇51篇によるが、苦渋の生涯を送ったジェズアルドにも特別な思いが込められているのかもしれない。ジェズアルドの「ミゼレーレ」には大変魅力的な深い響きがある。 ...続きを見る

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2018/02/10 08:42
繰り返し聞く古楽2018(39)マレンツィオ  マドリガーレ「露に濡れた夜明け前に」他
ルーカ・マレンツィオ(伊1553-1599)は、ルネッサンス末期のイタリアの作曲家でマドリガーレの大家として知られる。 マドリガーレは、16世紀初頭からイタリアで現われた形式で、自由詩にあわせたメロディがポリフォニーで作られる。 ヴィラールト、ローレ、ジェズアルド、モンテヴェルディなどとともに代表的作曲家の一人。 イタリアの貴族社会の社交的芸術として栄え、ペトラルカ、タッソー、サンナローザなど、優れた詩人の詩をメロディー化しており、マレンツィオのドリガーレは大変、質のよい優れた曲が多い。... ...続きを見る

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2018/02/09 07:05
繰り返し聞く古楽2018(38)トマス・モーリ  マドリガル「蕾にさえも悲しみは」他
トマス・モーリ(Thomas Morley英1557-16029) は、ジョン ウイルビー(Jhon Wilbye 英1575-1638)、トーマス・ウィールクス(Thomas Weelkes英1576-1623)とともに ルネッサンス音楽末期のイングリッシュ・マドリガルの作曲家として、なかでもモーリは主導的な立場にあった人である。 モーリスの場合は、当時のイタリア・マドリガルを範として作曲しているが、「今や五月」「蕾にさえも悲しみは」「4月は愛しい人のおもざし」「やさしいニンフが君の恋人を」... ...続きを見る

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2018/02/08 07:50
繰り返し聞く古楽2018(37) G.アッレーグリ    「ミゼレーレ」
アッレーグリ(伊1552-1652)「ミゼレーレ」は、パレストリーナの「教皇マルチェルス」とともにヴァチカンのシスティーナ礼拝堂に鳴り響いていたといわれ、その典礼でしか聞くことのできない秘曲だったそうである。 その秘曲を、ローマを訪れたモーツアルトが一度聞いただけで全曲書き写してしまったというエピソードがある。 天井の高い教会に、下から駆け上がって行く声が同時に上から降り注いでくるような極度な高音が繰り返される。 ミゼレーレMiserereというのは、部下を戦場に送りその妻を奪うという卑劣... ...続きを見る

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2018/02/07 07:12
繰り返し聞く古楽2018(36)ジョバンニ・ガブリエリ   カンツォーナとソナタ
ジョバンニ・ガブリエル(伊1553-1612)は、ルネッサンスからバロックへの過渡期に、分割合唱、通奏低音などによる作曲をした人。 聖マルコ寺院における宗教曲集「サクラ・シンフォニア集1,2」が、当時のドイツのハスラー、シュッツ、M.プレトリウスなどへ影響を与え、初期バロックのドイツへの移植を促した。 分割合唱様式は、半世紀前の聖マルコ寺院楽長であったヴィラールト開拓したヴェネツィア楽派の特徴であるが、ガブリエリにおいては、楽器、声楽を高度に配置した作曲が特徴。 「サクラ・シンフォニア集2... ...続きを見る

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2018/02/06 07:43
繰り返し聞く古楽2018(35)レヒナー  モテト「もし主の御手から恵みを得るならば」 ハスラー モ
レヒナー(独1550-1606) ハスラー(独1562-1612)はルネッサンスからバロック移行期のドイツの重要な作曲家である。ルネッサンス期は、音楽の後進国だったドイツが、ルターの宗教改革とともに新たな歩みを始めた。ルターは<万人司祭>の理念から母国語によるコラールを誕生させた。以来、ルター→ラッスス→レヒナー→ハスラー→シュッツ→バッハへとプロテスタント音楽は台頭してゆく。 レヒナーのモテト「もし主の御手から恵みを得るならば」は、胸にずんと染み入ってくるような美しさがある。 歌詞の中に「... ...続きを見る

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2018/02/05 07:14
繰り返し聞く古楽2018(34)ヴィクトリア レクツイオ「我が心は生活に疲れたり」 他
ヴィクトリア(西1548-1611)のレクツイオ「我が心は生活に疲れたり」は、ヨブ記10章1−7節から歌詞が採られている。 レクツイオというのは、朗読に曲をつけたものである。 聖務日課でヨブ記が歌われるというのは、結局は、自分のために神を求めているにすぎない、という応報思想への厳しい戒めである。 ヴィクトリアのこの曲を繰り返し聴いているうちに、朗読の言葉のリズムが曲に生かされていて、一緒に声に出してつぶやきたくなる。 またヴィクトリアはグレゴリオ聖歌の交唱「アヴェ・マリア」をベースにヴ... ...続きを見る

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2018/02/04 07:35
繰り返し聞く古楽2018(33)ヴィクトリア 「死者のためのミサ曲」
ヴィクトリア(西1548-1611)は、ルネッサンス期スペイン最大の音楽家。 教会音楽家でミサ曲のほかにも、「アベマリア」をはじめ印象深いモテトゥスが数多くある。 「死者のためのミサ曲」は、皇帝マクシミリアン2世の皇后マリア(フェリペ二世の妹)の死を悼んで作曲された。 レクイエムの単旋律聖歌を定旋律として他の5声がポリフォニックにからむ形で展開するが、悲しみやさまざまな感情を完全に昇華してしまうようなハーモ二ーが美しい。 ...続きを見る

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2018/02/03 08:01
繰り返し聞く古楽2018(32)W.バード  「5声のミサ」
バード(英1543-1623)の代表作は、「3声のミサ」[4声のミサ」[5声のミサ」である。 いずれも余計な装飾がない端正な曲ばかりである。 あまりにも完璧なハーモニーでただただ聞き従う以外にないような面もあるが、音と音が組み合わさって作られる力強さにいつの間にか呑み込まれてゆく。 中でも「5声のミサ」は、熟達したポリフォニーに感動する。最後のアニュス・デーの美しさは格別である。 ...続きを見る

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2018/02/02 07:54
繰り返し聞く古楽2018(31) W.バード 「Sing joyfully unto God 」
「われらの力の神に向いて喜び歌い Sing joyfully unto God」 (詩篇第81編) は、W.バード(英1543-1623)の礼拝用アンセムのひとつ。アンセムとは、イングランド国教会の礼拝(サービス)のなかの短い合唱曲のことで、この曲は、一緒に歌いたくなる楽しい曲である。特に、「Blow the trumpet in the new moon(角笛を吹き鳴らせ、新月に)」という件りがくると、思わず口をついてしまう。この詩篇には、「(神が)雷の隠れたところで答える」というキーワードが... ...続きを見る

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2018/02/01 06:25
繰り返し聞く古楽2018(30)W.バード  コンソートソング(清らかな英国半島)
W.バード(英1543-1623)は、ミサの名曲があるが、コンソート・ソングの作曲者としても素晴らしい。 コンソート・ソングというのは、ヴィオールの合奏(コンソート)の伴奏を持つ独唱、または2重唱の歌曲であるが、「清らかな英国半島Fair Britain isle」「喪服の天使in angel's weed」などを聞くと、死者を悼む哀歌,悲歌ということもあるが、胸に迫るものがある。「美しいスザンナSusanna fair」も美しい。また、「キリストは蘇りChrist rising again... ...続きを見る

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2018/01/31 07:11
繰り返し聞く古楽2018(29)コヴェントリ・キャロル  「ラリ ルラ、小さき子よ」
コヴェントリ・キャロルとは、16世紀の英国のコヴェントリで歌われてきたクリスマスキャロルで、「ラリ ルラ、小さき子よ(July,july thou little tiny child)」は作者不明、「ララバイ(子守唄)」は、ウィリアム・バード(英1543-1623)の曲である。 いずれも単なる子守唄ではなく、マタイ伝に出てくるがヘロデ王がベツレヘムで行ったという大規模な幼児虐殺事件を描いていて、イエスの降誕に伴う幼児への鎮魂歌である。子守唄のやさしさのなかに、母親の悲しみが広がってくる。特にバ... ...続きを見る

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2018/01/30 08:02
繰り返し聞く古楽2018(28) ロバート ホワイト 「エレミア哀歌」
ロバート ホワイト(英1538-1574)は、トーマス・タリス(英1505-1585)より少し後の作曲家で、ヘンリ8世からエリザベス1世に変わる、丁度、宗教改革によってカトリックからプロテスタントのスタイルへの変更を余儀なくされた時代の人である。 特に、「エレミア哀歌」は、タリスの作品とともに傑作とされている。 20分を超える長い曲なれど、聞くものを少しも飽きさせない。悲しみに満ちた響きがグイグイと迫ってくる。 また、モテトゥスも素晴らしく「主、汝にこたえたまわんことを」、「光にして日なる... ...続きを見る

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2018/01/29 07:16
繰り返し聞く古楽2018(27) ラッスス 「レクイエム(5声)」
ラッスス(フランドル1532-1594)のレクイエムも素晴らしい。 ラッススのポリフォニーには、ナチュラルな美しさがある。 湧き出る泉の音をいつまでも聞いているような魅力がある。「レクイエム(5声)」は、グレゴリオ聖歌の「レクイエム」とポリフォニーによる声楽部が交差して歌われ、声楽部は常にグレゴリオ聖歌の定旋律を用いてポリフォニックに展開されていく。ラッソには4声の「レクイエム」もある。 ...続きを見る

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2018/01/28 07:48
繰り返し聞く古楽2018(26)ラッスス  「音楽は神の贈り物」他
ラッスス(フランドル1532-1594)は、パレストリーナとともにルネッサンス・ポリフォニーの完成者といわれる人である。 「音楽は神の贈り物」は6声部のモテトゥスであるが、ポリフォニーに深みがあり、調和のとれた美しい曲で、題名にふさわしい。 歌詞は「音楽は最高の神の贈り物であり、人を感動させ、神をも感動させる、音楽は激しい心を和らげ、悲しい気持ちを励ます。音楽は樹木さえ、また、恐ろしい野獣をさえ感動させる」というもの。日々古楽を聞く我々にとっても、音楽はまさに神の贈り物である。 また 「... ...続きを見る

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2018/01/27 07:59
繰り返し聞く古楽2018(25)パレストリーナ  モテット「鹿が谷川を慕うごとく」「バビロン川のほと
パレストリーナ(伊1525-1594)の代表的なモテット。 詩篇42、詩篇137に基づくものであるが、バビロンの捕囚など、イスラエルが破壊され、旧約の神に見放されてしまう絶望の時期の詩である。敵を倒す神はもはやいない、ひたすら苦しみをともにしてくれる受苦の神(旧約の神)がいるだけである。 聖書には、羊がよく出てくるが、鹿が出てくるのは珍しい。愚鈍で迷いやすい羊と比べ、繊細でひ弱なイメージがある。喉が渇ききっていてもどこかノーブルな鹿のように、パレストリーナの曲もやさしく美しい。 このほか... ...続きを見る

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2018/01/26 07:21
繰り返し聞く古楽2018(24)パレストリーナ「教皇マルチェルスのミサ」
この曲は、ルネッサンス後期の大作曲家パレストリーナ(伊1525-1594)の代表作。 ルターの宗教改革でドイツ語による「コラール」が生まれ独自の教会音楽が育ってゆくなか、カトリックのミサの言葉が不明朗といわれた多声音楽を、言葉がよく聞き取れるという典礼の要請と芸術の完成度を両立作品として知られる。端正で明るく、透き通るような美しさがある。 また 「スタ-バト・マーテル」はペルコレージが有名だが、パレストリーナのこの曲も美しい。 調和した響きに、静かに打ち寄せる波のようなリズムがあり、おそ... ...続きを見る

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2018/01/25 07:35
繰り返し聞く古楽2018(23)アントニオ・デ・カベソン 「ディファレンシアス」「 ティエント」
アントニオ・デ・カベソン(西1510-1566 Antonio de Cabezon)は、モラレスなどとともにイベリア半島の大作曲家の一人。 フェリペ(カール)2世に仕えた盲目の宮廷音楽家でオルガンの作曲家ある。 スペインには古くからオルガンが使われてきたが、カベソンが16世紀,スペイン音楽にオルガン曲を開花させた。 彼は、スペインのバッハとも言われる。 「ディファレンシアス」は、変奏曲という意味である。 「騎士の歌」「イタリア風パヴァーナ」{ミラノ風ガリアリダ」などのディファレンシア... ...続きを見る

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2018/01/24 07:22
繰り返し聞く古楽2018(22)トーマス・タリス   「4声のミサ」、モテット、アンセム
トーマス・タリス(英1505-1585)は、「エレミア哀歌」で有名であるが 「4声のミサ」や数々の「モテット」、「アンセム」「ミサ」が聞き応えある。 バード(英1543-1623)とともに、エリザベス1世時代、カトリックから英国国教会のために、ラテン語から英語を用いて音楽を作ることを要請された時代の作曲家である。 アンセムとは、イングランド国教会の礼拝(サービス)のなかの短い合唱曲で、英国国教会版モテットのことである。彼のラテン語によるモテットにすばらしいものがある。 「祭祀たちは食を... ...続きを見る

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2018/01/23 07:36
繰り返し聞く古楽2018(21)トーマス・タリス  「エレミア哀歌」
トーマス・タリス(英1505-1585)の「エレミア哀歌」は、ルネッサンス時代の英国における宗教曲の中でバードのミサ曲(3声、4声、5声)とともに特に美しいものとしてと知られる。 「エレミア哀歌」は旧約聖書に出てくる預言者エレミアが、紀元前6世紀、新バビロニアに滅ぼされたエルサレムの荒廃を嘆いたとされる歌である。原典のヘブル語で、詩の各節が、ABCのアルファベットで始まるように作られている。 「エレミア哀歌」は、タリスのほかにも、アントワーヌ・ブリュメリ(仏1460-1520),ホワイト(... ...続きを見る

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2018/01/22 07:23
繰り返し聞く古楽2018(20)モラレス  モテトゥス「より良き生活のうちに」「羊飼いたちよ、語れ」
クリストバル・デ・モラレス(西1500-1553)は、モテトゥスにおいて素晴らしい曲が多い。 すべてに劇的な表現力と抑制の調和が実現されている。なかでも、「より良き生活のうちに」「羊飼いたちよ、語れ」が一層心に滲み込んでくる。 「より良き生活のうちに」は、歌詞が、「人間は,埃から生まれ死して埃に返るにすぎない存在である。」打ち砕かれた謙虚な心こそが人間にふさわしいと悔い改めを求める。「羊飼いたちよ、語れ」は「キリストのご誕生を」と歌うくだりに、えもいわれぬ喜びが感じられる。 このほかのモテ... ...続きを見る

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2018/01/21 08:03
繰り返し聞く古楽2018(19)ジャヌカン  シャンソン「狩の歌」「鳥の歌」「女のおしゃべり」
クレマン・ジャヌカン(仏1485-1558)はフランスの世俗歌謡シャンソンの作曲家であるが、言葉に鳥や動物の擬音や擬態語を取り入れるとともに、市民の日常生活を描写した歌を作り出していて、その独特でダイナミックな音の世界に圧倒される。 「鳥の歌」「狩の歌」など鳥、動物と言葉の混成体が、四声の複雑な音の組み合わせで展開するその技は神がかりでさえある。無条件に面白いし、この時代にこのような優れた労作が数多く作り出されていたことにただただ驚くばかりである。 ...続きを見る

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2018/01/20 08:24
繰り返し聞く古楽2018(18)ニコラ・ゴンベール   モテット「命半ばにわれら死ぬ」世俗歌「兎狩り
ゴンベール(フランドル1495-1560)は、ジョスカン・デ・プレの弟子であり、ジョスカンより不協和音などを積極的に取り入れた複雑なポリフォニを作っている。 モテット「ムーサたちよ嘆け」は、ジョスカンの追悼曲で不協和音などの効果がよく現れている代表例である。 ゴンベールは、自作のモテット「命半ばにわれら死ぬ」をもとに、パロディミサを作っている。 和声の、低音に深みと複雑な音の推移に魅了される。 「命半ば」というのは、「永遠の命」に対する言葉なのであろう。 「罪深いわれらに苦い死を与えな... ...続きを見る

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2018/01/19 07:25
繰り返し聞く古楽2018(17)レリティエル   モテトゥス「ニグラ・スム」
ジャン・レリティエル(仏、伊1480-1552)はジョスカン・デプレの弟子である。 彼のモテトゥス「ニグラ・スム」は、パレストリーナが、それをもとにパロディミサ「ニグラ・スム」として作曲していることから、注目されいるのであるが、レリティエルの素朴な美しさは胸に染み入ってくる。 「ニグラ・スム」は旧約のソロモン雅歌にテキストがあるが、「私は、色が黒いが美しい。だから王に愛されて、ご自分の寝室に導き入れられた。」という元来エロティックな歌詞が、主とマリアの詩に変えられていったもの。聖と俗が融合す... ...続きを見る

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2018/01/18 07:44
繰り返し聞く古楽2018(16)W.コーニッシュ「悲しみにくれて」「ああロビン」(世俗歌:キャロル)
W.コーニッシュ(英1465-1523)ルネッサンス初期のヘンリー8世時代の傑出した作曲家。 このような美しい曲が、この時代になぜ作られたのかと思われるほど印象深い。 特に「ああロビン」は有名で不思議な音がする曲であるが、それに劣らず、「悲しみにくれて」も、十字架に釘付けにされたイエスの受動の極限ともいうべき姿の悲しみを歌っている。 一方、コーニッシュは宗教曲であるモテトゥスも聞き応えのある作品を作っている。 「サルヴェ・レジーナ」「キリストの母なる処女よ、喜べ」など美しい曲があるが、「... ...続きを見る

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2018/01/17 07:36
繰り返し聞く古楽2018(15)ブリュメル 「エレミア哀歌」
アントワーヌ・ブリュメリ(仏1460-1520)は、ジョスカンなどと同世代の作曲家で、北フランス、ジュネーブ、イタリアなどで活躍した人であるが、余り記録もなく良く知られていない。 エレミア哀歌は、なにげない音の流れに、秘めた悲しみが漂うような感動を覚える曲である。 ...続きを見る

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2018/01/16 07:46
繰り返し聞く古楽2018(14)ラ・リュ- 「レクイエム」
ピエール・ド・ラ・リュ-(フランドル1460-1518)は、オブレヒトなどとともにジョスカン・デ・プレの同時代者。 彼の「レクイエム」は、オケゲムのレクイエムに続く古いポリフォニーのレクイエムである。 この曲は、まるで死者を柔らかく包んで雲に乗せて送るような雰囲気がある。 音域が低いので、肉声と器楽の組合わせで演奏されることが多いがそこがまた魅力である。彼の作品中もっとも傑出したものとされているが、聞く人引き込んでゆくような不思議な優しさがある。このほか、モテトゥス「めでたし女王、哀れ... ...続きを見る

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2018/01/14 07:59
繰り返し聞く古楽2018(13)オブレヒト  モテトゥス「祝されたまえり、マリア」「めでたし、十字架
ヤコブ・オブレヒト(フランドル1450-1505)は、ジョスカン・デ・プレの同時代者で、イザーク、ラ・リューなどとともに活躍。 オランダのユトレヒトでオブレヒトが楽長をしていたとき、高名なユマニストのエラスムスが少年聖歌隊員として歌っていたといわれる。 オブレヒトは平明な作風といわれ、モテトゥス「祝されたまえり、マリア」「めでたし、十字架よ」の2曲は、グレゴリオ聖歌などのプレーンチャントの複数の旋律と歌詞が4声、5声でそれぞれポリフォニックに模倣し合いながら歌われ大変楽しく聞くことが出来る。 ...続きを見る

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2018/01/13 08:14
繰り返し聞く古楽2018(11)イザーク 「私は安楽に暮らせない」「インスブルックよ、さらば」(シャ
イザーク((フランドル、1450−1517)は、デ・プレと並び立つ大家である。 「インスブルックよ、さらば」は、インスブルック冬季五輪の閉会式で歌われるなど、今も歌われていて有名であるが、「私は安楽に暮らせない」というシャンソンも、深いバスの音が心に染みてくる。何度聞いても飽きない一曲である。 ...続きを見る

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2018/01/11 08:12
繰り返し聞く古楽2018(10)ジョスカン・デ・プレ  シャンソン「千々の悲しみ」
ジョスカン・デ・プレ(フランドル、1440−1521)のシャンソン「千々の悲しみmille regrets」は、「天正の少年使節」が秀吉の前で演奏トしたとされる曲。 当時スペインなどで流行、神聖ローマ帝国の皇帝カール5世が大変好きだったことから「皇帝の歌」とも言われている。(この曲はモラレス、ゴンベール,ナルバエスなどが編曲している。) この曲とは別にジョスカンには、「わが愛しき人Que vous ma dame」などのシャンソンがある。 グレゴリオ聖歌の一部が定旋律になっているモテゥス・... ...続きを見る

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2018/01/10 07:25
繰り返し聞く古楽2018(9)ジョスカン・デ・プレ 「オケゲムの死を悼む晩歌」 「アヴェ・マリア」
ジョスカン・デ・プレ(フランドル、1440−1521)は、ルネッサンス音楽の最盛期の大作曲家の一人。 彼の作品のなかで、とくに美しいといわれる作品。 オケゲムの死を悼む曲が、オケゲムを引き継ぐデ・プレによって作られ、このように美しい5声によって歌われ、次世代へと音楽の調和の輪が広がってゆくことに感動する。 歌詞のなかに、次の世代の作曲家、ジョスカン、ブリュメル、ラ・リュー、コンベールの4名が出てくる。 またアヴェ・マリアは、グノーやアルカデルトなど旋律の美しいものが有名だしたくさんあるが... ...続きを見る

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2018/01/09 07:52
繰り返し聞く古楽2018(8)オケゲム 「レクイエム」「けがれなき神の母Intemerata Dei
オケゲム(Johannes Ockeghemフランドル1410頃-1497)のレクイエムは、史上最古のポリフォニー・レクイエムといわれるものである。 中世のあいだは死者のためのミサは、グレゴリオ聖歌によって演奏されてきたが、デュファイやオケゲムによって初めて多声化された(残念ながらデュファイの曲は、残されていない)。 オケゲムの「レクイエム」章のひとつ(トラクトゥス)に詩篇42「鹿が谷川を慕うごとく」が取り入れられている。 「魂は神を慕いあえぐ」「お前の神はどこにいる」など神に見放されてし... ...続きを見る

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2018/01/08 07:39
繰り返し聞く古楽2018(7)ギョーム・デュファイ   シャンソン「ああ,わが悲しみ」
デュファイ(フランドル1400-1474)のシャンソンのなかでは、「もしも私の顔が青いなら」が、同名の彼の代表作のミサにその旋律が使われていることで有名であるが、数あるシャンソンのなかで一際印象的な旋律が、「ああ,わが悲しみ(Helas mon dueil)」である。現代のフォークソングにも通ずる叙情的な旋律は、一人だけのものではく、皆と悲しみを共有する旋律である。 ほかに、「「よい日,よい月、よい年」「新年の日」「もしも私の顔の青いなら」など。 ...続きを見る

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2018/01/07 07:54
繰り返し聞く古楽2018(6)ダンスタブル  モテトゥス「聖霊よ、来たりたまえVeni Sancte
ジョン・ダンスタブル(英1390-1453)は、中世末期イギリスの最大の作曲家といわれ、大陸とイギリスの和声を融合しルネッサンス音楽誕生をもたらした人と言われている。 この曲は、中世音楽の手法である複雑なイソリズム(旋律を反復する一定の繰り返されるリズムに埋め込む手法)を用いている驚異的なモテトウスである。 二つのグレゴリオ聖歌のVeni Sancte SpiritusとVeni creator Spritusと前者の改編した曲に基づく4声を、反復するリズムにまさに埋め込みながら展開させる... ...続きを見る

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2018/01/06 08:13
繰り返し聞く古楽2018(5)ギヨーム・ド・マショー  「ダヴィデのホケトゥス 」
ギヨーム・ド・マショー(仏1300-1377)は、ポリフォニーの本格的なミサ曲を最初に作曲した人である。 一人の作曲家がミサの通常文をすべて作曲する「通作ミサ」の最古のものがマショーの「ノートルダム・ミサ」である。古楽の黎明期であるゴシック期は、ノートルダム学派(1160-1250)、アルス・アンティクワ81250-1320)、アルス・ノヴァ1320-1380)の3期間に分けられるが、マショーは、アルス・ノヴァの時代の中心的な作曲である。 マショーは、モテトゥスや世俗曲も作っていて、「ああ... ...続きを見る

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2018/01/05 07:59
繰り返し聞く古楽2018(4)モンセラートの朱い本
スペイン・バルセロナ郊外のモンセラート山の黒い聖母像で知られるモンセラート修道院に伝承される14世紀の朱い写本(1399製作)には、巡礼者たちによって歌い踊られた10曲の歌が残されている。 民謡や賛歌などで、単旋律、2声、4声のポリフォニー歌曲もある。素朴で力強い旋律は大変魅力的である。 「声をそろえていざ歌わん」や「7つの喜び」などの掛け声のようなマリア賛美には、人々の素朴な一体感と喜びが伝わってくる。 「あまねき天の女王」は、時間が止まってしまったような、ゆったりした世界の中で満たされ... ...続きを見る

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2018/01/04 07:46
繰り返し聞く古楽2018(3)中世イギリスの歌  「夏は来たりぬ」「天使がひそかに」ほか
まだ多声音楽の中心がフランスにあった13世紀ころに、作者不詳の「夏は来たりぬ」など6声で輪唱による世俗歌がイギリスに存在していた。 音楽史上奇跡に近いといわれている。 民謡風の素朴なリズムが多声で躍動する。 この頃の数々のマリア賛歌の曲なども素朴で温かい。古楽の魅力は、この頃の民衆的な素朴な歌に原泉がある。「天使がひそかに Angelus ad virginem」はラテン語であるが、その英語版の「ガブリエルは天父から」や、「祝福あれ(Edi be thu)」などの小曲を聞くと至福の喜びを覚... ...続きを見る

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2018/01/03 08:13
繰り返し聞く古楽2018(2)スラヴ典礼音楽 「十字架挙栄祭」「四旬節と復活祭の聖歌」
スラヴ典礼はビザンツ典礼の流れをくむギリシャ正教の典礼である(スラヴ諸国において独自の民族的色彩のもとに発展したビザンツ=スラヴ典礼)。 楽器を使用しない、独特の旋律をつなぎ合わせた旋法という特徴がある。 大地の香りというか、海岸に打ち寄せる静かな波の音を聞くような、豊かでいつまでも聞き入っていたくなるような不思議な典礼音楽である。歌詞は、典礼だから祈りそのものであるが、祈りがこのような素晴らしい音楽のなかで行われることを大変羨ましく思う。 ...続きを見る

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2018/01/02 08:23
繰り返し聞く古楽2018(2)スラヴ典礼音楽 「十字架挙栄祭」「四旬節と復活祭の聖歌」
器を使用しない、独特の旋律をつなぎ合わせた旋法という特徴がある。 大地の香りというか、海岸に打ち寄せる静かな波の音を聞くような、豊かでいつまでも聞き入っていたくなるような不思議な典礼音楽である。歌詞は、典礼だから祈りそのものであるが、祈りがこのような素晴らしい音楽のなかで行われることを大変羨ましく思う。 ...続きを見る

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2018/01/01 08:21
繰り返し聞く古楽2018(1)グレゴリオ聖歌、ソールズベリー聖歌
グレゴリオなど聖歌は癒しの音楽といわれるが、何度も聞きたくなる歌というのは必ずしも多くない。繰り返し聞いたり謳いたくなる聖歌を挙げてみる。  (グレゴリオ聖歌)  ◆サルヴェ・レジーナSalve,Regina ◆来たれ,造り主なる聖霊よ Veni Cretator Spiritus ◆過越のいけにえを Victimae paschali laudes ◆シオンよ汝の救い主を讃えよLauda Sion、 ◆われは御身を敬虔にあがめAdoro te devote ◆偉大なる秘蹟Tan... ...続きを見る

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2017/12/31 10:44
古楽の魅力(100)バッハ  「フーガの技法」BWV1080
バッハ(独1685-1750)の「フーガの技法」は、一つの主題を複数の声部が追いかけるのであるが、そこには反行、縮小、二重、3重、鏡影、カノンなどさまざまなフーガが展開する。やや衒学的で、感覚に訴える要素を犠牲にしても、対位法の技を極限にまで突き詰めた作品といわれている。18のフーガを詩篇との関連で読み解こうとする試みもある。バッハの音楽には、音楽を超えたロゴスの世界を暗示させるような力があるのは確かだ。 ...続きを見る

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2017/12/30 07:55
古楽の魅力(99)バッハ  「音楽の捧げもの」BWV1079
バッハ(独1685-1750)のこの有名な曲は、フリードリッヒ2世がバッハに与えた主題により作曲し王にプレゼントした作品である。魅力はこの主題の旋律。 この一連の作品のなかで、やはり「フルート・トラヴェルソ、ヴァイオリンと通奏低音のためのトリオ・ソナタ」が素晴らしい。 ラルゴ、アレグロに続きアンダンテが始まると、この曲に出会えた喜びを感ずる。 バッハが王の前で即興した「3声のリチェルカーレ」、即興できなかったが後で献呈した「6声のリチェルカーレ」など話題も面白く、曲集としても堪能できる。 ... ...続きを見る

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2017/12/29 08:29
古楽の魅力(98)バッハ 「無伴奏チェロ組曲BWV1007-1012」
バッハ(独1685-1750)の「無伴奏チェロ組曲」は、聞けば聞くほど、いつの間にか自分の内面の声を聞いているような気分になってくる。言葉にならない音楽の言葉が語られてゆく。私はその言葉にうなずきながら聞く。 6曲のすべて、前奏曲が、滑り込むように曲にいざなう。第1組曲から第6組曲に至るまで、だんだん深い世界に入ってゆく。スラーが奥へ深く引きつれ、付点のリズムが激しく鼓動する。各組曲の、ブーレ、ガボットが降りtてゆく階段の踊り場で、生き生きと躍動する。第6組曲は、音域が一層幅広くなり、言葉に... ...続きを見る

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2017/12/28 08:16
古楽の魅力(97)バッハ  「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータBWV1001
バッハ(独1685-1750)のこの曲は、誰もが一度は心酔する名曲である。 パルティータ第2番のシャコンヌは、深い感動を与えてくれる。 一方、ソナタも素晴らしい。第1番の2楽章フーガの始まりの部分や3楽章のシチリアーノの柔らかな響き、第2番の3楽章アンダンテの美しさ、4楽章アレグロの不思議な響きなど魅力一杯である。また、ソナタ3番は宗教色が強いといわれる。1楽章は鐘の音、2楽章はコラールの祈り。3楽章のメロディとバスの響きが素晴らしい。 ...続きを見る

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2017/12/27 08:03
古楽の魅力(96)バッハ  「イタリア協奏曲BWV971」
バッハ(独1685-1750)のこの有名な「イタリア協奏曲」は、いわゆるソロと管弦楽の協奏曲ではなく、2段鍵盤(チェンバロ)による協奏曲的な形式原理を持ったソロ器楽曲である。 ヴィヴァルディなどのイタリアの合奏協奏曲の作曲原理を取り入れていることから「イタリア協奏曲」といわれている。 1楽章:ヘ長調(アレグロ)→2楽章:ニ短調(アンダンテ)→3楽章:へ長調(プレスト)と、緩/急、長/短、強/弱の効果的な組み合わせが、曲の流れを生き生きとさせると共にまとまりのあるものにしている。 特に1楽章... ...続きを見る

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2017/12/26 08:03
古楽の魅力(95)バッハ 「半音階的幻想曲とフーガニ短調 BWV903」
この曲はベートーベンもよく研究したといわれる。 幻想曲の急速なパッセージ、大胆な転調、加えて、「語り歌う」レチタティーヴォ、しばし、バッハの他の曲にみられないこのドラマティックな曲に息をのむ。 この即興的な《幻想曲》で表現は、《フーガ》という厳格性に引き継がれ高められ、濃縮される。 ...続きを見る

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2017/12/25 08:18
古楽の魅力(94)バッハ 平均律クラヴィーア曲集(2)
24の調による「プレリュードとフーガ」の第2集。第1集に比べ音楽性が豊か。全体的にプレリュードが美しい。優雅さ、快適さ、甘美さなど次々繰り広げられる多彩な曲想に、飽きることはない。なかでも、印象に残る曲は、第4曲嬰ハ短調BWV873、第6曲ニ短調BWV875、第8曲嬰ニ短調BWV877、第9曲ホ長調BWV878、第22曲BWV893変ロ短調など。 第4曲嬰ハ短調BWV873は、大変哀愁に満ちた深い表現で胸にしみわたってくるプレリュード、軽快ではあるが、深い情感を維持したまま進むフーガ。 第6... ...続きを見る

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2017/12/24 08:10
古楽の魅力(93)バッハ 平均律クラヴィーア曲集(1)BWV846-869
24の調による「プレリュードとフーガ」。曲集は(1)と(2)があり、(1)は1722年、(2)はその20年後に完成している。(1)で印象に残る曲は、先ずなんといっても第1曲ハ長調BWV846,この曲を基にグノーが「アヴェ・マリア」のメロディをつけて編曲しことで知られる。こうした短い曲では、第13曲嬰ヘ長調BWV858は、:明るく楽しいプレリュードとフーガが快く美しい。 圧巻は次の3曲。 第4曲嬰ハ短調BWV849のプレリュードの冒頭のモチーフが素晴らしい。フーガは堂々とした巨大な構築空間の... ...続きを見る

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2017/12/23 08:04
古楽の魅力(92) バッハ  「パルティータ全曲 」BWV825-830
バッハ(独1685-1750)の鍵盤の組曲には、この「パルティータ」のほか「フランス組曲」「イギリス組曲」などがある。「パルティータ」は、「クラヴィーア練習曲集第1部」として最初に出版され、第2部には「イタりア協奏曲」「フランス序曲」、第3部「オルガン・ミサ曲」、第4部「ゴルトベルグ変奏曲」と続く。 「パルティータ」のなかで、印象深いのは1番と6番。1番は、舞曲のリズムを生かしながら、自然にある調和、変化を音で表現しているような繊細さとともにおおらかさがある。第2曲は、イタリア協奏曲を想起させ... ...続きを見る

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2017/12/22 07:17
古楽の魅力(91) バッハ  「フランス組曲 5番BWV816」
バッハ(独1685-1750)の組曲は、このフランス組曲に先立ち「イギリス組曲」がある。「イギリス組曲」は、各曲の冒頭に自由なプレリュードがおかれているが、フランス組曲は、それはなく、舞曲リズムのアルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグを核とした組曲である。 バッハは、舞曲リズムから、曲のさまざまな多様性を引き出したといわれている。 繊細なリズム感、洗練された音楽表現、自然な音楽といった性格を創り出してきた。 この組曲の、特に有名でもある5番のアルマンドが流れ始めると、その洗練された音... ...続きを見る

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2017/12/21 07:28
古楽の魅力(90)バッハ オルガンコラール「深き淵より我汝をよばわる」
オルガンコラール「深き淵より我汝をよばわる」→詩篇130の基づくマルティン・ルターの作詞作曲。 同名のカンタータ第38がある。 詩篇130は罪の深い絶望から神の赦しを乞うという内容。 コラールの単旋律をもとに、深い淵からの重い叫びが響いてくるような荘厳な曲である。 時が生まれ一斉に万象が動き始め伸びてゆ北飼いに絡んでゆく。 そして怒濤のごとく流れゆく ...続きを見る

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2017/12/20 07:18
古楽の魅力(89)バッハ  「パッサカリアとフーガハ短調BWV582」
バッハ(独1685-1750)のオルガン曲の中で、「パッサカリアとフーガ」は「トッカータとフーガ」に並んで素晴らしい。 冒頭の低音主題が大変印象的で、この主題の反復と変奏がグイグイと深くて雄大な世界に我々を引き込んでゆく。 ...続きを見る

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2017/12/19 11:07
古楽の魅力(88) バッハ 前奏曲とフーガ「ハ短調BWV549]
ペダルの迫力がすごい。エネルギーがほとばしる。フーガはそのエネルギーを秘めに秘めてリズムを刻む。だんだん激しくなってゆく。 ...続きを見る

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2017/12/18 07:35
古楽の魅力(87)バッハ 教理問答書コラール WV682:「天にまします我らの父よ」
穏やかな波動が一点から円を描き天上に広がってゆく ...続きを見る

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2017/12/16 08:03
古楽の魅力(86)バッハ オルガン曲「トッカータとフーガ 二短調BWV565」
この曲は、誰でも知っているバッハ(独1685-1750)のオルガン曲の代表作であるが、この曲に触発されてヘルマン・ヘッセが詩を書いている。「バッハのあるトッカータに寄せて」という題がつけられている。 「凝固せる太古の沈黙.....支配する暗黒.....このとき一条の光  雲の裂け目よりほとばしり、光なき虚無の中より 世の深遠をつかむ。..............」     ヘッセは、「バッハのトッカータを聞くと、必ず天地創造のイメージが、しかも光の誕生のイメージが湧いてくるのです。」と言って... ...続きを見る

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2017/12/15 07:23
古楽の魅力(85) バッハ オルガン作品「幻想曲とフーガ BWV542」「フーガ BWV578]
バッハの「幻想曲とフーガ BWV542」「フーガ BWV578]は、大フーガ、小フーガといわれている名曲。大フーガ、小フーガという言い方は、BWVの番号が存在しなかったときの名残りのようである。 大フーガのドラマティックで、未踏の空間へグイグイ心をひっぱって行くような展開、そして、目の前に開ける壮大で美しい世界。この音楽の世界は何だろう。すべてが一致結合し価値を認めており充足しあっている。 一方の小フーガは、バランスの取れたまとまった名曲。 ...続きを見る

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2017/12/14 08:07
古楽の魅力(84) バッハ  「オルガン独奏のためのトリオソナタBWV525-530」
バッハ(独1685-1750)のこのオルガンのトリオソナタは、3楽章構成で6曲あるが、詩情に満ちた美しい曲ばかりで、どの曲にも惹きつけられる。3人で演奏されるソナタ形式を一人で、右手、左手、両足で3パートを演奏する。それぞれのメロディの自律性を認識し、他のメロディーとの掛け合いを上手く弾きこなす必要があり、かなり高度な演奏技術が要求される。 ソナタ525の冒頭から楽しい豊かな音色で始まり、切なく美しいアダージョ、アレグロでは、軽やかな小さな生き物が飛び交う。ソナタ526のラルゴ、ソナタ527の... ...続きを見る

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2017/12/13 07:41
古楽の魅力(82) バッハ モテット3番BWV227「イエスよ、私の喜びよJesu,meine Fr
バッハのモテットは6曲あるが、いずれも、聖書の聖句や宗教詩、コラールなどのテキストを音楽化したもので、祈りの音楽である。中でも3番「イエスよ、私の喜びよJesu,meine Freude」は、同名のコラールをベースに、それを効果的に生かした素晴らしい作品である。テキストも、イエスに寄り添うことで、死、罪、傲慢、虚栄、富、名誉と戦うといった素朴な内容で、心の安らぎを求める祈り、信仰、霊の勝利を歌う。変奏が多彩で、テキストの内容が音楽となって深化してゆく不思議な一曲である。 ...続きを見る

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2017/12/11 07:44
古楽の魅力(81) バッハ  カンタータ第182番 「天の王よ、汝を迎えまつらん」BWV182
イエスはユダヤ各地で伝道して多くの信者・弟子を得た後、首都エルサレムに入り、やがて十字架にかけられるが、このエルサレム入城を「枝の日曜日」とし、その週の金曜日が受難日、次の日曜日が復活祭となる。第182番 「天の王よ、汝を迎えまつらん」は、このエルサレム入城の時のカンタータである。最初のソナタは、ヴァイオリンとリコーダーによる素朴でのどかな音楽。「ロバに乗って」という場面を想像させる。なんといってもこの曲の要は、5曲目のアルトによるアリアであろう。リコーダーのオブリガートが、やがてやって来る受難... ...続きを見る

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2017/12/10 07:51
古楽の魅力(80) バッハ カンタータ106番 「神の時こそいと良き日」
J.S.バッハ(独1685-1750)のこの曲は、「哀悼行事用」呼ばれる葬送用のカンタータである。リコーダー、ビオラ・ダ・ガンバの柔らかい美しい前奏で始まる。死の人間のジメジメしたやりきれなさが、どこかへ吹っ飛んでしまうような独特の響きがある。旧約の、避けられない掟としての死を歌うバス、その後、やさしいソプラノが「主イエスよ来たりたまえ」と救済の手を差し伸べる。直後のアリアとガンバの伴奏がとりわけ美しく感動的だ。終章もリコーダー、ガンバが効果的にコラールを締めくくり、これらの楽器の魅力を再認識... ...続きを見る

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2017/12/09 07:53
古楽の魅力(79) バッハ  カンタータ第82番「われは足れり」BWV82
バッハ(独1685-1750)のバス独唱の名曲として知られる。ルカによる福音書にある、救い主としての幼児イエスに出会い心満たされて死に赴くシメオン老人の物語で、シメオンを「私」として歌います。”私はもう結構。正しい人たちの希望である救い主をこの腕に抱きしめたのだ。私は今日のうちにもこの世を去りたい。”と。誕生した孫かひ孫を抱き上げる老人のような、深い限りなくやさしい喜びと気持ちが重なり、心が安らぐ名曲である。 ...続きを見る

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2017/12/08 07:48
古楽の魅力(78)バッハ  カンタータ4「キリストは死の縄目につながれたり」BWV4
ルターが、グレゴリオ聖歌「過越のいけにえを」Victimae paschali laudesの旋律を改編してコラール「キリストは死の縄目につながれたり」を作り、そのコラールをもとにバッハがカンタータ4番とする。 このカンタータ「キリストは死の縄目につながれたりBWV4」は、死と生命が戦い、生命が死を呑みつくすという緊迫感のあるクライマックスがあるが、 音楽としては、 その前の、罪ゆえに死に囚われる人間の絶望を歌う ソプラノとアルトの2重唱の第2変奏「死に打ち勝てる者絶えてなかりき」(De... ...続きを見る

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2017/12/07 07:38
古楽の魅力(77)ペルゴレージ    「スタ-バト・マーテル」
ジョヴァンニ・バティスタ・ペルゴレージ(伊 1710-1736 後期バロックのオペラ作曲家)は、バッハより25年後の世代だが、26歳の若さで亡くなっているため、彼より早く世を去っている。 「スタ-バト・マーテル(悲しみの聖母)」は、グレゴリオ聖歌のひとつで、十字架のイエスの足元でマリアがわが子を嘆く悲痛な詩である。 グレゴリオ聖歌は、やや単調な歌であるが、ペルコレージのこの歌は、悲しみの中に明るさもあり、まことに美しい。パレストリーナも美しい「スタ-バト・マーテル」を作っているが、ペルゴレー... ...続きを見る

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2017/12/06 07:26
古楽の魅力(76) ガルッピ  チェンバロ「ソナタ5番ハ長調」
バルダッサーレ・ガルッピ(伊1706-1785)は、後期バロック期のオペラの作曲家であるが、大変魅力的なチェンバロのソナタを残している。チェンバロ「ソナタ5番ハ長調」は、ミケランジェリのピアノ演奏で有名になったが、曲の鳴りはじめた瞬間からその旋律に引き込まれてしまう。 この美しいチャーミングな旋律は、ミケランジェリのピアノ演奏で聞くと、もはやバロックではなく、モーツアルトなどに近いが、チェンバロの演奏は、もっと素朴で別な味わいがある。 ...続きを見る

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2017/12/05 07:56
古楽の魅力(75) ルクレール  「ヴァイオリンソナタ」第4巻作品9−10
ジャン・マリ・ルクレール(仏1694-1764)は、「フランスのコレッリ」と呼ばれている。 ラモー(仏1683-1764)と同世代のルイ15世時代のヴェルサイユ学派で、ヴァイオリンをコレッリの高弟に師事している。彼の華麗で繊細な音楽は、音楽と舞踊の結びつきから来ている。彼はイタリアで若き頃舞踊手でもあった。「ヴァイオリンソナタ」1巻から4巻まで48曲を作っているが、すべての「ヴァイオリンソナタ」に舞曲風のステップが刻まれ、優雅で美しい。第3巻作品5−7などは、タルティーニの「悪魔のトリオ」を思... ...続きを見る

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2017/12/04 07:13
古楽の魅力(74) ヘンデル ハープシコード組曲
ヘンデル(英1685-1759)のハープシコードの作品には、魅力的な曲が多い。 ヘンデル自身、ドメニコ・スカルラッティとハープシコードの腕試しをした逸話があるほどの名手である。 「調子のよい鍛冶屋(組曲第5番)」は、もっとも有名でありいつ聞いても楽しくさせてくれる曲である。この原曲は「シャコンヌ ト長調」の主題と変奏にある。 ヘンデルは、ハープシコードにおいて霊感を得た音楽を伝えようとしたといわれるが、彼のリズムや音の展開には湧き出る泉のように心の乾きを潤してくれるものがある。 このほか... ...続きを見る

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2017/12/03 07:59
古楽の魅力(73) ヘンデル  「リコーダソナタ」
ヘンデル(英1685-1759)の作品のなかで、「リコーダソナタ」は、多くの人に愛されている。 リコーダを吹くアマチュアにもプロにも。 曲が明るく、気持ちを平和な調和の世界に整えてゆく。とにかく旋律に無理がなく単純で質素なのであるが、内実が豊かで聞き手の心を満たしてくれる。 ソナタハ長調、イ短調、変ロ長調をはじめ、トリオソナタなどもより豊かな表現力を伴って、リコーダと通奏低音の、他の楽器にはない魅力的な雰囲気に浸ることが出来る。 ...続きを見る

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2017/12/02 06:21
古楽の魅力(72) ヘンデル  詩篇歌「主はいわれたDixit Dominus」
詩篇110番「主はいわれたDixit Dominus」は、ダビデの詩による賛歌であり、マタイ福音書でイエスがこの言葉を語っている。 「主はいわれた。”私の右の座に着きなさい。わたしがあなたの敵をあなたの足元に屈服させるときまで”と」。イエスが現世におりて人となり、受難して再び昇天するするまでの間の、イエスに対する神の言葉としてとらえられている。この詩篇歌で、ヘンデル(英1685−1759)に勝るものはないであろう。出だしの畳み掛けるようなリズムにすっかり魅了されてしまう ...続きを見る

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2017/12/01 07:21
古楽の魅力(71) D. スカルラッティ  「ソナタ集」
ドメニコ・スカルラッティ(伊1685-1757)は、ヘンデルとチェンバロの腕試しをした逸話がある名手であり、「555のソナタ」を残している。 バッハ、ヘンデルと同じ年の生まれである。 彼のソナタは、フラメンコの踊りやギターの音楽を思わせる音型、両手の激しい対話、憂愁を漂わせる響きなど多彩であり、飽きさせない魅力たっぷりの曲集である。 特にK132ハ長調,K501ハ長調などが印象深い。 ...続きを見る

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2017/11/30 07:28
古楽の魅力(70)ラモー  「クラブサン集」
リップ・ラモー(仏1683-1764)は、ジャン・ジャック・ルソー時代のオルガニスト、作曲家、音楽理論家でもある。「クラブサン集」には、「第1」、「第2」、「新」と3集あるが、いずれのどの曲も聴く人を退屈させない。 舞曲がベースになっていることや標題音楽などが楽しさを増す。 すべてが空気のようであり、さわやかな風が耳元を駆け抜けてゆく。 特に第2集の、標題音楽の「小鳥たちの集合ラッパ」「リゴドン」「タンブラン」「恋のくりごと」「ソローニュのお人好し」、新曲集の「ガボットとドウブル」「めん... ...続きを見る

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2017/11/29 07:15
古楽の魅力(69)テレマン  「リコーダ協奏曲」
マン(独1681-1767)といえば、同時代のバッハやヘンデルより当時は、人気と名声があった人である。 代表作は、「ターフェルムジーク(食卓の音楽)」。さまざまな楽器を魅力的に鳴らし質の高い作品を大量に作り出しているのだが、ここで取り上げるのは「リコーダ協奏曲」。 バロック時代は、ヴィルトゥオーゾ楽器としてリコーダが人気があったが、テレマンのリコーダ作品を聞くと、リコーダの魅力が最大限に引き出され精気がみなぎっている。ハ長調、ホ短調、ヘ長調、組曲イ短調など傑作が多い。中でもホ短調は、リコーダ... ...続きを見る

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2017/11/28 11:50
古楽の魅力(68)ヴィヴァルディ   「調和の霊感」
ヴィヴァルディ(伊1678-1741)の「調和の霊感」は12の協奏曲からなり、「四季」と並ぶもっとも有名な曲である。 彼は「赤毛の神父」の愛称を持つ神父で、孤児院付属の女子音楽院の教師として活躍し、この音楽院の演奏のために多くの作品が書かれたいわれている。 子供から大人まで音楽の調和の喜びに導くような明るさがあるのもそんなところから来るのかもしれない。 6番の独奏ヴァイオリンの曲が、ヴァイオリンを学ぶ子供の教則本に載っていて、この曲をより親しみのあるものにしている。このほか、5番、8番、9... ...続きを見る

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2017/11/27 07:17
古楽の魅力(67)ヴィヴァルディ   「スタバトマーテル」
ヴィヴァルディ(伊1678-1741)といえば「四季」があまりにも有名だが、宗教曲においてもすばらしいものがある。 彼は、もともと司祭でもあった。宗教曲といっても、劇音楽に興味を持っていたヴィヴァルディは、宗教的独唱とシンフォニア的なコンチェルトの組み合わせで作られている。 「スタバトマーテル(悲しみの聖母)」は、ペルコレージ、パレストリーナなど多くの作品があるが、ヴィヴァルディの場合も、十字架上のわが子に対し「人として泣かぬものがあろうか」という言い知れぬ悲しみに打ち崩れながらも、苦しみに... ...続きを見る

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2017/11/26 07:51
古楽の魅力(66)クープラン クラブサン曲「恋する夜うぐいす」「神秘な障壁」他
フランソワ クープラン(仏1668-1733)は、ラモー(仏1683-1764)とともに、フランスクラブサン学派の巨匠の一人。クープランの作品の標題に伴う情景描写が極めて印象的である。 たとえば「恋する夜うぐいす」「神秘な障壁」「修道女モニク」などの小曲をきくと、爽やかなイメージの詩のアニメ動画を見ているような錯覚を覚える。 特に響きを消した音を効果的に使った和声の展開が印象的である。 ...続きを見る

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2017/11/25 07:56
古楽の魅力(65)ヨハン・クリストフ・ペーツ  「パストラール協奏曲 ヘ長調」
パストラーレ(キリスト降誕の夜、牧童が笛を吹いたという聖書に基づき田園情緒を描こうとする)については、コレッリで紹介したが、ドイツの作曲家ヨハン・クリストフ・ペーツ(独Johann Christoph Pez 1664-1716)のパストラール協奏曲ヘ長調も素晴らしい。 ドイツ人であるが、イタリアでコレッリに学び、フランスのリュリなどの影響も受けている。 弦楽に2本のリコーダーが加わり、牧歌的な雰囲気を出している。 ...続きを見る

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2017/11/24 07:23
古楽の魅力(64)ジュゼッペ・ヤッキーニ  チェロソナタ
ジュゼッペ・ヤッキーニ(Giuseppe Maria Jacchini伊1663-1727)は、チェロの黎明期のチェロ奏者で作曲家、ドメニコ・ガブリエル(伊1659-1690)(186参照)に師事したといわれる。いくつかのチェロソナタが素朴で、哀愁を帯びた旋律が親しみやすい。また舞踏的なリズムの楽しさも魅力的だ。「ソナタ・ハ長調」、「ソナタ・イ短調」、「ソナタ・ト長調」などチェロならではの魅力が生かされ、いずれも飽きさせない。 ...続きを見る

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2017/11/23 07:59
古楽の魅力(63)ドメニコ・ガブリエル  「ソナタ ト短調」「ソナタ イ長調」
ドメニコ・ガブリエル(伊1659-1690)は、バロック時代の作曲家でチェリスト。 「チェロのドミニカ」といわれていたようで、チェロの作品が面白い。 なかでも「ソナタ ト短調」「ソナタ イ長調」が印象に残る。ト短調は、のびやかで語りかけるように歌う、何か思い出が詰まった話をするような。 イ長調は、切なく美しい旋律と、軽快なリズムとが交互に展開し、緩急のチェロの魅力を味わうことができる。 ...続きを見る

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2017/11/22 07:42
古楽の魅力(62)パーセル  ファンタジア「第5番、インノミネ」「 ソナタ6番」
パーセル(英1659-1695)は、バロック時代の英国の大作曲家で、彼の「ファンタジア」には不思議な魅力がある。ファンタジアというのは、声楽曲で培われたポリフォニー技法を器楽曲に転用したもので、器楽曲が独自の道を始めた時の音楽である。テキストなしで思うままに旋律を作り出し独自の発想で練り上げてゆく。「声と言葉」から開放された斬新さ、音そのものの喜びのようなものを感じさせる。ファンタジアのどの曲も素晴らしいが、第5番とインノミネの2曲は何度も繰り返して聞きたくなる曲である。「インノミネ」はジョン・... ...続きを見る

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2017/11/21 08:04
古楽の魅力(61)パーセル 「組曲6番」「ラウンド0」「グラウンド」
ヘンリー・パーセル(英1659-1695)は、彼にはいくつかの優れたハープシコードの作品がある。 ちょっとしゃれた感じの「組曲6番」、哀愁を感じさせる「グラウンド」そしてブリテンの「青少年管弦楽入門」の主題にになっている「ラウンド0」など。 「ラウンド0」は、劇付随音楽のアブデラザールの中の第2曲「ロンドー」からきている。音そのものの喜びのようなものを感じさせるパーセル独特の自由奔放な世界がある。 ...続きを見る

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2017/11/20 07:10
古楽の魅力(60)マラン・マレ  ヴィオール曲「聖ジュヌヴィエーヴ教会の鐘の音」
マラン・マレ(仏1656-1728)は、ルイ14世に仕えたヴィオール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)奏者であり作曲家である。 マラン・マレについて書かれた小説に、パスカル・キニャールという人の「めぐり逢う朝」がある。 マレの師コロンブとの共感、葛藤を描いたものであるが、この中で「音楽とは言葉では語れぬことを語るためにある。」「死者に残しておく一杯の水のため、、、、生まれる前の命のために。息もせず、光もなかった頃のために」といった師弟の会話があり、音楽の根源を考えさせる。 「聖ジュヌヴィエーヴ教会の... ...続きを見る

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2017/11/19 08:28
古楽の魅力(59)パッヘルベル  オルガン作品集
パッヘルベル(独1653-1706)については、ブクステフーデとともにバッハに影響を与えたといわれるように、オルガン作品集に数々の傑作がある。 アポロの6弦琴、プレリュードニ短調、シャコンヌへ短調、ニ短調、リチュルカーレハ短調、さらにルターのコラールにより変奏曲「God the Father dwells with us」など。 プレリュードニ短調は、バッハを想起させる迫力のある曲想、 シャコンヌへ短調、ニ短調は聞く者の心をとらえて離さない。 リチュルカーレハ短調は、不思議な半音階に引き... ...続きを見る

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2017/11/18 07:21
古楽の魅力(58)パッヘルベル  器楽アンサンブル「音楽の楽しみ」
ヨハン・パッヘルベル(独1653-1706)は、「カノンとジーグ」で有名であるが、バッハの父アンブロジウスと交流のあったオルガニストで、ブクステフーデなどともにバッハに影響を残した人である。 彼は、オルガン曲だけでなく、器楽アンサンブルの作品を書いた。 「音楽の楽しみ」もその一つで、宮廷での「食卓音楽」として演奏された「6 曲のパルティータ」からなる小アンサンブル作品である。「カノン」や5声、4声のパルティータなどとともに、題名どおり[音楽の楽しみ]を味わうことが出来る。4番ホ短調など特に素... ...続きを見る

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2017/11/17 07:29
古楽の魅力(57) ゲオルク ムファット  「シャコンヌ ト長調」(「調和の捧げ物」組曲
ドイツのプロテスタントのオルガン音楽において、バッハの先輩たちにブクステフーデやパッヘルベルなどがいるが、その当時の一人、ゲオルク ムファット(Georg Muffat独1653-1704)は南ドイツ オーストリアのカトリック系オルガン音楽を代表する作曲家である。 パリでリュリに、ローマでコレッリに学んでいる。ビーバーとも交流があり、ムッファトは汎ヨーロッパ的な人生を送っている。 この頃のトッカータ、パッサカリア、シャコンヌなどはフランス、イタリアの影響を強く受けている。 シャコンヌは、舞... ...続きを見る

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2017/11/16 08:04
古楽の魅力(56)ビーバー  「ロザリオソナタ」
ハインリヒ・イグナツ・フランツ・ビーバー(チュコ1644-1704)は、17世紀屈指のヴァイオリンのヴィルトゥオーソ・作曲家といわれる。 ザルツブルグの宮廷礼拝堂楽長を務めていたこともあり、「教会あるいは宮廷用ソナタ」「ロザリオのソナタ」「レクイエム」など宗教的な色彩の強いヴァイオリンソナタがある一方、「描写的なヴァイオリンソナタ」など、鳥や動物、戦いなどを描写した標題音楽なども作曲している。 マリアを主題とした「ロザリオのソナタ」は、パッサカリアやソナタ6番など高度の技法と深みのあるヴァイ... ...続きを見る

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2017/11/15 07:27
古楽の魅力(55)シャルパンティエ     「真夜中のミサ」
マルカントワーヌ・シャルパンティエ(仏1643-1704)は、バッハより少し前のフランスの作曲家で、この「真夜中のミサ」は、クリスマス前夜の真夜中の曲。 当時、フランスで広く歌われていたノエル(クリスマスの歌)が、ミサ曲として仕立てられている。 合唱と器楽合奏で作られ、素朴な笛の音は牧歌的な雰囲気を出している。出だしのキリエを聴いた途端、その美しい安らぎのメロディに魅了されてしまう。 バッハの「マタイ受難曲」のコラールなどの響きとも違って、もっとフランス的な明るい美しさがある。いつまでも... ...続きを見る

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2017/11/14 07:18
古楽の魅力(54)ブクステフーデ オルガン作品「前奏曲 ト短調149」
ブクステフーデブクステフーデ(独1637−1707)のオルガン作品は、前奏曲やフーガに優れた作品が多い。 特に「前奏曲 ト短調149」「フーガ ハ長調174」のこの2曲は、特に印象に残る作品である。 前奏曲 ト長調149」は、冒頭、大自然の鼓動を思わせる重厚な低音の旋律で始まり、深い世界へと我々を引き込んでゆく。芸術性の高い名作である。「フーガ ハ長調174」は、ジーグ舞曲のリズムによる可愛らしいブーガ。 断片的な小曲であるが、大変美しい。 ...続きを見る

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2017/11/13 07:24
古楽の魅力(53)ブクステフーデ  オルガン・コラール「いかに美しきかな暁の明星は」
ブクステフーデ(独1637−1707)については、パッサカリアのような壮大なオルガン曲の一方で、オルガンコラールの作品群は、素朴で美しい魅力がある。 「いかに美しきかな暁の明星は(BuxWV223)」「われ汝を呼ぶ、主イエス・キリスト(BuxWV196)」「甘き喜びのうちに(BuxWV197)」「来たれ聖霊、主なる神(BuxWV199)」「今我ら聖霊に願い奉る(BuxWV208)」など。 バッハやパッペルベルなども同様にコラールに基づくオルガン曲を作っているが、ルター派のコラールの旋律には素... ...続きを見る

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2017/11/12 07:48
古楽の魅力(52)ブクステフーデ   オルガン曲「パッサカリア ニ短調」
ブクステフーデ(1637−1707)は,J.S.バッハ以前のドイツにおいて最大の教会音楽の作曲家といわれる人で、バッハに多大な影響を与えている。 ブクステフーデのオルガン曲には、プレリュード、トッカータなど沢山あるが、コラールやパッサカリアなどが、素朴で柔らかく聞く人の心に語りかけてきて印象的である。 特にパッサカリアニ短調は、ヘッセの小説「デミアン」の中で、「古いオルガン音楽のえり抜きの曲」で「この異様な深い沈潜的な、自分自身に聞き入っているような音楽に浸った。 それはいつ聞いても快く、... ...続きを見る

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2017/11/11 08:06
古楽の魅力(51)フローベルガー 「トッカータ第11番(聖体奉挙のために)」他
フローベルガー(独1616-1667)については、組曲など標題音楽について取り上げたが、その中で「フローベルガーは、ヘルマン・ヘッセの小説「ガラス玉遊戯」の中で、主人公クネヒトが初めて出会う音楽名人のイメージとして取り上げられている。」と書いた。 ヘッセのフローベルガーへの思いは、標題音楽ではなく、ブクステフーデやバッハへ連なる荘重な鍵盤音楽のイメージを持っていたのではないかと思う。 彼の重厚さをイメージする音楽は、トッカータ、リチェルカーレ、カンツオーナ、ファンタジア、カプリッチョなどの作... ...続きを見る

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2017/11/10 07:11
古楽の魅力(50)フローベルガー 標題音楽「哀歌」 ほか
ヨハン・ヤーコブ・フローベルガー(独1616-1667)は、初期バロック時代の鍵盤楽器奏者、作曲家でフレスコバルディの弟子で、イタリアの音楽をドイツに橋渡しをした。ブクステフーデやバッハに先行するドイツの重要な作曲家である。バロック時代の組曲の構成舞曲(アルマンド、ジーク、クーラント、サラバンド)を確立したとされる。彼には下記のような、いくつかの標題音楽があり組曲に組み込まれている。いずれも題名が面白く情感豊かな曲が多い。 ●「皇帝フェルディナント3世陛下の痛切の極みなる死に捧げる哀歌」「ロ... ...続きを見る

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2017/11/09 07:45
古楽の魅力(49)シュッツ 「音楽による葬送」
ハインリッヒ・シュッツ(独1585-1672)は、17世紀のドイツ音楽を確立した人でドイツ音楽の父と言われている。 大バッハ誕生100年前に生まれている。 受難曲やモテットを多く作曲している。「音楽による葬送」は、シュッツの領主であった伯爵に依頼されて作曲した埋葬儀式のための教会音楽で、ドイツレクイエムの最初の作品である。 この曲は、「裸で私は母の胎からでた。裸でまた、そこへ帰ってゆこう」という歌詞で始まり一貫して「主よ私はあなたを離しません。私を祝福して下さるまで」と死に打ち勝つ恵みを求... ...続きを見る

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2017/11/08 07:22
古楽の魅力(48)フレスコバルディ 「フィオーリ・ムジカーリ(音楽の花束)」
ジローラモ・フレスコバルディ(伊1583-1643)は、声楽界におけるモンテヴェルディと並んで、初期バロックの鍵盤楽器の最大の作曲家である。ローマのサン・ピエトロ寺院のオルガニストであり、聖歌に代わる典礼用のオルガン曲などを作曲し、弟子のフローベルガー(独1616-1667)を通して、ブクステフーデやバッハなどドイツのオルガン音楽に至る道を敷いたといわれる。後のバッハなどにも影響を与えている。 その「オルガン・ミサ」の代表作が「フィオーリ・ムジカーリ(音楽の花束)」である。トッカータ、キリエ、... ...続きを見る

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2017/11/07 07:36
古楽の魅力(47) ジョン・ウイルビー  イングリッシュ・マドリガル「甘き蜜吸うハチたち
ジョン ウイルビー(Jhon Wilbye 英1575-1638)は、 ルネッサンス音楽末期のイングリッシュ・マドリガルの作曲家。 イングリッシュ・マドリガルは、トーマス・モーリ(Thomas英1557-16029) をはじめジョン・ウイルビー、トーマス・ウィールクス(Thomas Weelkes英1576-1623)などエリザベス朝時代の宮廷作曲家達によって、イタリアの形式を真似て作られたが、イタリア程複雑で無く、英語にあったイギリス独自のものに発達させていて、多声だが和声を主体にした曲が多... ...続きを見る

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2017/11/06 07:14
古楽の魅力(46) M.プレトリウス 教会音楽「シオンのミューズたち」
ミヒャエル プレトリウス(独1571-1621)は、ドイツプロテスタントのコラールや賛美歌を編曲をした人として重要な作曲家である。 主要な作品は、教会音楽「シオンのミューズたち」と理論書「音楽大全」などである。ドイツでは、10年年上のハスラー、10年年下のシュッツ、シャイトなどと、また、イタリアのガブリエルなどとも交流があり、ドイツプロテスタントのコラールの展開とともに、教会コンチェルトの様式をドイツにもたらしている。 「シオンのミューズたち」では「マニフィカト」、「コラール」、モテット「来... ...続きを見る

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2017/11/05 08:05
古楽の魅力(45)モンテヴェルディ マドリガーレ集:「アリアンナの嘆き」ほか
モンテヴェルディ(伊1567-1643)は多くの優れたマドリガーレを残している。ヴェネチアのサンマルコ大聖堂の楽長を努め宗教曲を作曲する傍ら、いわばオフタイムにマドリガーレを作曲。ジェズアルドとともに代表的なマドリガーレ作者である。 モンテヴェルディは、マドリガーレ集を1〜8巻まで作曲し、後半の5巻あたりから、マドリガーレを通奏低音つきの独唱歌曲に変化させ、この分野でのバロック音楽を確立したといわれている。「こうして死にたいもの」(4巻)「私の魂は」(5巻)→「あなたを愛しています、私の生命よ... ...続きを見る

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2017/11/04 07:51
古楽の魅力(44)モンテヴェルディ [マニフィカト]他
モンテヴェルディ(伊1567-1643)は、バロック期初期の巨人である。 聖務日課用の大作「聖母マリアの夕べの祈り」が有名であるが、この中でも、その終曲であるマニフィカトが美しい。マニフィカトは2種類作曲されていて、ひとつは7声の合唱と器楽によるもの,もうひとつは6声の合唱と通奏低音だけのものである。この後半の通奏低音だけのものが、とりわけ美しい。 マニフィカトというのは、「賛美する」という意味であるが、受胎告知を受けたマリアが神を賛美する歌である。 「主は、この賤しい主の卑女(はしため)... ...続きを見る

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2017/11/03 08:12
古楽の魅力(43)ドゥアルテ・ロボ  「レクイエム」
ドゥアルテ・ロボ(ポルトガル(1565-1646)は、ヴィクトリア(西1548-1611)の影響下にあった隣国ポルトガルにおけるポリフォニーの第一人者である。 彼の「レクイエム」はヴィクトリアの「死者のためのミサ曲」に劣らず、まことに美しい。 彼らは、日本にキリスト教が伝えられた頃の作曲家である。当時、日本人の間でキリスト教が、急速に広まったのは、キリスト教の死者に対する丁寧な扱いがあったことが要因のひとつにあげられている。 信長、秀吉の頃、セミナリオ(神学校)を通して宗教音楽などが... ...続きを見る

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2017/11/02 07:32
古楽の魅力(42)ダウランド  リュート曲「涙のパバーヌ
ジョン・ダウランド(1563-1626)は、バードともに英国におけるルネッサンス音楽の代表的作曲家である。 主にリュート曲が中心。とりわけ有名なのが、「涙のパヴァーヌ(Lacrimae)」で、世俗歌「Flow my tears(流れよ我が涙)」を器楽用に作曲したもの。 ダウランドのリュートの曲には、「ダウランドの涙」「常にダウランド、常に悲しき」など「つねに悲しむ」をモットーとする作曲家である。 人間は、基本的に孤独であり、常に悲しい存在である。ダウランドの曲は、そんな人間の常態を、「爽や... ...続きを見る

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2017/11/01 07:34
古楽の魅力(41)スヴェーリンク オルガン曲「われ汝を呼ぶ、主イエス・キリスト」他
ヤン・ピーテルスゾン・スヴェーリンク(蘭1562-1621)は、17世紀初頭のオランダのアムステルダムの旧教会のオルガニストで、即興の名手とし、北ヨーロッパにその名を知られていた作曲家。 バロック鍵盤音楽の書法を開発し、その後展開するドイツオルガン音楽に大きな影響を与えている。 彼の門下生にドイツのシャイトやシャイデマンなどがいて彼らがドイツでオルガン音楽の種まき役をした。 「われ汝を呼ぶ、主イエス・キリスト」はコラールの4つの変奏曲で、定旋律のコラールが音域の変化、対位法、フーガなどへと... ...続きを見る

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2017/10/31 07:52
古楽の魅力(40)ジェズアルド 「ミゼレーレ」
カルロ・ジェズアルド(伊1560-1613)は、モンテヴェルディと並ぶイタルア・マドリガーレの代表的作曲家。 妻と愛人を殺害した痛苦の人生を送った人のようである。 ミゼレーレMiserereというのは、部下を戦場に送りその妻を奪うという卑劣な罪を犯したダビデの悔い改めが素材になっている詩篇51篇によるが、苦渋の生涯を送ったジェズアルドにも特別な思いが込められているのかもしれない。ジェズアルドの「ミゼレーレ」には大変魅力的な深い響きがある。 ...続きを見る

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2017/10/30 07:31
古楽の魅力(39)マレンツィオ  マドリガーレ「露に濡れた夜明け前に」他
ルーカ・マレンツィオ(伊1553-1599)は、ルネッサンス末期のイタリアの作曲家でマドリガーレの大家として知られる。 マドリガーレは、16世紀初頭からイタリアで現われた形式で、自由詩にあわせたメロディがポリフォニーで作られる。 ヴィラールト、ローレ、ジェズアルド、モンテヴェルディなどとともに代表的作曲家の一人。 イタリアの貴族社会の社交的芸術として栄え、ペトラルカ、タッソー、サンナローザなど、優れた詩人の詩をメロディー化しており、マレンツィオのドリガーレは大変、質のよい優れた曲が多い。 ... ...続きを見る

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2017/10/29 10:17
古楽の魅力(38)トマス・モーリ  マドリガル「蕾にさえも悲しみは」他
トマス・モーリ(Thomas Morley英1557-16029) は、ジョン ウイルビー(Jhon Wilbye 英1575-1638)、トーマス・ウィールクス(Thomas Weelkes英1576-1623)とともに ルネッサンス音楽末期のイングリッシュ・マドリガルの作曲家として、なかでもモーリは主導的な立場にあった人である。 モーリの場合は、当時のイタリア・マドリガルを範として作曲しているが、「今や五月」「蕾にさえも悲しみは」「4月は愛しい人のおもざし」「やさしいニンフが君の恋人を」な... ...続きを見る

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2017/10/28 07:45
古楽の魅力(37)G.アッレーグリ    「ミゼレーレ」
アッレーグリ(伊1552-1652)「ミゼレーレ」は、パレストリーナの「教皇マルチェルス」とともにヴァチカンのシスティーナ礼拝堂に鳴り響いていたといわれ、その典礼でしか聞くことのできない秘曲だったそうである。 その秘曲を、ローマを訪れたモーツアルトが一度聞いただけで全曲書き写してしまったというエピソードがある。 天井の高い教会に、下から駆け上がって行く声が同時に上から降り注いでくるような極度な高音が繰り返される。 ミゼレーレMiserereというのは、部下を戦場に送りその妻を奪うという卑劣... ...続きを見る

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2017/10/27 07:19
古楽の魅力(36)ジョバンニ・ガブリエリ   カンツォーナとソナタ
ジョバンニ・ガブリエル(伊1553-1612)は、ルネッサンスからバロックへの過渡期に、分割合唱、通奏低音などによる作曲をした人。 聖マルコ寺院における宗教曲集「サクラ・シンフォニア集1,2」が、当時のドイツのハスラー、シュッツ、M.プレトリウスなどへ影響を与え、初期バロックのドイツへの移植を促した。 分割合唱様式は、半世紀前の聖マルコ寺院楽長であったヴィラールト開拓したヴェネツィア楽派の特徴であるが、ガブリエリにおいては、楽器、声楽を高度に配置した作曲が特徴。 「サクラ・シンフォニア集2... ...続きを見る

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2017/10/26 10:16
古楽の魅力(35)レヒナー  モテト「もし主の御手から恵みを得るならば」 ハスラー モテト「主よいつ
レヒナー(独1550-1606) ハスラー(独1562-1612)はルネッサンスからバロック移行期のドイツの重要な作曲家である。ルネッサンス期は、音楽の後進国だったドイツが、ルターの宗教改革とともに新たな歩みを始めた。ルターは<万人司祭>の理念から母国語によるコラールを誕生させた。以来、ルター→ラッスス→レヒナー→ハスラー→シュッツ→バッハへとプロテスタント音楽は台頭してゆく。 レヒナーのモテト「もし主の御手から恵みを得るならば」は、胸にずんと染み入ってくるような美しさがある。 歌詞の中に「... ...続きを見る

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2017/10/24 07:55
古楽の魅力(34)ヴィクトリア レクツイオ「我が心は生活に疲れたり」 他
ヴィクトリア(西1548-1611)のレクツイオ「我が心は生活に疲れたり」は、ヨブ記10章1−7節から歌詞が採られている。 義人で道徳的な完全主義者であるヨブが、神から「いわれなき受難」を受け、神に抗議する内容である。「なぜ、私の不当さを探し私の罪を調べあげようとするのですか?あなたは知っておられるのに、私があなたに背くことを決して行わないのを」と。 レクツイオというのは、朗読に曲をつけたものである。 聖務日課でヨブ記が歌われるというのは、道徳主義者の驕りを戒めるところにあるのだろうか。 ... ...続きを見る

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2017/10/23 08:10
古楽の魅力(33) ヴィクトリア 「死者のためのミサ曲」
ヴィクトリア(西1548-1611)は、ルネッサンス期スペイン最大の音楽家。 教会音楽家でミサ曲のほかにも、「アベマリア」をはじめ印象深いモテトゥスが数多くある。 「死者のためのミサ曲」は、皇帝マクシミリアン2世の皇后マリア(フェリペ二世の妹)の死を悼んで作曲された。 レクイエムの単旋律聖歌を定旋律として他の5声がポリフォニックにからむ形で展開するが、悲しみやさまざまな感情を完全に昇華してしまうようなハーモ二ーが美しい。 死んだ時には、是非このレクイエムを流してもらいたいと思ってしまうほ... ...続きを見る

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2017/10/22 08:11
古楽の魅力(32) W.バード  「5声のミサ」
バード(英1543-1623)の代表作は、「3声のミサ」[4声のミサ」[5声のミサ」である。 いずれも余計な装飾がない端正な曲ばかりである。 あまりにも完璧なハーモニーでただただ聞き従う以外にないような面もあるが、音と音が組み合わさって作られる力強さにいつの間にか呑み込まれてゆく。 中でも「5声のミサ」は、熟達したポリフォニーに感動する。最後のアニュス・デーの美しさは格別である。 ...続きを見る

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2017/10/21 08:03
古楽の魅力(31)W.バード 「Sing joyfully unto God 」
「われらの力の神に向いて喜び歌い Sing joyfully unto God」 (詩篇第81編) は、W.バード(英1543-1623)の礼拝用アンセムのひとつ。アンセムとは、イングランド国教会の礼拝(サービス)のなかの短い合唱曲のことで、この曲は、一緒に歌いたくなる楽しい曲である。特に、「Blow the trumpet in the new moon(角笛を吹き鳴らせ、新月に)」という件りがくると、思わず口をついてしまう。この詩篇には、「(神が)雷の隠れたところで答える」というキーワード... ...続きを見る

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2017/10/20 07:07
古楽の魅力(30) W.バード  コンソートソング(清らかな英国半島)
W.バード(英1543-1623)は、ミサの名曲があるが、コンソート・ソングの作曲者としても素晴らしい。 コンソート・ソングというのは、ヴィオールの合奏(コンソート)の伴奏を持つ独唱、または2重唱の歌曲であるが、「清らかな英国半島Fair Britain isle」「喪服の天使in angel's weed」などを聞くと、死者を悼む哀歌,悲歌ということもあるが、胸に迫るものがある。「美しいスザンナSusanna fair」も美しい。また、「キリストは蘇りChrist rising again」... ...続きを見る

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2017/10/19 18:24
古楽の魅力(29)コヴェントリ・キャロル  「ラリ ルラ、小さき子よ」
コヴェントリ・キャロルとは、16世紀の英国のコヴェントリで歌われてきたクリスマスキャロルで、「ラリ ルラ、小さき子よ(July,july thou little tiny child)」は作者不明、「ララバイ(子守唄)」は、ウィリアム・バード(英1543-1623)の曲である。 いずれも単なる子守唄ではなく、マタイ伝に出てくるがヘロデ王がベツレヘムで行ったという大規模な幼児虐殺事件を描いていて、イエスの降誕に伴う幼児への鎮魂歌である。子守唄のやさしさのなかに、母親の悲しみが広がってくる。特にバ... ...続きを見る

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2017/10/18 07:15
古楽の魅力(28) ロバート ホワイト 「エレミア哀歌」
ロバート ホワイト(英1538-1574)は、トーマス・タリス(英1505-1585)より少し後の作曲家で、ヘンリ8世からエリザベス1世に変わる、丁度、宗教改革によってカトリックからプロテスタントのスタイルへの変更を余儀なくされた時代の人である。 特に、「エレミア哀歌」は、タリスの作品とともに傑作とされている。 20分を超える長い曲なれど、聞くものを少しも飽きさせない。悲しみに満ちた響きがグイグイと迫ってくる。 また、モテトゥスも素晴らしく「主、汝にこたえたまわんことを」、「光にして日なる... ...続きを見る

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2017/10/17 07:38
古楽の魅力(27)ラッスス 「レクイエム(5声)」
ラッスス(フランドル1532-1594)のレクイエムも素晴らしい。 ラッススのポリフォニーには、ナチュラルな美しさがある。 湧き出る泉の音をいつまでも聞いているような魅力がある。「レクイエム(5声)」は、グレゴリオ聖歌の「レクイエム」とポリフォニーによる声楽部が交差して歌われ、声楽部は常にグレゴリオ聖歌の定旋律を用いてポリフォニックに展開されていく。ラッソには4声の「レクイエム」もある。 ...続きを見る

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2017/10/16 07:34
古楽の魅力(26)ラッスス  「音楽は神の贈り物」他
ラッスス(フランドル1532-1594)は、パレストリーナとともにルネッサンス・ポリフォニーの完成者といわれる人である。 「音楽は神の贈り物」は6声部のモテトゥスであるが、ポリフォニーに深みがあり、調和のとれた美しい曲で、題名にふさわしい。 歌詞は「音楽は最高の神の贈り物であり、人を感動させ、神をも感動させる、音楽は激しい心を和らげ、悲しい気持ちを励ます。音楽は樹木さえ、また、恐ろしい野獣をさえ感動させる」というもの。日々古楽を聞く我々にとっても、音楽はまさに神の贈り物である。 また 「... ...続きを見る

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2017/10/15 07:43
古楽の魅力(24)パレストリーナ「教皇マルチェルスのミサ」
この曲は、ルネッサンス後期の大作曲家パレストリーナ(伊1525-1594)の代表作。 ルターの宗教改革でドイツ語による「コラール」が生まれ独自の教会音楽が育ってゆくなか、カトリックのミサの言葉が不明朗といわれた多声音楽を、言葉がよく聞き取れるという典礼の要請と芸術の完成度を両立作品として知られる。端正で明るく、透き通るような美しさがある。 また 「スタ-バト・マーテル」はペルコレージが有名だが、パレストリーナのこの曲も美しい。 調和した響きに、静かに打ち寄せる波のようなリズムがあり、おそ... ...続きを見る

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2017/10/13 09:30
古楽の魅力(23)アントニオ・デ・カベソン 「ディファレンシアス」「 ティエント」
アントニオ・デ・カベソン(西1510-1566 Antonio de Cabezon)は、モラレスなどとともにイベリア半島の大作曲家の一人。 フェリペ(カール)2世に仕えた盲目の宮廷音楽家でオルガンの作曲家ある。 スペインには古くからオルガンが使われてきたが、カベソンが16世紀,スペイン音楽にオルガン曲を開花させた。 彼は、スペインのバッハとも言われる。 「ディファレンシアス」は、変奏曲という意味である。 「騎士の歌」「イタリア風パヴァーナ」{ミラノ風ガリアリダ」などのディファレンシ... ...続きを見る

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2017/10/12 07:16
古楽の魅力(22)トーマス・タリス   「4声のミサ」、モテット、アンセム
トーマス・タリス(英1505-1585)は、「エレミア哀歌」で有名であるが 「4声のミサ」や数々の「モテット」、「アンセム」「ミサ」が聞き応えある。 バード(英1543-1623)とともに、エリザベス1世時代、カトリックから英国国教会のために、ラテン語から英語を用いて音楽を作ることを要請された時代の作曲家である。 アンセムとは、イングランド国教会の礼拝(サービス)のなかの短い合唱曲で、英国国教会版モテットのことである。彼のラテン語によるモテットにすばらしいものがある。 「祭祀たちは食を断... ...続きを見る

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2017/10/11 07:15
古楽の魅力(21) トーマス・タリス  「エレミア哀歌」
マス・タリス(英1505-1585)の「エレミア哀歌」は、ルネッサンス時代の英国における宗教曲の中でバードのミサ曲(3声、4声、5声)とともに特に美しいものとしてと知られる。 「エレミア哀歌」は旧約聖書に出てくる預言者エレミアが、紀元前6世紀、新バビロニアに滅ぼされたエルサレムの荒廃を嘆いたとされる歌である。原典のヘブル語で、詩の各節が、ABCのアルファベットで始まるように作られている。 「エレミア哀歌」は、タリスのほかにも、アントワーヌ・ブリュメリ(仏1460-1520),ホワイト(英1... ...続きを見る

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2017/10/10 07:38
古楽の魅力(20)モラレス  モテトゥス「より良き生活のうちに」「羊飼いたちよ、語れ」
クリストバル・デ・モラレス(西1500-1553)は、モテトゥスにおいて素晴らしい曲が多い。 すべてに劇的な表現力と抑制の調和が実現されている。なかでも、「より良き生活のうちに」「羊飼いたちよ、語れ」が一層心に滲み込んでくる。 「より良き生活のうちに」は、歌詞が、「人間は,埃から生まれ死して埃に返るにすぎない存在である。」打ち砕かれた謙虚な心こそが人間にふさわしいと悔い改めを求める。「羊飼いたちよ、語れ」は「キリストのご誕生を」と歌うくだりに、えもいわれぬ喜びが感じられる。 このほかのモテ... ...続きを見る

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2017/10/09 07:51
古楽の魅力(19)ジャヌカン  シャンソン「狩の歌」「鳥の歌」「女のおしゃべり」
クレマン・ジャヌカン(仏1485-1558)はフランスの世俗歌謡シャンソンの作曲家であるが、言葉に鳥や動物の擬音や擬態語を取り入れるとともに、市民の日常生活を描写した歌を作り出していて、その独特でダイナミックな音の世界に圧倒される。 「鳥の歌」「狩の歌」など鳥、動物と言葉の混成体が、四声の複雑な音の組み合わせで展開するその技は神がかりでさえある。無条件に面白いし、この時代にこのような優れた労作が数多く作り出されていたことにただただ驚くばかりである。 ...続きを見る

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2017/10/08 07:46
古楽の魅力(18)ニコラ・ゴンベール   モテット「命半ばにわれら死ぬ」世俗歌「兎狩り
ゴンベール(フランドル1495-1560)は、ジョスカン・デ・プレの弟子であり、ジョスカンより不協和音などを積極的に取り入れた複雑なポリフォニを作っている。 モテット「ムーサたちよ嘆け」は、ジョスカンの追悼曲で不協和音などの効果がよく現れている代表例である。 ゴンベールは、自作のモテット「命半ばにわれら死ぬ」をもとに、パロディミサを作っている。 和声の、低音に深みと複雑な音の推移に魅了される。 「命半ば」というのは、「永遠の命」に対する言葉なのであろう。 「罪深いわれらに苦い死を与えな... ...続きを見る

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2017/10/07 07:50
古楽の魅力(17)レリティエル   モテトゥス「ニグラ・スム」
ジャン・レリティエル(仏、伊1480-1552)はジョスカン・デプレの弟子である。 彼のモテトゥス「ニグラ・スム」は、パレストリーナが、それをもとにパロディミサ「ニグラ・スム」として作曲していることから、注目されいるのであるが、レリティエルの素朴な美しさは胸に染み入ってくる。 「ニグラ・スム」は旧約のソロモン雅歌にテキストがあるが、「私は、色が黒いが美しい。だから王に愛されて、ご自分の寝室に導き入れられた。」という元来エロティックな歌詞が、主とマリアの詩に変えられていったもの。聖と俗が融合す... ...続きを見る

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2017/10/06 07:10
古楽の魅力(16)W.コーニッシュ「悲しみにくれて」「ああロビン」(世俗歌:キャロル)
W.コーニッシュ(英1465-1523)ルネッサンス初期のヘンリー8世時代の傑出した作曲家。 このような美しい曲が、この時代になぜ作られたのかと思われるほど印象深い。 特に「ああロビン」は有名で不思議な音がする曲であるが、それに劣らず、「悲しみにくれて」も、十字架に釘付けにされたイエスの受動の極限ともいうべき姿の悲しみを歌っている。 一方、コーニッシュは宗教曲であるモテトゥスも聞き応えのある作品を作っている。 「サルヴェ・レジーナ」「キリストの母なる処女よ、喜べ」など美しい曲があるが、「... ...続きを見る

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2017/10/05 07:42
古楽の魅力(15)ブリュメル 「エレミア哀歌」
アントワーヌ・ブリュメリ(仏1460-1520)は、ジョスカンなどと同世代の作曲家で、北フランス、ジュネーブ、イタリアなどで活躍した人であるが、余り記録もなく良く知られていない。 エレミア哀歌は、なにげない音の流れに、秘めた悲しみが漂うような感動を覚える曲である。 ...続きを見る

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2017/10/04 07:11
古楽の魅力(14)ラ・リュ- 「レクイエム」
ピエール・ド・ラ・リュ-(フランドル1460-1518)は、オブレヒトなどとともにジョスカン・デ・プレの同時代者。 彼の「レクイエム」は、オケゲムのレクイエムに続く古いポリフォニーのレクイエムである。 この曲は、まるで死者を柔らかく包んで雲に乗せて送るような雰囲気がある。 音域が低いので、肉声と器楽の組合わせで演奏されることが多いがそこがまた魅力である。彼の作品中もっとも傑出したものとされているが、聞く人引き込んでゆくような不思議な優しさがある。このほか、モテトゥス「めでたし女王、哀れ... ...続きを見る

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2017/10/03 07:34
古楽の魅力(13)オブレヒト  モテトゥス「祝されたまえり、マリア」「めでたし、十字架よ]」
ヤコブ・オブレヒト(フランドル1450-1505)は、ジョスカン・デ・プレの同時代者で、イザーク、ラ・リューなどとともに活躍。 オランダのユトレヒトでオブレヒトが楽長をしていたとき、高名なユマニストのエラスムスが少年聖歌隊員として歌っていたといわれる。 オブレヒトは平明な作風といわれ、モテトゥス「祝されたまえり、マリア」「めでたし、十字架よ」の2曲は、グレゴリオ聖歌などのプレーンチャントの複数の旋律と歌詞が4声、5声でそれぞれポリフォニックに模倣し合いながら歌われ大変楽しく聞くことが出来る。 ...続きを見る

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2017/10/02 07:10
古楽の魅力(12)イザーク モテトゥス「至高なる羊飼いよ」他
イザーク((フランドル、1450−1517)は、ジョスカン・デ・プレと並び立つ実力派でである。 シャンソンなどのほかに宗教音楽でも「使徒のミサ」や重厚なモテトゥスで聞くものを圧倒する。 モテトゥス「至高なる羊飼いよ」などは、重厚な中にも自然な伸びやかさがある。 また「あなたはまったく美しい」は、ハーモニックな調べの後半、何度もあらわれる沈黙があり、終息に向かい引き潮を聞いているような美しさがある。ほかに、「いとも賢きかの処女が」など。 ...続きを見る

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2017/10/01 08:01
古楽の魅力(10)ジョスカン・デ・プレ  シャンソン「千々の悲しみ」
・デ・プレ(フランドル、1440−1521)のシャンソン「千々の悲しみmille regrets」は、「天正の少年使節」が秀吉の前で演奏トしたとされる曲。 当時スペインなどで流行、神聖ローマ帝国の皇帝カール5世が大変好きだったことから「皇帝の歌」とも言われている。(この曲はモラレス、ゴンベール,ナルバエスなどが編曲している。) この曲とは別にジョスカンには、「わが愛しき人Que vous ma dame」などのシャンソンがある。 グレゴリオ聖歌の一部が定旋律になっているモテゥス・シャンソン... ...続きを見る

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2017/09/29 06:57
古楽の魅力(9)ン・デ・プレ 「オケゲムの死を悼む晩歌」 「アヴェ・マリア」
ジョスカン・デ・プレ(フランドル、1440−1521)は、ルネッサンス音楽の最盛期の大作曲家の一人。 彼の作品のなかで、とくに美しいといわれる作品。 オケゲムの死を悼む曲が、オケゲムを引き継ぐデ・プレによって作られ、このように美しい5声によって歌われ、次世代へと音楽の調和の輪が広がってゆくことに感動する。 歌詞のなかに、次の世代の作曲家、ジョスカン、ブリュメル、ラ・リュー、コンベールの4名が出てくる。 またアヴェ・マリアは、グノーやアルカデルトなど旋律の美しいものが有名だしたくさんあるが... ...続きを見る

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2017/09/28 07:05
古楽の魅力(8) オケゲム 「レクイエム」「けがれなき神の母Intemerat
オケゲム(Johannes Ockeghemフランドル1410頃-1497)のレクイエムは、史上最古のポリフォニー・レクイエムといわれるものである。 中世のあいだは死者のためのミサは、グレゴリオ聖歌によって演奏されてきたが、デュファイやオケゲムによって初めて多声化された(残念ながらデュファイの曲は、残されていない)。 オケゲムの「レクイエム」章のひとつ(トラクトゥス)に詩篇42「鹿が谷川を慕うごとく」が取り入れられている。 「魂は神を慕いあえぐ」「お前の神はどこにいる」など神に見放されてし... ...続きを見る

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2017/09/27 07:19
古楽の魅力(7)ギョーム・デュファイ   シャンソン「ああ,わが悲しみ」
デュファイ(フランドル1400-1474)のシャンソンのなかでは、「もしも私の顔が青いなら」が、同名の彼の代表作のミサにその旋律が使われていることで有名であるが、数あるシャンソンのなかで一際印象的な旋律が、「ああ,わが悲しみ(Helas mon dueil)」である。現代のフォークソングにも通ずる叙情的な旋律は、一人だけのものではく、皆と悲しみを共有する旋律である。 ほかに、「「よい日,よい月、よい年」「新年の日」「もしも私の顔の青いなら」など。 ...続きを見る

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2017/09/26 08:02
古楽の魅力(6)ダンスタブル  モテトゥス「聖霊よ、来たりたまえVeni Sancte Spirit
ジョン・ダンスタブル(英1390-1453)は、中世末期イギリスの最大の作曲家といわれ、大陸とイギリスの和声を融合しルネッサンス音楽誕生をもたらした人と言われている。 この曲は、中世音楽の手法である複雑なイソリズム(旋律を反復する一定の繰り返されるリズムに埋め込む手法)を用いている驚異的なモテトウスである。 二つのグレゴリオ聖歌のVeni Sancte SpiritusとVeni creator Spritusと前者の改編した曲に基づく4声を、反復するリズムにまさに埋め込みながら展開させる。... ...続きを見る

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2017/09/25 07:20
古楽の魅力(5)ギヨーム・ド・マショー  「ダヴィデのホケトゥス 」
ギヨーム・ド・マショー(仏1300-1377)は、ポリフォニーの本格的なミサ曲を最初に作曲した人である。 一人の作曲家がミサの通常文をすべて作曲する「通作ミサ」の最古のものがマショーの「ノートルダム・ミサ」である。古楽の黎明期であるゴシック期は、ノートルダム学派(1160-1250)、アルス・アンティクワ81250-1320)、アルス・ノヴァ1320-1380)の3期間に分けられるが、マショーは、アルス・ノヴァの時代の中心的な作曲である。 マショーは、モテトゥスや世俗曲も作っていて、「ああ... ...続きを見る

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2017/09/24 07:54
古楽の魅力(4)モンセラートの朱い本
スペイン・バルセロナ郊外のモンセラート山の黒い聖母像で知られるモンセラート修道院に伝承される14世紀の朱い写本(1399製作)には、巡礼者たちによって歌い踊られた10曲の歌が残されている。 民謡や賛歌などで、単旋律、2声、4声のポリフォニー歌曲もある。素朴で力強い旋律は大変魅力的である。 「声をそろえていざ歌わん」や「7つの喜び」などの掛け声のようなマリア賛美には、人々の素朴な一体感と喜びが伝わってくる。 「あまねき天の女王」は、時間が止まってしまったような、ゆったりした世界の中で満たされ... ...続きを見る

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2017/09/23 07:51
古楽の魅力(3)中世イギリスの歌  「夏は来たりぬ」「天使がひそかに」ほか
まだ多声音楽の中心がフランスにあった13世紀ころに、作者不詳の「夏は来たりぬ」など6声で輪唱による世俗歌がイギリスに存在していた。 音楽史上奇跡に近いといわれている。 民謡風の素朴なリズムが多声で躍動する。 この頃の数々のマリア賛歌の曲なども素朴で温かい。古楽の魅力は、この頃の民衆的な素朴な歌に原泉がある。「天使がひそかに Angelus ad virginem」はラテン語であるが、その英語版の「ガブリエルは天父から」や、「祝福あれ(Edi be thu)」などの小曲を聞くと至福の喜びを覚... ...続きを見る

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2017/09/22 06:58
古楽の魅力(2) スラヴ典礼音楽 「十字架挙栄祭」「四旬節と復活祭の聖歌」
スラヴ典礼はビザンツ典礼の流れをくむギリシャ正教の典礼である(スラヴ諸国において独自の民族的色彩のもとに発展したビザンツ=スラヴ典礼)。 楽器を使用しない、独特の旋律をつなぎ合わせた旋法という特徴がある。 大地の香りというか、海岸に打ち寄せる静かな波の音を聞くような、豊かでいつまでも聞き入っていたくなるような不思議な典礼音楽である。歌詞は、典礼だから祈りそのものであるが、祈りがこのような素晴らしい音楽のなかで行われることを大変羨ましく思う。 ...続きを見る

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2017/09/21 08:31
古楽の魅力(1) グレゴリオ聖歌、ソールズベリー聖歌
グレゴリオなど聖歌は癒しの音楽といわれるが、何度も聞きたくなる歌というのは必ずしも多くない。繰り返し聞いたり謳いたくなる聖歌を挙げてみる。  (グレゴリオ聖歌)  ◆サルヴェ・レジーナSalve,Regina ◆来たれ,造り主なる聖霊よ Veni Cretator Spiritus ◆過越のいけにえを Victimae paschali laudes ◆シオンよ汝の救い主を讃えよLauda Sion、 ◆われは御身を敬虔にあがめAdoro te devote ◆偉大なる秘蹟Tant... ...続きを見る

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2017/09/20 07:37
古楽つまみ食い(100)バッハ  「フーガの技法」BWV1080
バッハ(独1685-1750)の「フーガの技法」は、一つの主題を複数の声部が追いかけるのであるが、そこには反行、縮小、二重、3重、鏡影、カノンなどさまざまなフーガが展開する。やや衒学的で、感覚に訴える要素を犠牲にしても、対位法の技を極限にまで突き詰めた作品といわれている。18のフーガを詩篇との関連で読み解こうとする試みもある。バッハの音楽には、音楽を超えたロゴスの世界を暗示させるような力があるのは確かだ。 ...続きを見る

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2017/09/19 07:26
古楽つまみ食い(99)バッハ  「音楽の捧げもの」BWV1079
バッハ(独1685-1750)のこの有名な曲は、フリードリッヒ2世がバッハに与えた主題により作曲し王にプレゼントした作品である。魅力はこの主題の旋律。 この一連の作品のなかで、やはり「フルート・トラヴェルソ、ヴァイオリンと通奏低音のためのトリオ・ソナタ」が素晴らしい。 ラルゴ、アレグロに続きアンダンテが始まると、この曲に出会えた喜びを感ずる。 バッハが王の前で即興した「3声のリチェルカーレ」、即興できなかったが後で献呈した「6声のリチェルカーレ」など話題も面白く、曲集としても堪能できる。 ... ...続きを見る

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2017/09/18 07:46
古楽つまみ食い(98)バッハ  「無伴奏チェロ組曲BWV1007-1012」
バッハ(独1685-1750)の「無伴奏チェロ組曲」は、聞けば聞くほど、いつの間にか自分の内面の声を聞いているような気分になってくる。言葉にならない音楽の言葉が語られてゆく。私はその言葉にうなずきながら聞く。 6曲のすべて、前奏曲が、滑り込むように曲にいざなう。第1組曲から第6組曲に至るまで、だんだん深い世界に入ってゆく。スラーが奥へ深く引きつれ、付点のリズムが激しく鼓動する。各組曲の、ブーレ、ガボットが降りてゆく階段の踊り場で、生き生きと躍動する。第6組曲は、音域が一層幅広くなり、言葉になら... ...続きを見る

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2017/09/16 08:17
古楽つまみ食い(97)バッハ  「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータBWV1001
バッハ(独1685-1750)のこの曲は、誰もが一度は心酔する名曲である。 パルティータ第2番のシャコンヌは、深い感動を与えてくれる。 一方、ソナタも素晴らしい。第1番の2楽章フーガの始まりの部分や3楽章のシチリアーノの柔らかな響き、第2番の3楽章アンダンテの美しさ、4楽章アレグロの不思議な響きなど魅力一杯である。また、ソナタ3番は宗教色が強いといわれる。1楽章は鐘の音、2楽章はコラールの祈り。3楽章のメロディとバスの響きが素晴らしい。 ...続きを見る

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2017/09/15 07:08
古楽つまみ食い(96)バッハ  「イタリア協奏曲BWV971」
バッハ(独1685-1750)のこの有名な「イタリア協奏曲」は、いわゆるソロと管弦楽の協奏曲ではなく、2段鍵盤(チェンバロ)による協奏曲的な形式原理を持ったソロ器楽曲である。 ヴィヴァルディなどのイタリアの合奏協奏曲の作曲原理を取り入れていることから「イタリア協奏曲」といわれている。 1楽章:ヘ長調(アレグロ)→2楽章:ニ短調(アンダンテ)→3楽章:へ長調(プレスト)と、緩/急、長/短、強/弱の効果的な組み合わせが、曲の流れを生き生きとさせると共にまとまりのあるものにしている。 特に1楽章... ...続きを見る

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2017/09/14 07:33
古楽つまみ食い(95)バッハ 「半音階的幻想曲とフーガニ短調 BWV903」
この曲はベートーベンもよく研究したといわれる。 幻想曲の急速なパッセージ、大胆な転調、加えて、「語り歌う」レチタティーヴォ、しばし、バッハの他の曲にみられないこのドラマティックな曲に息をのむ。 この即興的な《幻想曲》で表現は、《フーガ》という厳格性に引き継がれ高められ、濃縮される。 ...続きを見る

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2017/09/13 07:22
古楽つまみ食い(94)バッハ 平均律クラヴィーア曲集(2)
24の調による「プレリュードとフーガ」の第2集。第1集に比べ音楽性が豊か。全体的にプレリュードが美しい。優雅さ、快適さ、甘美さなど次々繰り広げられる多彩な曲想に、飽きることはない。なかでも、印象に残る曲は、第4曲嬰ハ短調BWV873、第6曲ニ短調BWV875、第8曲嬰ニ短調BWV877、第9曲ホ長調BWV878、第22曲BWV893変ロ短調など。 第4曲嬰ハ短調BWV873は、大変哀愁に満ちた深い表現で胸にしみわたってくるプレリュード、軽快ではあるが、深い情感を維持したまま進むフーガ。 第6... ...続きを見る

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2017/09/12 07:31
古楽つまみ食い(93)バッハ 平均律クラヴィーア曲集(1)BWV846-869
24の調による「プレリュードとフーガ」。曲集は(1)と(2)があり、(1)は1722年、(2)はその20年後に完成している。(1)で印象に残る曲は、先ずなんといっても第1曲ハ長調BWV846,この曲を基にグノーが「アヴェ・マリア」のメロディをつけて編曲しことで知られる。こうした短い曲では、第13曲嬰ヘ長調BWV858は、:明るく楽しいプレリュードとフーガが快く美しい。 圧巻は次の3曲。 第4曲嬰ハ短調BWV849のプレリュードの冒頭のモチーフが素晴らしい。フーガは堂々とした巨大な構築空間の中... ...続きを見る

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2017/09/11 07:45
古楽つまみ食い(92)バッハ  「パルティータ全曲 」BWV825-830
バッハ(独1685-1750)の鍵盤の組曲には、この「パルティータ」のほか「フランス組曲」「イギリス組曲」などがある。「パルティータ」は、「クラヴィーア練習曲集第1部」として最初に出版され、第2部には「イタりア協奏曲」「フランス序曲」、第3部「オルガン・ミサ曲」、第4部「ゴルトベルグ変奏曲」と続く。 「パルティータ」のなかで、印象深いのは1番と6番。1番は、舞曲のリズムを生かしながら、自然にある調和、変化を音で表現しているような繊細さとともにおおらかさがある。第2曲は、イタリア協奏曲を想起させ... ...続きを見る

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2017/09/10 07:30
古楽つまみ食い(91)バッハ  「フランス組曲 5番BWV816」
バッハ(独1685-1750)の組曲は、このフランス組曲に先立ち「イギリス組曲」がある。「イギリス組曲」は、各曲の冒頭に自由なプレリュードがおかれているが、フランス組曲は、それはなく、舞曲リズムのアルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグを核とした組曲である。バッハは、舞曲リズムから、曲のさまざまな多様性を引き出したといわれている。繊細なリズム感、洗練された音楽表現、自然な音楽といった性格を創り出してきた。 この組曲の、特に有名でもある5番のアルマンドが流れ始めると、その洗練された音楽表現と自... ...続きを見る

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2017/09/09 07:41
古楽つまみ食い(90)バッハ オルガンコラール「深き淵より我汝をよばわる」
オルガンコラール「深き淵より我汝をよばわる」→詩篇130の基づくマルティン・ルターの作詞作曲。 同名のカンタータ第38がある。 詩篇130は罪の深い絶望から神の赦しを乞うという内容。 コラールの単旋律をもとに、深い淵からの重い叫びが響いてくるような荘厳な曲である。 時が生まれ一斉に万象が動き始め伸びてゆ北飼いに絡んでゆく。 そして怒濤のごとく流れゆく ...続きを見る

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2017/09/08 07:12
古楽つまみ食い(89)バッハ 「パッサカリアとフーガハ短調BWV582」
バッハ(独1685-1750)のオルガン曲の中で、「パッサカリアとフーガ」は「トッカータとフーガ」に並んで素晴らしい。 冒頭の低音主題が大変印象的で、この主題の反復と変奏がグイグイと深くて雄大な世界に我々を引き込んでゆく。 ...続きを見る

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2017/09/07 07:41
古楽つまみ食い(88)バッハ 前奏曲とフーガ「ハ短調BWV549]
ペダルの迫力がすごい。エネルギーがほとばしる。フーガはそのエネルギーを秘めに秘めてリズムを刻む。だんだん激しくなってゆく。 ...続きを見る

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2017/09/06 07:13
古楽つまみ食い(87)「聖アン」変ホ長調BWV552
バッハの「クラヴィア練習曲集第3部」の「オルガンミサ曲集」、100小節を越える長大フーガ、主題となっている賛美歌にちなんでマリアの母「聖アン」と呼ばれる。曲は大きく3つに分かれる、トリプルフーガ。神、キリスト、聖霊の三位一体を表していてとも。 ...続きを見る

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2017/09/05 07:38
古楽つまみ食い(86)バッハ オルガン曲「トッカータとフーガ 二短調BWV565」
この曲は、誰でも知っているバッハ(独1685-1750)のオルガン曲の代表作であるが、この曲に触発されてヘルマン・ヘッセが詩を書いている。「バッハのあるトッカータに寄せて」という題がつけられている。 「凝固せる太古の沈黙.....支配する暗黒.....このとき一条の光  雲の裂け目よりほとばしり、光なき虚無の中より 世の深遠をつかむ。..............」     ヘッセは、「バッハのトッカータを聞くと、必ず天地創造のイメージが、しかも光の誕生のイメージが湧いてくるのです。」と言って... ...続きを見る

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2017/09/04 06:59
古楽つまみ食い(85)バッハ オルガン作品「幻想曲とフーガ BWV542」「フーガ BWV578]
バッハの「幻想曲とフーガ BWV542」「フーガ BWV578]は、大フーガ、小フーガといわれている名曲。大フーガ、小フーガという言い方は、BWVの番号が存在しなかったときの名残りのようである。 大フーガのドラマティックで、未踏の空間へグイグイ心をひっぱって行くような展開、そして、目の前に開ける壮大で美しい世界。この音楽の世界は何だろう。すべてが一致結合し価値を認めており充足しあっている。 一方の小フーガは、バランスの取れたまとまった名曲。 ...続きを見る

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2017/09/03 07:54
古楽つまみ食い(84) バッハ  「オルガン独奏のためのトリオソナタBWV525-530」
バッハ(独1685-1750)のこのオルガンのトリオソナタは、3楽章構成で6曲あるが、詩情に満ちた美しい曲ばかりで、どの曲にも惹きつけられる。3人で演奏されるソナタ形式を一人で、右手、左手、両足で3パートを演奏する。それぞれのメロディの自律性を認識し、他のメロディーとの掛け合いを上手く弾きこなす必要があり、かなり高度な演奏技術が要求される。 ソナタ525の冒頭から楽しい豊かな音色で始まり、切なく美しいアダージョ、アレグロでは、軽やかな小さな生き物が飛び交う。ソナタ526のラルゴ、ソナタ527の... ...続きを見る

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2017/09/02 08:26
古楽つまみ食い(83)バッハ     「マタイ受難曲」
バッハ(独1685-1750)の「マタイ受難曲」は、「ヨハネ受難曲」が「初めに言あり、言は神であった」という福音書の前提を踏まえているため、神の支配、栄光が強調されるが、「マタイ受難曲」の方は、イエスの人間的実存の面から展開されているため、イエスの人間としての苦悩などが多くの場面で描写される。ユダの裏切りへの厳しいことば、イエスの苦悩を理解しない弟子への落胆、「我が神、どうして私をお捨てになるのか」という神への信の確認など、きわめてドラマティックな展開を見せる。「ああ、血にまみれ傷ついた御頭よ」... ...続きを見る

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2017/09/01 07:18
古楽つまみ食い(82)バッハ モテット3番BWV227「イエスよ、私の喜びよJesu,meine F
バッハのモテットは6曲あるが、いずれも、聖書の聖句や宗教詩、コラールなどのテキストを音楽化したもので、祈りの音楽である。中でも3番「イエスよ、私の喜びよJesu,meine Freude」は、同名のコラールをベースに、それを効果的に生かした素晴らしい作品である。テキストも、イエスに寄り添うことで、死、罪、傲慢、虚栄、富、名誉と戦うといった素朴な内容で、心の安らぎを求める祈り、信仰、霊の勝利を歌う。変奏が多彩で、テキストの内容が音楽となって深化してゆく不思議な一曲である。 ...続きを見る

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2017/08/31 07:43
古楽つまみ食い(81)バッハ  カンタータ第182番 「天の王よ、汝を迎えまつらん」BWV182
イエスはユダヤ各地で伝道して多くの信者・弟子を得た後、首都エルサレムに入り、やがて十字架にかけられるが、このエルサレム入城を「枝の日曜日」とし、その週の金曜日が受難日、次の日曜日が復活祭となる。第182番 「天の王よ、汝を迎えまつらん」は、このエルサレム入城の時のカンタータである。最初のソナタは、ヴァイオリンとリコーダーによる素朴でのどかな音楽。「ロバに乗って」という場面を想像させる。なんといってもこの曲の要は、5曲目のアルトによるアリアであろう。リコーダーのオブリガートが、やがてやって来る受難... ...続きを見る

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2017/08/30 07:40
古楽つまみ食い(80)バッハ  カンタータ106番 「神の時こそいと良き日」
J.S.バッハ(独1685-1750)のこの曲は、「哀悼行事用」呼ばれる葬送用のカンタータである。リコーダー、ビオラ・ダ・ガンバの柔らかい美しい前奏で始まる。死の人間のジメジメしたやりきれなさが、どこかへ吹っ飛んでしまうような独特の響きがある。旧約の、避けられない掟としての死を歌うバス、その後、やさしいソプラノが「主イエスよ来たりたまえ」と救済の手を差し伸べる。直後のアリアとガンバの伴奏がとりわけ美しく感動的だ。終章もリコーダー、ガンバが効果的にコラールを締めくくり、これらの楽器の魅力を再認識... ...続きを見る

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2017/08/29 07:29
古楽つまみ食い(79)バッハ カンタータ第82番「われは足れり」BWV82
バッハ(独1685-1750)のバス独唱の名曲として知られる。ルカによる福音書にある、救い主としての幼児イエスに出会い心満たされて死に赴くシメオン老人の物語で、シメオンを「私」として歌います。”私はもう結構。正しい人たちの希望である救い主をこの腕に抱きしめたのだ。私は今日のうちにもこの世を去りたい。”と。誕生した孫かひ孫を抱き上げる老人のような、深い限りなくやさしい喜びと気持ちが重なり、心が安らぐ名曲である。 ...続きを見る

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2017/08/28 07:18
古楽つまみ食い(78)バッハ  カンタータ4「キリストは死の縄目につながれたり」
ルターが、グレゴリオ聖歌「過越のいけにえを」Victimae paschali laudesの旋律を改編してコラール「キリストは死の縄目につながれたり」を作り、そのコラールをもとにバッハがカンタータ4番とする。 このカンタータ「キリストは死の縄目につながれたりBWV4」は、死と生命が戦い、生命が死を呑みつくすという緊迫感のあるクライマックスがあるが、 音楽としては、 その前の、罪ゆえに死に囚われる人間の絶望を歌う ソプラノとアルトの2重唱の第2変奏「死に打ち勝てる者絶えてなかりき」(De... ...続きを見る

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2017/08/27 08:07
古楽つまみ食い(77)ペルゴレージ    「スタ-バト・マーテル」
ジョヴァンニ・バティスタ・ペルゴレージ(伊 1710-1736 後期バロックのオペラ作曲家)は、バッハより25年後の世代だが、26歳の若さで亡くなっているため、彼より早く世を去っている。 「スタ-バト・マーテル(悲しみの聖母)」は、グレゴリオ聖歌のひとつで、十字架のイエスの足元でマリアがわが子を嘆く悲痛な詩である。 グレゴリオ聖歌は、やや単調な歌であるが、ペルコレージのこの歌は、悲しみの中に明るさもあり、まことに美しい。パレストリーナも美しい「スタ-バト・マーテル」を作っているが、ペルゴレ... ...続きを見る

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2017/08/26 08:19
古楽つまみ食い(76)ガルッピ  チェンバロ「ソナタ5番ハ長調」
バルダッサーレ・ガルッピ(伊1706-1785)は、後期バロック期のオペラの作曲家であるが、大変魅力的なチェンバロのソナタを残している。チェンバロ「ソナタ5番ハ長調」は、ミケランジェリのピアノ演奏で有名になったが、曲の鳴りはじめた瞬間からその旋律に引き込まれてしまう。 この美しいチャーミングな旋律は、ミケランジェリのピアノ演奏で聞くと、もはやバロックではなく、モーツアルトなどに近いが、チェンバロの演奏は、もっと素朴で別な味わいがある。 ...続きを見る

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2017/08/25 07:02
古楽つまみ食い(75)ルクレール  「ヴァイオリンソナタ」第4巻作品9−10
ジャン・マリ・ルクレール(仏1694-1764)は、「フランスのコレッリ」と呼ばれている。 ラモー(仏1683-1764)と同世代のルイ15世時代のヴェルサイユ学派で、ヴァイオリンをコレッリの高弟に師事している。彼の華麗で繊細な音楽は、音楽と舞踊の結びつきから来ている。彼はイタリアで若き頃舞踊手でもあった。「ヴァイオリンソナタ」1巻から4巻まで48曲を作っているが、すべての「ヴァイオリンソナタ」に舞曲風のステップが刻まれ、優雅で美しい。第3巻作品5−7などは、タルティーニの「悪魔のトリオ」を思... ...続きを見る

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2017/08/24 07:47
古楽つまみ食い(74)ヘンデル ハープシコード組曲
ヘンデル(英1685-1759)のハープシコードの作品には、魅力的な曲が多い。 ヘンデル自身、ドメニコ・スカルラッティとハープシコードの腕試しをした逸話があるほどの名手である。 「調子のよい鍛冶屋(組曲第5番)」は、もっとも有名でありいつ聞いても楽しくさせてくれる曲である。この原曲は「シャコンヌ ト長調」の主題と変奏にある。 ヘンデルは、ハープシコードにおいて霊感を得た音楽を伝えようとしたといわれるが、彼のリズムや音の展開には湧き出る泉のように心の乾きを潤してくれるものがある。 ... ...続きを見る

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2017/08/22 07:30
古楽つまみ食い(73)ヘンデル  「リコーダソナタ」
ヘンデル(英1685-1759)の作品のなかで、「リコーダソナタ」は、多くの人に愛されている。 リコーダを吹くアマチュアにもプロにも。 曲が明るく、気持ちを平和な調和の世界に整えてゆく。とにかく旋律に無理がなく単純で質素なのであるが、内実が豊かで聞き手の心を満たしてくれる。 ソナタハ長調、イ短調、変ロ長調をはじめ、トリオソナタなどもより豊かな表現力を伴って、リコーダと通奏低音の、他の楽器にはない魅力的な雰囲気に浸ることが出来る ...続きを見る

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2017/08/21 07:48
古楽つまみ食い(72)ヘンデル  詩篇歌「主はいわれたDixit Dominus」
詩篇110番「主はいわれたDixit Dominus」は、ダビデの詩による賛歌であり、マタイ福音書でイエスがこの言葉を語っている。 「主はいわれた。”私の右の座に着きなさい。わたしがあなたの敵をあなたの足元に屈服させるときまで”と」。イエスが現世におりて人となり、受難して再び昇天するするまでの間の、イエスに対する神の言葉としてとらえられている。この詩篇歌で、ヘンデル(英1685−1759)に勝るものはないであろう。出だしの畳み掛けるようなリズムにすっかり魅了されてしまう ...続きを見る

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2017/08/20 07:36
古楽つまみ食い(71)D. スカルラッティ  「ソナタ集」
ドメニコ・スカルラッティ(伊1685-1757)は、ヘンデルとチェンバロの腕試しをした逸話がある名手であり、「555のソナタ」を残している。 バッハ、ヘンデルと同じ年の生まれである。 彼のソナタは、フラメンコの踊りやギターの音楽を思わせる音型、両手の激しい対話、憂愁を漂わせる響きなど多彩であり、飽きさせない魅力たっぷりの曲集である。 特にK132ハ長調,K501ハ長調などが印象深い。 ...続きを見る

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2017/08/19 08:26
古楽つまみ食い(70)ラモー  「クラブサン集」
ジャン・フィリップ・ラモー(仏1683-1764)は、ジャン・ジャック・ルソー時代のオルガニスト、作曲家、音楽理論家でもある。「クラブサン集」には、「第1」、「第2」、「新」と3集あるが、いずれのどの曲も聴く人を退屈させない。 舞曲がベースになっていることや標題音楽などが楽しさを増す。 すべてが空気のようであり、さわやかな風が耳元を駆け抜けてゆく。 特に第2集の、標題音楽の「小鳥たちの集合ラッパ」「リゴドン」「タンブラン」「恋のくりごと」「ソローニュのお人好し」、新曲集の「ガボットとドウ... ...続きを見る

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2017/08/17 07:28
古楽つまみ食い(69)テレマン  「リコーダ協奏曲」
テレマン(独1681-1767)といえば、同時代のバッハやヘンデルより当時は、人気と名声があった人である。 代表作は、「ターフェルムジーク(食卓の音楽)」。さまざまな楽器を魅力的に鳴らし質の高い作品を大量に作り出しているのだが、ここで取り上げるのは「リコーダ協奏曲」。 バロック時代は、ヴィルトゥオーゾ楽器としてリコーダが人気があったが、テレマンのリコーダ作品を聞くと、リコーダの魅力が最大限に引き出され精気がみなぎっている。ハ長調、ホ短調、ヘ長調、組曲イ短調など傑作が多い。中でもホ短調は、リコ... ...続きを見る

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2017/08/16 08:07
古楽つまみ食い(68)ヴィヴァルディ   「調和の霊感」
ヴィヴァルディ(伊1678-1741)の「調和の霊感」は12の協奏曲からなり、「四季」と並ぶもっとも有名な曲である。 彼は「赤毛の神父」の愛称を持つ神父で、孤児院付属の女子音楽院の教師として活躍し、この音楽院の演奏のために多くの作品が書かれたいわれている。 子供から大人まで音楽の調和の喜びに導くような明るさがあるのもそんなところから来るのかもしれない。 6番の独奏ヴァイオリンの曲が、ヴァイオリンを学ぶ子供の教則本に載っていて、この曲をより親しみのあるものにしている。このほか、5番、8番、9... ...続きを見る

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2017/08/15 07:37
古楽つまみ食い(67)ヴィヴァルディ   「スタバトマーテル」
ヴィヴァルディ(伊1678-1741)といえば「四季」があまりにも有名だが、宗教曲においてもすばらしいものがある。 彼は、もともと司祭でもあった。宗教曲といっても、劇音楽に興味を持っていたヴィヴァルディは、宗教的独唱とシンフォニア的なコンチェルトの組み合わせで作られている。 「スタバトマーテル(悲しみの聖母)」は、ペルコレージ、パレストリーナなど多くの作品があるが、ヴィヴァルディの場合も、十字架上のわが子に対し「人として泣かぬものがあろうか」という言い知れぬ悲しみに打ち崩れながらも、苦しみに... ...続きを見る

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2017/08/14 08:02
古楽つまみ食い(66)クープラン クラブサン曲「恋する夜うぐいす」「神秘な障壁」他
フランソワ クープラン(仏1668-1733)は、ラモー(仏1683-1764)とともに、フランスクラブサン学派の巨匠の一人。クープランの作品の標題に伴う情景描写が極めて印象的である。 たとえば「恋する夜うぐいす」「神秘な障壁」「修道女モニク」などの小曲をきくと、爽やかなイメージの詩のアニメ動画を見ているような錯覚を覚える。 特に響きを消した音を効果的に使った和声の展開が印象的である ...続きを見る

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2017/08/13 07:36
古楽つまみ食い(65)ヨハン・クリストフ・ペーツ  「パストラール協奏曲 ヘ長調」
パストラーレ(キリスト降誕の夜、牧童が笛を吹いたという聖書に基づき田園情緒を描こうとする)については、コレッリで紹介したが、ドイツの作曲家ヨハン・クリストフ・ペーツ(独Johann Christoph Pez 1664-1716)のパストラール協奏曲ヘ長調も素晴らしい。 ドイツ人であるが、イタリアでコレッリに学び、フランスのリュリなどの影響も受けている。 弦楽に2本のリコーダーが加わり、牧歌的な雰囲気を出している ...続きを見る

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2017/08/12 07:52
古楽つまみ食い(64)ジュゼッペ・ヤッキーニ  チェロソナタ
ジュゼッペ・ヤッキーニ(Giuseppe Maria Jacchini伊1663-1727)は、チェロの黎明期のチェロ奏者で作曲家、ドメニコ・ガブリエル(伊1659-1690)に師事したといわれる。いくつかのチェロソナタが素朴で、哀愁を帯びた旋律が親しみやすい。また舞踏的なリズムの楽しさも魅力的だ。「ソナタ・ハ長調」、「ソナタ・イ短調」、「ソナタ・ト長調」などチェロならではの魅力が生かされ、いずれも飽きさせない。 ...続きを見る

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2017/08/11 07:57
古楽つまみ食い(63)ドメニコ・ガブリエル  「ソナタ ト短調」「ソナタ イ長調」
ドメニコ・ガブリエル(伊1659-1690)は、バロック時代の作曲家でチェリスト。 「チェロのドミニカ」といわれていたようで、チェロの作品が面白い。 なかでも「ソナタ ト短調」「ソナタ イ長調」が印象に残る。ト短調は、のびやかで語りかけるように歌う、何か思い出が詰まった話をするような。 イ長調は、切なく美しい旋律と、軽快なリズムとが交互に展開し、緩急のチェロの魅力を味わうことができる。 ...続きを見る

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2017/08/10 07:52
古楽つまみ食い(62)パーセル  ファンタジア「第5番、インノミネ」「 ソナタ6番」
パーセル(英1659-1695)は、バロック時代の英国の大作曲家で、彼の「ファンタジア」には不思議な魅力がある。ファンタジアというのは、声楽曲で培われたポリフォニー技法を器楽曲に転用したもので、器楽曲が独自の道を始めた時の音楽である。テキストなしで思うままに旋律を作り出し独自の発想で練り上げてゆく。「声と言葉」から開放された斬新さ、音そのものの喜びのようなものを感じさせる。ファンタジアのどの曲も素晴らしいが、第5番とインノミネの2曲は何度も繰り返して聞きたくなる曲である。「インノミネ」はジョン・... ...続きを見る

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2017/08/09 07:27
古楽つまみ食い(61) パーセル 「組曲6番」「ラウンド0」「グラウンド」
ヘンリー・パーセル(英1659-1695)は、彼にはいくつかの優れたハープシコードの作品がある。 ちょっとしゃれた感じの「組曲6番」、哀愁を感じさせる「グラウンド」そしてブリテンの「青少年管弦楽入門」の主題にになっている「ラウンド0」など。 「ラウンド0」は、劇付随音楽のアブデラザールの中の第2曲「ロンドー」からきている。音そのものの喜びのようなものを感じさせるパーセル独特の自由奔放な世界がある。 ...続きを見る

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2017/08/08 07:47
古楽つまみ食い(60) マラン・マレ  ヴィオール曲「聖ジュヌヴィエーヴ教会の鐘の音」
マラン・マレ(仏1656-1728)は、ルイ14世に仕えたヴィオール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)奏者であり作曲家である。 マラン・マレについて書かれた小説に、パスカル・キニャールという人の「めぐり逢う朝」がある。 マレの師コロンブとの共感、葛藤を描いたものであるが、この中で「音楽とは言葉では語れぬことを語るためにある。」「死者に残しておく一杯の水のため、、、、生まれる前の命のために。息もせず、光もなかった頃のために」といった師弟の会話があり、音楽の根源を考えさせる。 「聖ジュヌヴィエーヴ教会の... ...続きを見る

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2017/08/07 07:48
古楽つまみ食い(59) パッヘルベル  オルガン作品集
パッヘルベル(独1653-1706)については、ブクステフーデとともにバッハに影響を与えたといわれるように、オルガン作品集に数々の傑作がある。 アポロの6弦琴、プレリュードニ短調、シャコンヌへ短調、ニ短調、リチュルカーレハ短調、さらにルターのコラールにより変奏曲「God the Father dwells with us」など。 プレリュードニ短調は、バッハを想起させる迫力のある曲想、 シャコンヌへ短調、ニ短調は聞く者の心をとらえて離さない。 リチュルカーレハ短調は、不思議な半音階に引... ...続きを見る

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2017/08/06 08:07
古楽つまみ食い(58) パッヘルベル  器楽アンサンブル「音楽の楽しみ」
ヨハン・パッヘルベル(独1653-1706)は、「カノンとジーグ」で有名であるが、バッハの父アンブロジウスと交流のあったオルガニストで、ブクステフーデなどともにバッハに影響を残した人である。 彼は、オルガン曲だけでなく、器楽アンサンブルの作品を書いた。 「音楽の楽しみ」もその一つで、宮廷での「食卓音楽」として演奏された「6 曲のパルティータ」からなる小アンサンブル作品である。「カノン」や5声、4声のパルティータなどとともに、題名どおり[音楽の楽しみ]を味わうことが出来る。4番ホ短調など特に素... ...続きを見る

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2017/08/05 07:47
古楽つまみ食い(57) ゲオルク ムファット  「シャコンヌ ト長調」(「調和の捧げ物」組曲
ドイツのプロテスタントのオルガン音楽において、バッハの先輩たちにブクステフーデやパッヘルベルなどがいるが、その当時の一人、ゲオルク ムファット(Georg Muffat独1653-1704)は南ドイツ オーストリアのカトリック系オルガン音楽を代表する作曲家である。 パリでリュリに、ローマでコレッリに学んでいる。ビーバーとも交流があり、ムッファトは汎ヨーロッパ的な人生を送っている。 この頃のトッカータ、パッサカリア、シャコンヌなどはフランス、イタリアの影響を強く受けている。 シャコンヌは、舞... ...続きを見る

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2017/08/04 07:46
古楽つまみ食い(56) ビーバー  「ロザリオソナタ」
ハインリヒ・イグナツ・フランツ・ビーバー(チュコ1644-1704)は、17世紀屈指のヴァイオリンのヴィルトゥオーソ・作曲家」といわれる。 ザルツブルグの宮廷礼拝堂楽長を務めていたこともあり、「教会あるいは宮廷用ソナタ」「ロザリオのソナタ」「レクイエム」など宗教的な色彩の強いヴァイオリンソナタがある一方、「描写的なヴァイオリンソナタ」など、鳥や動物、戦いなどを描写した標題音楽なども作曲している。 マリアを主題とした「ロザリオのソナタ」は、パッサカリアやソナタ6番など高度の技法と深みのあるヴァ... ...続きを見る

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2017/08/03 07:21
古楽つまみ食い(55)シャルパンティエ     「真夜中のミサ」
マルカントワーヌ・シャルパンティエ(仏1643-1704)は、バッハより少し前のフランスの作曲家で、この「真夜中のミサ」は、クリスマス前夜の真夜中の曲。 当時、フランスで広く歌われていたノエル(クリスマスの歌)が、ミサ曲として仕立てられている。 合唱と器楽合奏で作られ、素朴な笛の音は牧歌的な雰囲気を出している。出だしのキリエを聴いた途端、その美しい安らぎのメロディに魅了されてしまう。 バッハの「マタイ受難曲」のコラールなどの響きとも違って、もっとフランス的な明るい美しさがある。いつまでもこ... ...続きを見る

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2017/08/02 07:47
古楽つまみ食い(54)ブクステフーデ オルガン作品「前奏曲 ト短調149」
ブクステフーデブクステフーデ(独1637−1707)のオルガン作品は、前奏曲やフーガに優れた作品が多い。 特に「前奏曲 ト短調149」「フーガ ハ長調174」のこの2曲は、特に印象に残る作品である。 前奏曲 ト長調149」は、冒頭、大自然の鼓動を思わせる重厚な低音の旋律で始まり、深い世界へと我々を引き込んでゆく。芸術性の高い名作である。「フーガ ハ長調174」は、ジーグ舞曲のリズムによる可愛らしいブーガ。 断片的な小曲であるが、大変美しい。 ...続きを見る

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2017/08/01 07:43
古楽つまみ食い(53)ブクステフーデ  オルガン・コラール「いかに美しきかな暁の明星 
ブクステフーデ(独1637−1707)については、パッサカリアのような壮大なオルガン曲の一方で、オルガンコラールの作品群は、素朴で美しい魅力がある。 「いかに美しきかな暁の明星は(BuxWV223)」「われ汝を呼ぶ、主イエス・キリスト(BuxWV196)」「甘き喜びのうちに(BuxWV197)」「来たれ聖霊、主なる神(BuxWV199)」「今我ら聖霊に願い奉る(BuxWV208)」など。 バッハやパッペルベルなども同様にコラールに基づくオルガン曲を作っているが、ルター派のコラールの旋律には素... ...続きを見る

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2017/07/31 07:41
古楽つまみ食い(52)ブクステフーデ   オルガン曲「パッサカリア ニ短調」
ブクステフーデ(1637−1707)は,J.S.バッハ以前のドイツにおいて最大の教会音楽の作曲家といわれる人で、バッハに多大な影響を与えている。 ブクステフーデのオルガン曲には、プレリュード、トッカータなど沢山あるが、コラールやパッサカリアなどが、素朴で柔らかく聞く人の心に語りかけてきて印象的である。 特にパッサカリアニ短調は、ヘッセの小説「デミアン」の中で、「古いオルガン音楽のえり抜きの曲」で「この異様な深い沈潜的な、自分自身に聞き入っているような音楽に浸った。 それはいつ聞いても快く... ...続きを見る

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2017/07/30 08:20
古楽つまみ食い(51)フローベルガー 「トッカータ第11番(聖体奉挙のために)」他
フローベルガー(独1616-1667)については、組曲など標題音楽について取り上げたが、その中で「フローベルガーは、ヘルマン・ヘッセの小説「ガラス玉遊戯」の中で、主人公クネヒトが初めて出会う音楽名人のイメージとして取り上げられている。」と書いた。 ヘッセのフローベルガーへの思いは、標題音楽ではなく、ブクステフーデやバッハへ連なる荘重な鍵盤音楽のイメージを持っていたのではないかと思う。 彼の重厚さをイメージする音楽は、トッカータ、リチェルカーレ、カンツオーナ、ファンタジア、カプリッチョなどの作... ...続きを見る

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2017/07/29 07:46
古楽つまみ食い(50)シュッツ 「音楽による葬送」
ハインリッヒ・シュッツ(独1585-1672)は、17世紀のドイツ音楽を確立した人でドイツ音楽の父と言われている。 大バッハ誕生100年前に生まれている。 受難曲やモテットを多く作曲している。「音楽による葬送」は、シュッツの領主であった伯爵に依頼されて作曲した埋葬儀式のための教会音楽で、ドイツレクイエムの最初の作品である。 この曲は、「裸で私は母の胎からでた。裸でまた、そこへ帰ってゆこう」という歌詞で始まり一貫して「主よ私はあなたを離しません。私を祝福して下さるまで」と死に打ち勝つ恵みを求... ...続きを見る

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2017/07/28 06:53
古楽つまみ食い(49)シュッツ 「音楽による葬送」
ハインリッヒ・シュッツ(独1585-1672)は、17世紀のドイツ音楽を確立した人でドイツ音楽の父と言われている。 大バッハ誕生100年前に生まれている。 受難曲やモテットを多く作曲している。「音楽による葬送」は、シュッツの領主であった伯爵に依頼されて作曲した埋葬儀式のための教会音楽で、ドイツレクイエムの最初の作品である。 この曲は、「裸で私は母の胎からでた。裸でまた、そこへ帰ってゆこう」という歌詞で始まり一貫して「主よ私はあなたを離しません。私を祝福して下さるまで」と死に打ち勝つ恵みを求... ...続きを見る

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2017/07/27 08:03
古楽つまみ食い(48)フレスコバルディ 「フィオーリ・ムジカーリ(音楽の花束)」
ジローラモ・フレスコバルディ(伊1583-1643)は、声楽界におけるモンテヴェルディと並んで、初期バロックの鍵盤楽器の最大の作曲家である。ローマのサン・ピエトロ寺院のオルガニストであり、聖歌に代わる典礼用のオルガン曲などを作曲し、弟子のフローベルガー(独1616-1667)を通して、ブクステフーデやバッハなどドイツのオルガン音楽に至る道を敷いたといわれる。後のバッハなどにも影響を与えている。 その「オルガン・ミサ」の代表作が「フィオーリ・ムジカーリ(音楽の花束)」である。トッカータ、キリエ、... ...続きを見る

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2017/07/26 08:31
古楽つまみ食い(47)ジョン・ウイルビー  イングリッシュ・マドリガル「甘き蜜吸うハチたち
ジョン ウイルビー(Jhon Wilbye 英1575-1638)は、 ルネッサンス音楽末期のイングリッシュ・マドリガルの作曲家。 イングリッシュ・マドリガルは、トーマス・モーリ(Thomas英1557-16029) をはじめジョン・ウイルビー、トーマス・ウィールクス(Thomas Weelkes英1576-1623)などエリザベス朝時代の宮廷作曲家達によって、イタリアの形式を真似て作られたが、イタリア程複雑で無く、英語にあったイギリス独自のものに発達させていて、多声だが和声を主体にした曲が多... ...続きを見る

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2017/07/25 07:37
古楽つまみ食い(46)M.プレトリウス 教会音楽「シオンのミューズたち」
ミヒャエル プレトリウス(独1571-1621)は、ドイツプロテスタントのコラールや賛美歌を編曲をした人として重要な作曲家である。 主要な作品は、教会音楽「シオンのミューズたち」と理論書「音楽大全」などである。ドイツでは、10年年上のハスラー、10年年下のシュッツ、シャイトなどと、また、イタリアのガブリエルなどとも交流があり、ドイツプロテスタントのコラールの展開とともに、教会コンチェルトの様式をドイツにもたらしている。 「シオンのミューズたち」では「マニフィカト」、「コラール」、モテット「来... ...続きを見る

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2017/07/24 07:56
古楽つまみ食い(45)モンテヴェルディ マドリガーレ集:「アリアンナの嘆き」ほか
モンテヴェルディ(伊1567-1643)は多くの優れたマドリガーレを残している。ヴェネチアのサンマルコ大聖堂の楽長を努め宗教曲を作曲する傍ら、いわばオフタイムにマドリガーレを作曲。ジェズアルドとともに代表的なマドリガーレ作者である。 モンテヴェルディは、マドリガーレ集を1〜8巻まで作曲し、後半の5巻あたりから、マドリガーレを通奏低音つきの独唱歌曲に変化させ、この分野でのバロック音楽を確立したといわれている。「こうして死にたいもの」(4巻)「私の魂は」(5巻)→「あなたを愛しています、私の生命よ... ...続きを見る

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2017/07/23 07:44
古楽つまみ食い(44)モンテヴェルディ [マニフィカト]他
モンテヴェルディ(伊1567-1643)は、バロック期初期の巨人である。 聖務日課用の大作「聖母マリアの夕べの祈り」が有名であるが、この中でも、その終曲であるマニフィカトが美しい。マニフィカトは2種類作曲されていて、ひとつは7声の合唱と器楽によるもの,もうひとつは6声の合唱と通奏低音だけのものである。この後半の通奏低音だけのものが、とりわけ美しい。 マニフィカトというのは、「賛美する」という意味であるが、受胎告知を受けたマリアが神を賛美する歌である。 「主は、この賤しい主の卑女(はしため)... ...続きを見る

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2017/07/22 07:43
古楽つまみ食い(43)ドゥアルテ・ロボ  「レクイエム」
ドゥアルテ・ロボ(ポルトガル(1565-1646)は、ヴィクトリア(西1548-1611)の影響下にあった隣国ポルトガルにおけるポリフォニーの第一人者である。 彼の「レクイエム」はヴィクトリアの「死者のためのミサ曲」に劣らず、まことに美しい。 彼らは、日本にキリスト教が伝えられた頃の作曲家である。当時、日本人の間でキリスト教が、急速に広まったのは、キリスト教の死者に対する丁寧な扱いがあったことが要因のひとつにあげられている。 信長、秀吉の頃、セミナリオ(神学校)を通して宗教音楽などが... ...続きを見る

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2017/07/21 07:34
古楽つまみ食い(42)ダウランド  リュート曲「涙のパバーヌ
ン・ダウランド(1563-1626)は、バードともに英国におけるルネッサンス音楽の代表的作曲家である。 主にリュート曲が中心。とりわけ有名なのが、「涙のパヴァーヌ(Lacrimae)」で、世俗歌「Flow my tears(流れよ我が涙)」を器楽用に作曲したもの。 ダウランドのリュートの曲には、「ダウランドの涙」「常にダウランド、常に悲しき」など「つねに悲しむ」をモットーとする作曲家である。 人間は、基本的に孤独であり、常に悲しい存在である。ダウランドの曲は、そんな人間の常態を、「爽やかな... ...続きを見る

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2017/07/20 08:07
古楽つまみ食い(41)スヴェーリンク オルガン曲「われ汝を呼ぶ、主イエス・キリスト」他
ヤン・ピーテルスゾン・スヴェーリンク(蘭1562-1621)は、17世紀初頭のオランダのアムステルダムの旧教会のオルガニストで、即興の名手とし、北ヨーロッパにその名を知られていた作曲家。 バロック鍵盤音楽の書法を開発し、その後展開するドイツオルガン音楽に大きな影響を与えている。 彼の門下生にドイツのシャイトやシャイデマンなどがいて彼らがドイツでオルガン音楽の種まき役をした。 「われ汝を呼ぶ、主イエス・キリスト」はコラールの4つの変奏曲で、定旋律のコラールが音域の変化、対位法、フーガなどへと... ...続きを見る

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2017/07/19 07:23
古楽つまみ食い(40)ジェズアルド 「ミゼレーレ」
カルロ・ジェズアルド(伊1560-1613)は、モンテヴェルディと並ぶイタルア・マドリガーレの代表的作曲家。 妻と愛人を殺害した痛苦の人生を送った人のようである。 ミゼレーレMiserereというのは、部下を戦場に送りその妻を奪うという卑劣な罪を犯したダビデの悔い改めが素材になっている詩篇51篇によるが、苦渋の生涯を送ったジェズアルドにも特別な思いが込められているのかもしれない。ジェズアルドの「ミゼレーレ」には大変魅力的な深い響きがある。 ...続きを見る

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2017/07/18 07:35
古楽つまみ食い(39)マレンツィオ  マドリガーレ「露に濡れた夜明け前に」他
ルーカ・マレンツィオ(伊1553-1599)は、ルネッサンス末期のイタリアの作曲家でマドリガーレの大家として知られる。 マドリガーレは、16世紀初頭からイタリアで現われた形式で、自由詩にあわせたメロディがポリフォニーで作られる。 ヴィラールト、ローレ、ジェズアルド、モンテヴェルディなどとともに代表的作曲家の一人。 イタリアの貴族社会の社交的芸術として栄え、ペトラルカ、タッソー、サンナローザなど、優れた詩人の詩をメロディー化しており、マレンツィオのドリガーレは大変、質のよい優れた曲が多い。 ... ...続きを見る

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2017/07/17 08:07
古楽つまみ食い(38)トマス・モーリ  マドリガル「蕾にさえも悲しみは」他
トマス・モーリ(Thomas Morley英1557-16029) は、ジョン ウイルビー(Jhon Wilbye 英1575-1638)、トーマス・ウィールクス(Thomas Weelkes英1576-1623)とともに ルネッサンス音楽末期のイングリッシュ・マドリガルの作曲家として、なかでもモーリは主導的な立場にあった人である。 モーリスの場合は、当時のイタリア・マドリガルを範として作曲しているが、「今や五月」「蕾にさえも悲しみは」「4月は愛しい人のおもざし」「やさしいニンフが君の恋人を」... ...続きを見る

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2017/07/16 07:52
古楽つまみ食い(37)G.アッレーグリ    「ミゼレーレ」
アッレーグリ(伊1552-1652)「ミゼレーレ」は、パレストリーナの「教皇マルチェルス」とともにヴァチカンのシスティーナ礼拝堂に鳴り響いていたといわれ、その典礼でしか聞くことのできない秘曲だったそうである。 その秘曲を、ローマを訪れたモーツアルトが一度聞いただけで全曲書き写してしまったというエピソードがある。 天井の高い教会に、下から駆け上がって行く声が同時に上から降り注いでくるような極度な高音が繰り返される。 ミゼレーレMiserereというのは、部下を戦場に送りその妻を奪うという卑劣... ...続きを見る

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2017/07/15 07:47
古楽つまみ食い(36)ジョバンニ・ガブリエリ   カンツォーナとソナタ
ジョバンニ・ガブリエル(伊1553-1612)は、ルネッサンスからバロックへの過渡期に、分割合唱、通奏低音などによる作曲をした人。 聖マルコ寺院における宗教曲集「サクラ・シンフォニア集1,2」が、当時のドイツのハスラー、シュッツ、M.プレトリウスなどへ影響を与え、初期バロックのドイツへの移植を促した。 分割合唱様式は、半世紀前の聖マルコ寺院楽長であったヴィラールト開拓したヴェネツィア楽派の特徴であるが、ガブリエリにおいては、楽器、声楽を高度に配置した作曲が特徴。 「サクラ・シンフォニア集2... ...続きを見る

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2017/07/14 07:30
古楽つまみ食い(35) レヒナー  モテト「もし主の御手から恵みを得るならば」 ハスラー モテト「主
レヒナー(独1550-1606) ハスラー(独1562-1612)はルネッサンスからバロック移行期のドイツの重要な作曲家である。ルネッサンス期は、音楽の後進国だったドイツが、ルターの宗教改革とともに新たな歩みを始めた。ルターは<万人司祭>の理念から母国語によるコラールを誕生させた。以来、ルター→ラッスス→レヒナー→ハスラー→シュッツ→バッハへとプロテスタント音楽は台頭してゆく。 レヒナーのモテト「もし主の御手から恵みを得るならば」は、胸にずんと染み入ってくるような美しさがある。 歌詞の中に「... ...続きを見る

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2017/07/13 07:37
古楽つまみ食い(34) ヴィクトリア レクツイオ「我が心は生活に疲れたり」 他
ヴィクトリア(西1548-1611)のレクツイオ「我が心は生活に疲れたり」は、ヨブ記10章1−7節から歌詞が採られている。 義人で道徳的な完全主義者であるヨブが、神から「いわれなき受難」を受け、神に抗議する内容である。「なぜ、私の不当さを探し私の罪を調べあげようとするのですか?あなたは知っておられるのに、私があなたに背くことを決して行わないのを」と。 レクツイオというのは、朗読に曲をつけたものである。 聖務日課でヨブ記が歌われるというのは、道徳主義者の驕りを戒めるところにあるのだろうか。 ... ...続きを見る

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2017/07/12 10:00
古楽つまみ食い(33) ヴィクトリア 「死者のためのミサ曲」
ヴィクトリア(西1548-1611)は、ルネッサンス期スペイン最大の音楽家。 教会音楽家でミサ曲のほかにも、「アベマリア」をはじめ印象深いモテトゥスが数多くある。 「死者のためのミサ曲」は、皇帝マクシミリアン2世の皇后マリア(フェリペ二世の妹)の死を悼んで作曲された。 レクイエムの単旋律聖歌を定旋律として他の5声がポリフォニックにからむ形で展開するが、悲しみやさまざまな感情を完全に昇華してしまうようなハーモ二ーが美しい。 死んだ時には、是非このレクイエムを流してもらいたいと思ってしまうほ... ...続きを見る

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2017/07/11 07:46
古楽つまみ食い(32) W.バード  「5声のミサ」
バード(英1543-1623)の代表作は、「3声のミサ」[4声のミサ」[5声のミサ」である。 いずれも余計な装飾がない端正な曲ばかりである。 あまりにも完璧なハーモニーでただただ聞き従う以外にないような面もあるが、音と音が組み合わさって作られる力強さにいつの間にか呑み込まれてゆく。 中でも「5声のミサ」は、熟達したポリフォニーに感動する。最後のアニュス・デーの美しさは格別である。 ...続きを見る

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2017/07/10 07:10
古楽つまみ食い(31) W.バード 「Sing joyfully unto God 」
「われらの力の神に向いて喜び歌い Sing joyfully unto God」 (詩篇第81編) は、W.バード(英1543-1623)の礼拝用アンセムのひとつ。アンセムとは、イングランド国教会の礼拝(サービス)のなかの短い合唱曲のことで、この曲は、一緒に歌いたくなる楽しい曲である。特に、「Blow the trumpet in the new moon(角笛を吹き鳴らせ、新月に)」という件りがくると、思わず口をついてしまう。この詩篇には、「(神が)雷の隠れたところで答える」というキーワードが... ...続きを見る

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2017/07/09 07:42
古楽つまみ食い(30)W.バード  コンソートソング(清らかな英国半島)
W.バード(英1543-1623)は、ミサの名曲があるが、コンソート・ソングの作曲者としても素晴らしい。 コンソート・ソングというのは、ヴィオールの合奏(コンソート)の伴奏を持つ独唱、または2重唱の歌曲であるが、「清らかな英国半島Fair Britain isle」「喪服の天使in angel's weed」などを聞くと、死者を悼む哀歌,悲歌ということもあるが、胸に迫るものがある。「美しいスザンナSusanna fair」も美しい。また、「キリストは蘇りChrist rising again」... ...続きを見る

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2017/07/08 08:04
古楽つまみ食い(29)コヴェントリ・キャロル  「ラリ ルラ、小さき子よ」
コヴェントリ・キャロルとは、16世紀の英国のコヴェントリで歌われてきたクリスマスキャロルで、「ラリ ルラ、小さき子よ(July,july thou little tiny child)」は作者不明、「ララバイ(子守唄)」は、ウィリアム・バード(英1543-1623)の曲である。 いずれも単なる子守唄ではなく、マタイ伝に出てくるがヘロデ王がベツレヘムで行ったという大規模な幼児虐殺事件を描いていて、イエスの降誕に伴う幼児への鎮魂歌である。子守唄のやさしさのなかに、母親の悲しみが広がってくる。特にバ... ...続きを見る

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2017/07/07 07:45
古楽つまみ食い(28)ロバート ホワイト 「エレミア哀歌」
ロバート ホワイト(英1538-1574)は、トーマス・タリス(英1505-1585)より少し後の作曲家で、ヘンリ8世からエリザベス1世に変わる、丁度、宗教改革によってカトリックからプロテスタントのスタイルへの変更を余儀なくされた時代の人である。 特に、「エレミア哀歌」は、タリスの作品とともに傑作とされている。 20分を超える長い曲なれど、聞くものを少しも飽きさせない。悲しみに満ちた響きがグイグイと迫ってくる。 また、モテトゥスも素晴らしく「主、汝にこたえたまわんことを」、「光にして日なる... ...続きを見る

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2017/07/06 05:59
古楽つまみ食い(27)ラッスス 「レクイエム(5声)」
ラッスス(フランドル1532-1594)のレクイエムも素晴らしい。 ラッススのポリフォニーには、ナチュラルな美しさがある。 湧き出る泉の音をいつまでも聞いているような魅力がある。「レクイエム(5声)」は、グレゴリオ聖歌の「レクイエム」とポリフォニーによる声楽部が交差して歌われ、声楽部は常にグレゴリオ聖歌の定旋律を用いてポリフォニックに展開されていく。ラッソには4声の「レクイエム」もある。 ...続きを見る

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2017/07/05 07:12
古楽つまみ食い(26)ラッスス  「音楽は神の贈り物」他
ラッスス(フランドル1532-1594)は、パレストリーナとともにルネッサンス・ポリフォニーの完成者といわれる人である。 「音楽は神の贈り物」は6声部のモテトゥスであるが、ポリフォニーに深みがあり、調和のとれた美しい曲で、題名にふさわしい。 歌詞は「音楽は最高の神の贈り物であり、人を感動させ、神をも感動させる、音楽は激しい心を和らげ、悲しい気持ちを励ます。音楽は樹木さえ、また、恐ろしい野獣をさえ感動させる」というもの。日々古楽を聞く我々にとっても、音楽はまさに神の贈り物である。 また 「... ...続きを見る

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2017/07/04 07:33
古楽つまみ食い(25)パレストリーナ  モテット「鹿が谷川を慕うごとく」「バビロン川のほとり」
パレストリーナ(伊1525-1594)の代表的なモテット。 詩篇42、詩篇137に基づくものであるが、バビロンの捕囚など、イスラエルが破壊され、旧約の神に見放されてしまう絶望の時期の詩である。敵を倒す神はもはやいない、ひたすら苦しみをともにしてくれる受苦の神(旧約の神)がいるだけである。 聖書には、羊がよく出てくるが、鹿が出てくるのは珍しい。愚鈍で迷いやすい羊と比べ、繊細でひ弱なイメージがある。喉が渇ききっていてもどこかノーブルな鹿のように、パレストリーナの曲もやさしく美しい。 このほか、... ...続きを見る

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2017/07/03 07:30
古楽つまみ食い(24)パレストリーナ「教皇マルチェルスのミサ」
この曲は、ルネッサンス後期の大作曲家パレストリーナ(伊1525-1594)の代表作。 ルターの宗教改革でドイツ語による「コラール」が生まれ独自の教会音楽が育ってゆくなか、カトリックのミサの言葉が不明朗といわれた多声音楽を、言葉がよく聞き取れるという典礼の要請と芸術の完成度を両立作品として知られる。端正で明るく、透き通るような美しさがある。 また 「スタ-バト・マーテル」はペルコレージが有名だが、パレストリーナのこの曲も美しい。 調和した響きに、静かに打ち寄せる波のようなリズムがあり、おそ... ...続きを見る

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2017/07/02 08:08
古楽つまみ食い(23)アントニオ・デ・カベソン 「ディファレンシアス」「 ティエント」
アントニオ・デ・カベソン(西1510-1566 Antonio de Cabezon)は、モラレスなどとともにイベリア半島の大作曲家の一人。 フェリペ(カール)2世に仕えた盲目の宮廷音楽家でオルガンの作曲家ある。 スペインには古くからオルガンが使われてきたが、カベソンが16世紀,スペイン音楽にオルガン曲を開花させた。 彼は、スペインのバッハとも言われる。 「ディファレンシアス」は、変奏曲という意味である。 「騎士の歌」「イタリア風パヴァーナ」{ミラノ風ガリアリダ」などのディファレンシア... ...続きを見る

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2017/07/01 08:13
古楽つまみ食い(22)「4声のミサ」、モテット、アンセム
トーマス・タリス(英1505-1585)は、「エレミア哀歌」で有名であるが 「4声のミサ」や数々の「モテット」、「アンセム」「ミサ」が聞き応えある。 バード(英1543-1623)とともに、エリザベス1世時代、カトリックから英国国教会のために、ラテン語から英語を用いて音楽を作ることを要請された時代の作曲家である。 アンセムとは、イングランド国教会の礼拝(サービス)のなかの短い合唱曲で、英国国教会版モテットのことである。彼のラテン語によるモテットにすばらしいものがある。 「祭祀たちは食を断... ...続きを見る

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2017/06/30 07:25
古楽つまみ食い(21)トーマス・タリス  「エレミア哀歌」
トーマス・タリス(英1505-1585)の「エレミア哀歌」は、ルネッサンス時代の英国における宗教曲の中でバードのミサ曲(3声、4声、5声)とともに特に美しいものとしてと知られる。 「エレミア哀歌」は旧約聖書に出てくる預言者エレミアが、紀元前6世紀、新バビロニアに滅ぼされたエルサレムの荒廃を嘆いたとされる歌である。原典のヘブル語で、詩の各節が、ABCのアルファベットで始まるように作られている。 「エレミア哀歌」は、タリスのほかにも、アントワーヌ・ブリュメリ(仏1460-1520),ホワイト(英... ...続きを見る

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2017/06/29 07:33
古楽つまみ食い(20)モラレス  モテトゥス「より良き生活のうちに」「羊飼いたちよ、語れ」
クリストバル・デ・モラレス(西1500-1553)は、モテトゥスにおいて素晴らしい曲が多い。 すべてに劇的な表現力と抑制の調和が実現されている。なかでも、「より良き生活のうちに」「羊飼いたちよ、語れ」が一層心に滲み込んでくる。 「より良き生活のうちに」は、歌詞が、「人間は,埃から生まれ死して埃に返るにすぎない存在である。」打ち砕かれた謙虚な心こそが人間にふさわしいと悔い改めを求める。「羊飼いたちよ、語れ」は「キリストのご誕生を」と歌うくだりに、えもいわれぬ喜びが感じられる。 このほかのモテ... ...続きを見る

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2017/06/28 07:15
古楽つまみ食い(19)ジャヌカン  シャンソン「狩の歌」「鳥の歌」「女のおしゃべり」 
クレマン・ジャヌカン(仏1485-1558)はフランスの世俗歌謡シャンソンの作曲家であるが、言葉に鳥や動物の擬音や擬態語を取り入れるとともに、市民の日常生活を描写した歌を作り出していて、その独特でダイナミックな音の世界に圧倒される。 「鳥の歌」「狩の歌」など鳥、動物と言葉の混成体が、四声の複雑な音の組み合わせで展開するその技は神がかりでさえある。無条件に面白いし、この時代にこのような優れた労作が数多く作り出されていたことにただただ驚くばかりである。 ...続きを見る

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2017/06/27 07:36
古楽つまみ食い(18) ニコラ・ゴンベール   モテット「命半ばにわれら死ぬ」世俗歌「兎狩り 
ゴンベール(フランドル1495-1560)は、ジョスカン・デ・プレの弟子であり、ジョスカンより不協和音などを積極的に取り入れた複雑なポリフォニを作っている。 モテット「ムーサたちよ嘆け」は、ジョスカンの追悼曲で不協和音などの効果がよく現れている代表例である。 ゴンベールは、自作のモテット「命半ばにわれら死ぬ」をもとに、パロディミサを作っている。 和声の、低音に深みと複雑な音の推移に魅了される。 「命半ば」というのは、「永遠の命」に対する言葉なのであろう。 「罪深いわれらに苦い死を与えな... ...続きを見る

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2017/06/26 07:13
古楽つまみ食い(17) レリティエル   モテトゥス「ニグラ・スム」
ジャン・レリティエル(仏、伊1480-1552)はジョスカン・デプレの弟子である。 彼のモテトゥス「ニグラ・スム」は、パレストリーナが、それをもとにパロディミサ「ニグラ・スム」として作曲していることから、注目されいるのであるが、レリティエルの素朴な美しさは胸に染み入ってくる。 「ニグラ・スム」は旧約のソロモン雅歌にテキストがあるが、「私は、色が黒いが美しい。だから王に愛されて、ご自分の寝室に導き入れられた。」という元来エロティックな歌詞が、主とマリアの詩に変えられていったもの。聖と俗が融合す... ...続きを見る

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2017/06/25 07:55
古楽つまみ食い(16) W.コーニッシュ「悲しみにくれて」「ああロビン」(世俗歌:キャロル)
W.コーニッシュ(英1465-1523)ルネッサンス初期のヘンリー8世時代の傑出した作曲家。 このような美しい曲が、この時代になぜ作られたのかと思われるほど印象深い。 特に「ああロビン」は有名で不思議な音がする曲であるが、それに劣らず、「悲しみにくれて」も、十字架に釘付けにされたイエスの受動の極限ともいうべき姿の悲しみを歌っている。 一方、コーニッシュは宗教曲であるモテトゥスも聞き応えのある作品を作っている。 「サルヴェ・レジーナ」「キリストの母なる処女よ、喜べ」など美しい曲があるが、「... ...続きを見る

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2017/06/24 07:50
古楽つまみ食い(15) ブリュメル 「エレミア哀歌」
アントワーヌ・ブリュメリ(仏1460-1520)は、ジョスカンなどと同世代の作曲家で、北フランス、ジュネーブ、イタリアなどで活躍した人であるが、余り記録もなく良く知られていない。 エレミア哀歌は、なにげない音の流れに、秘めた悲しみが漂うような感動を覚える曲である。 ...続きを見る

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2017/06/23 07:15
古楽つまみ食い(14) ラ・リュ- 「レクイエム」
ピエール・ド・ラ・リュ-(フランドル1460-1518)は、オブレヒトなどとともにジョスカン・デ・プレの同時代者。 彼の「レクイエム」は、オケゲムのレクイエムに続く古いポリフォニーのレクイエムである。 この曲は、まるで死者を柔らかく包んで雲に乗せて送るような雰囲気がある。 音域が低いので、肉声と器楽の組合わせで演奏されることが多いがそこがまた魅力である。彼の作品中もっとも傑出したものとされているが、聞く人引き込んでゆくような不思議な優しさがある。このほか、モテトゥス「めでたし女... ...続きを見る

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2017/06/22 07:50
古楽つまみ食い(13)オブレヒト  モテトゥス「祝されたまえり、マリア」「めでたし、十字架よ
ヤコブ・オブレヒト(フランドル1450-1505)は、ジョスカン・デ・プレの同時代者で、イザーク、ラ・リューなどとともに活躍。 オランダのユトレヒトでオブレヒトが楽長をしていたとき、高名なユマニストのエラスムスが少年聖歌隊員として歌っていたといわれる。 オブレヒトは平明な作風といわれ、モテトゥス「祝されたまえり、マリア」「めでたし、十字架よ」の2曲は、グレゴリオ聖歌などのプレーンチャントの複数の旋律と歌詞が4声、5声でそれぞれポリフォニックに模倣し合いながら歌われ大変楽しく聞くことが出来る。 ...続きを見る

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2017/06/21 07:47
古楽つまみ食い(12)イザーク モテトゥス「至高なる羊飼いよ」他
イザーク((フランドル、1450−1517)は、ジョスカン・デ・プレと並び立つ実力派でである。 シャンソンなどのほかに宗教音楽でも「使徒のミサ」や重厚なモテトゥスで聞くものを圧倒する。 モテトゥス「至高なる羊飼いよ」などは、重厚な中にも自然な伸びやかさがある。 また「あなたはまったく美しい」は、ハーモニックな調べの後半、何度もあらわれる沈黙があり、終息に向かい引き潮を聞いているような美しさがある。ほかに、「いとも賢きかの処女が」など。 ...続きを見る

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2017/06/20 07:52
古楽つまみ食い(11)イザーク 「私は安楽に暮らせない」「インスブルックよ、さらば」(シャンソン)
イザーク((フランドル、1450−1517)は、デ・プレと並び立つ大家である。 「インスブルックよ、さらば」は、インスブルック冬季五輪の閉会式で歌われるなど、今も歌われていて有名であるが、「私は安楽に暮らせない」というシャンソンも、深いバスの音が心に染みてくる。何度聞いても飽きない一曲である。 ...続きを見る

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2017/06/19 07:14
古楽つまみ食い(10)ジョスカン・デ・プレシャンソン「千々の悲しみ」
ジョスカン・デ・プレ(フランドル、1440−1521)のシャンソン「千々の悲しみmille regrets」は、「天正の少年使節」が秀吉の前で演奏トしたとされる曲。 当時スペインなどで流行、神聖ローマ帝国の皇帝カール5世が大変好きだったことから「皇帝の歌」とも言われている。(この曲はモラレス、ゴンベール,ナルバエスなどが編曲している。) この曲とは別にジョスカンには、「わが愛しき人Que vous ma dame」などのシャンソンがある。 グレゴリオ聖歌の一部が定旋律になっているモテゥス・... ...続きを見る

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2017/06/18 07:55
古楽つまみ食い(9)ジョスカン・デ・プレ 「オケゲムの死を悼む晩歌」 「アヴェ・マリア」
ジョスカン・デ・プレ(フランドル、1440−1521)は、ルネッサンス音楽の最盛期の大作曲家の一人。 彼の作品のなかで、とくに美しいといわれる作品。 オケゲムの死を悼む曲が、オケゲムを引き継ぐデ・プレによって作られ、このように美しい5声によって歌われ、次世代へと音楽の調和の輪が広がってゆくことに感動する。 歌詞のなかに、次の世代の作曲家、ジョスカン、ブリュメル、ラ・リュー、コンベールの4名が出てくる。 またアヴェ・マリアは、グノーやアルカデルトなど旋律の美しいものが有名だしたくさんあるが... ...続きを見る

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2017/06/17 07:29
古楽つまみ食い(8)オケゲム 「レクイエム」「けがれなき神の母Intemerata Dei Mat
オケゲム(Johannes Ockeghemフランドル1410頃-1497)のレクイエムは、史上最古のポリフォニー・レクイエムといわれるものである。 中世のあいだは死者のためのミサは、グレゴリオ聖歌によって演奏されてきたが、デュファイやオケゲムによって初めて多声化された(残念ながらデュファイの曲は、残されていない)。 オケゲムの「レクイエム」章のひとつ(トラクトゥス)に詩篇42「鹿が谷川を慕うごとく」が取り入れられている。 「魂は神を慕いあえぐ」「お前の神はどこにいる」など神に見放されてし... ...続きを見る

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2017/06/16 07:25
古楽つまみ食い(7)ギョーム・デュファイ   シャンソン「ああ,わが悲しみ」
デュファイ(フランドル1400-1474)のシャンソンのなかでは、「もしも私の顔が青いなら」が、同名の彼の代表作のミサにその旋律が使われていることで有名であるが、数あるシャンソンのなかで一際印象的な旋律が、「ああ,わが悲しみ(Helas mon dueil)」である。現代のフォークソングにも通ずる叙情的な旋律は、一人だけのものではく、皆と悲しみを共有する旋律である。 ほかに、「「よい日,よい月、よい年」「新年の日」「もしも私の顔の青いなら」など。 ...続きを見る

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2017/06/15 08:04
古楽つまみ食い(6)ダンスタブル  モテトゥス「聖霊よ、来たりたまえVeni Sancte Spir
ジョン・ダンスタブル(英1390-1453)は、中世末期イギリスの最大の作曲家といわれ、大陸とイギリスの和声を融合しルネッサンス音楽誕生をもたらした人と言われている。 この曲は、中世音楽の手法である複雑なイソリズム(旋律を反復する一定の繰り返されるリズムに埋め込む手法)を用いている驚異的なモテトウスである。 二つのグレゴリオ聖歌のVeni Sancte SpiritusとVeni creator Spritusと前者の改編した曲に基づく4声を、反復するリズムにまさに埋め込みながら展開させる。... ...続きを見る

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2017/06/14 07:04
古楽つまみ食い(5)ギヨーム・ド・マショー  「ダヴィデのホケトゥス 」
ギヨーム・ド・マショー(仏1300-1377)は、ポリフォニーの本格的なミサ曲を最初に作曲した人である。 一人の作曲家がミサの通常文をすべて作曲する「通作ミサ」の最古のものがマショーの「ノートルダム・ミサ」である。古楽の黎明期であるゴシック期は、ノートルダム学派(1160-1250)、アルス・アンティクワ81250-1320)、アルス・ノヴァ1320-1380)の3期間に分けられるが、マショーは、アルス・ノヴァの時代の中心的な作曲である。 マショーは、モテトゥスや世俗曲も作っていて、「ああ... ...続きを見る

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2017/06/13 07:35
古楽つまみ食い(4)モンセラートの朱い本
スペイン・バルセロナ郊外のモンセラート山の黒い聖母像で知られるモンセラート修道院に伝承される14世紀の朱い写本(1399製作)には、巡礼者たちによって歌い踊られた10曲の歌が残されている。 民謡や賛歌などで、単旋律、2声、4声のポリフォニー歌曲もある。素朴で力強い旋律は大変魅力的である。 「声をそろえていざ歌わん」や「7つの喜び」などの掛け声のようなマリア賛美には、人々の素朴な一体感と喜びが伝わってくる。 「あまねき天の女王」は、時間が止まってしまったような、ゆったりした世界の中で満たされ... ...続きを見る

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2017/06/12 07:41
古楽つまみ食い(3)中世イギリスの歌  「夏は来たりぬ」「天使がひそかに」ほか
まだ多声音楽の中心がフランスにあった13世紀ころに、作者不詳の「夏は来たりぬ」など6声で輪唱による世俗歌がイギリスに存在していた。 音楽史上奇跡に近いといわれている。 民謡風の素朴なリズムが多声で躍動する。 この頃の数々のマリア賛歌の曲なども素朴で温かい。古楽の魅力は、この頃の民衆的な素朴な歌に原泉がある。「天使がひそかに Angelus ad virginem」はラテン語であるが、その英語版の「ガブリエルは天父から」や、「祝福あれ(Edi be thu)」などの小曲を聞くと至福の喜びを覚... ...続きを見る

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2017/06/11 07:53
古楽つまみ食い(2)スラヴ典礼音楽 「十字架挙栄祭」「四旬節と復活祭の聖歌」
スラヴ典礼はビザンツ典礼の流れをくむギリシャ正教の典礼である(スラヴ諸国において独自の民族的色彩のもとに発展したビザンツ=スラヴ典礼)。 楽器を使用しない、独特の旋律をつなぎ合わせた旋法という特徴がある。 大地の香りというか、海岸に打ち寄せる静かな波の音を聞くような、豊かでいつまでも聞き入っていたくなるような不思議な典礼音楽である。歌詞は、典礼だから祈りそのものであるが、祈りがこのような素晴らしい音楽のなかで行われることを大変羨ましく思う。 ...続きを見る

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2017/06/10 08:19
古楽つまみ食い(1)グレゴリオ聖歌、ソールズベリー聖歌
グレゴリオなど聖歌は癒しの音楽といわれるが、何度も聞きたくなる歌というのは必ずしも多くない。プロテスタントのコラールのように繰り返し聞いたり謳いたくなる聖歌を挙げてみる。  (グレゴリオ聖歌)  ◆サルヴェ・レジーナSalve,Regina ◆来たれ,造り主なる聖霊よ Veni Cretator Spiritus ◆過越のいけにえを Victimae paschali laudes ◆シオンよ汝の救い主を讃えよLauda Sion、 ◆われは御身を敬虔にあがめAdoro te dev... ...続きを見る

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2017/06/09 07:18
私の好きな古楽100(100)バッハ  「フーガの技法」BWV1080
バッハ(独1685-1750)の「フーガの技法」は、一つの主題を複数の声部が追いかけるのであるが、そこには反行、縮小、二重、3重、鏡影、カノンなどさまざまなフーガが展開する。 やや衒学的で、感覚に訴える要素を犠牲にしても、対位法の技を極限にまで突き詰めた作品といわれている。 18のフーガを詩篇との関連で読み解こうとする試みもある。 バッハの音楽には、音楽を超えたロゴスの世界を暗示させるような力があるのは確かだ。 ...続きを見る

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2017/06/08 07:52
私の好きな古楽100(99)バッハ  「音楽の捧げもの」BWV1079
バッハ(独1685-1750)のこの有名な曲は、フリードリッヒ2世がバッハに与えた主題により作曲し王にプレゼントした作品である。 魅力はこの主題の旋律。この一連の作品のなかで、やはり「フルート・トラヴェルソ、ヴァイオリンと通奏低音のためのトリオ・ソナタ」が素晴らしい。ラルゴ、アレグロに続きアンダンテが始まると、この曲に出会えた喜びを感ずる。バッハが王の前で即興した「3声のリチェルカーレ」、即興できなかったが後で献呈した「6声のリチェルカーレ」など話題も面白く、曲集としても堪能できる。 ま... ...続きを見る

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2017/06/07 07:40
私の好きな古楽100(98)バッハ  「無伴奏チェロ組曲BWV1007-1012」  
バッハ(独1685-1750)の「無伴奏チェロ組曲」は、聞けば聞くほど、いつの間にか自分の内面の声を聞いているような気分になってくる。 言葉にならない音楽の言葉が語られてゆく。 私はその言葉にうなずきながら聞く。 6曲のすべて、前奏曲が、滑り込むように曲にいざなう。 第1組曲から第6組曲に至るまで、だんだん深い世界に入ってゆく。 スラーが奥へ深く引きつれ、付点のリズムが激しく鼓動する。各組曲の、ブーレ、ガボットが降りtてゆく階段の踊り場で、生き生きと躍動する。第6組曲は、音域が一層... ...続きを見る

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2017/06/06 10:14
私の好きな古楽100(97)バッハ  「無伴奏チェロ組曲BWV1007-1012」
バッハ(独1685-1750)の「無伴奏チェロ組曲」は、聞けば聞くほど、いつの間にか自分の内面の声を聞いているような気分になってくる。 言葉にならない音楽の言葉が語られてゆく。私はその言葉にうなずきながら聞く。 6曲のすべて、前奏曲が、滑り込むように曲にいざなう。 第1組曲から第6組曲に至るまで、だんだん深い世界に入ってゆく。スラーが奥へ深く引きつれ、付点のリズムが激しく鼓動する。各 組曲の、ブーレ、ガボットが降りtてゆく階段の踊り場で、生き生きと躍動する。 第6組曲は、音域が一層... ...続きを見る

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2017/06/05 07:17
私の好きな古楽100(97)バッハ  「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータBWV10
バッハ(独1685-1750)のこの曲は、誰もが一度は心酔する名曲である。 パルティータ第2番のシャコンヌは、深い感動を与えてくれる。 一方、ソナタも素晴らしい。第1番の2楽章フーガの始まりの部分や3楽章のシチリアーノの柔らかな響き、第2番の3楽章アンダンテの美しさ、4楽章アレグロの不思議な響きなど魅力一杯である。 また、ソナタ3番は宗教色が強いといわれる。 1楽章は鐘の音、2楽章はコラールの祈り。3楽章のメロディとバスの響きが素晴らしい。 ...続きを見る

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2017/06/04 07:37
私の好きな古楽100(96)バッハ イタリア協奏曲BWV971
イタバッハ(独1685-1750)のこの有名な「イタリア協奏曲」は、いわゆるソロと管弦楽の協奏曲ではなく、2段鍵盤(チェンバロ)による協奏曲的な形式原理を持ったソロ器楽曲である。 ヴィヴァルディなどのイタリアの合奏協奏曲の作曲原理を取り入れていることから「イタリア協奏曲」といわれている。 1楽章:ヘ長調(アレグロ)→2楽章:ニ短調(アンダンテ)→3楽章:へ長調(プレスト)と、緩/急、長/短、強/弱の効果的な組み合わせが、曲の流れを生き生きとさせると共にまとまりのあるものにしている。 特に1... ...続きを見る

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2017/06/03 08:23
私の好きな古楽100(95)バッハ 「半音階的幻想曲とフーガニ短調 BWV903」
この曲はベートーベンもよく研究したといわれる。 幻想曲の急速なパッセージ、大胆な転調、加えて、「語り歌う」レチタティーヴォ、しばし、バッハの他の曲にみられないこのドラマティックな曲に息をのむ。 この即興的な《幻想曲》で表現は、《フーガ》という厳格性に引き継がれ高められ、濃縮される。 ...続きを見る

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2017/06/02 06:22
私の好きな古楽100(94)バッハ平均律クラヴィーア曲集(2) 
24の調による「プレリュードとフーガ」の第2集。 第1集に比べ音楽性が豊か。全体的にプレリュードが美しい。優雅さ、快適さ、甘美さなど次々繰り広げられる多彩な曲想に、飽きることはない。なかでも、印象に残る曲は、 第4曲嬰ハ短調BWV873、 第6曲ニ短調BWV875、 第8曲嬰ニ短調BWV877、 第9曲ホ長調BWV878、 第22曲BWV893変ロ短調など。 第4曲嬰ハ短調BWV873は、大変哀愁に満ちた深い表現で胸にしみわたってくるプレリュード、軽快ではあるが、深い情感を維持した... ...続きを見る

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2017/06/01 07:59
私の好きな古楽100(93)バッハ 平均律クラヴィーア曲集(1)
 平均律クラヴィーア曲集(1)BWV846-869 24の調による「プレリュードとフーガ」。 曲集は(1)と(2)があり、(1)は1722年、(2)はその20年後に完成している。(1)で印象に残る曲は、先ずなんといっても第1曲ハ長調BWV846,この曲を基にグノーが「アヴェ・マリア」のメロディをつけて編曲しことで知られる。 こうした短い曲では、第13曲嬰ヘ長調BWV858は、明るく楽しいプレリュードとフーガが快く美しい 。圧巻は次の3曲。第4曲嬰ハ短調BWV849のプレリュードの冒頭のモチ... ...続きを見る

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2017/05/31 07:15
私の好きな古楽100(92)バッハ 「パルティータ全曲 」BWV825-830  
バッハ(独1685-1750)の鍵盤の組曲には、この「パルティータ」のほか「フランス組曲」「イギリス組曲」などがある。「パルティータ」は、「クラヴィーア練習曲集第1部」として最初に出版され、第2部には「イタりア協奏曲」「フランス序曲」、第3部「オルガン・ミサ曲」、第4部「ゴルトベルグ変奏曲」と続く。 「パルティータ」のなかで、印象深いのは1番と6番。 1番は、舞曲のリズムを生かしながら、自然にある調和、変化を音で表現しているような繊細さとともにおおらかさがある。第2曲は、イタリア協奏曲を... ...続きを見る

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2017/05/30 07:19
私の好きな古楽100(91)バッハ  「フランス組曲 5番BWV816」
バッハ(独1685-1750)の組曲は、このフランス組曲に先立ち「イギリス組曲」がある。「イギリス組曲」は、各曲の冒頭に自由なプレリュードがおかれているが、フランス組曲は、それはなく、舞曲リズムのアルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグを核とした組曲である。 バッハは、舞曲リズムから、曲のさまざまな多様性を引き出したといわれている。繊細なリズム感、洗練された音楽表現、自然な音楽といった性格を創り出してきた。この組曲の、特に有名でもある5番のアルマンドが流れ始めると、その洗練された音楽表現... ...続きを見る

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2017/05/29 07:18
私の好きな古楽100(90)バッハ オルガンコラール「深き淵より我汝をよばわる」  
オルガンコラール「深き淵より我汝をよばわる」→詩篇130の基づくマルティン・ルターの作詞作曲。 同名のカンタータ第38がある。詩篇130は罪の深い絶望から神の赦しを乞うという内容。コラールの単旋律をもとに、深い淵の重い叫びが響いてくるような荘厳な曲である。 時が生まれ一斉に万象が動き始め伸びてゆ北飼いに絡んでゆく。そして怒濤のごとく流れゆく。 ...続きを見る

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2017/05/28 08:05
私の好きな古楽100(89)バッハ  「パッサカリアとフーガハ短調BWV582」
バッハ(独1685-1750)のオルガン曲の中で、「パッサカリアとフーガ」は「トッカータとフーガ」に並んで素晴らしい。冒頭の低音主題が大変印象的で、この主題の反復と変奏がグイグイと深くて雄大な世界に我々を引き込んでゆく。 ...続きを見る

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2017/05/27 07:36
私の好きな古楽100(88)バッハ オルガン曲 前奏曲とフーガ「ハ短調BWV549]
 ペダルの迫力がすごい。 エネルギーがほとばしる。 フーガはそのエネルギーを秘めに秘めてリズムを刻む。 だんだん激しくなってゆく。 ...続きを見る

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2017/05/26 07:21
私の好きな古楽100(87)バッハ オルガン曲「聖アン」変ホ長調BWV552
バッハの「クラヴィア練習曲集第3部」の「オルガンミサ曲集」、100小節を越える長大フーガ、主題となっている賛美歌にちなんでマリアの母「聖アン」と呼ばれる。 曲は大きく3つに分かれる、トリプルフーガ。神、キリスト、聖霊の三位一体を表していてとも。 重厚でいて底の明るい堂々たるフーガ。垂直的に下りてきて裾へ広がってゆくような流れ。 出だしの4音が譜面上、十字架を表していると言われている。 ...続きを見る

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2017/05/25 07:45
私の好きな古楽100(86)バッハ オルガン曲「トッカータとフーガ 二短調BWV565」
この曲は、誰でも知っているバッハ(独1685-1750)のオルガン曲の代表作であるが、この曲に触発されてヘルマン・ヘッセが詩を書いている。 「バッハのあるトッカータに寄せて」という題がつけられている。「凝固せる太古の沈黙.....支配する暗黒.....このとき一条の光  雲の裂け目よりほとばしり、光なき虚無の中より 世の深遠をつかむ。..............」    ヘッセは、「バッハのトッカータを聞くと、必ず天地創造のイメージが、しかも光の誕生のイメージが湧いてくるのです。」と言っている... ...続きを見る

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2017/05/24 07:23
私の好きな古楽100(85)バッハ オルガン作品「幻想曲とフーガ BWV542」「フーガ BWV57
バッハの「幻想曲とフーガ BWV542」「フーガ BWV578]は、大フーガ、小フーガといわれている名曲。 大フーガ、小フーガという言い方は、BWVの番号が存在しなかったときの名残りのようである。 大フーガのドラマティックで、未踏の空間へグイグイ心をひっぱって行くような展開、そして、目の前に開ける壮大で美しい世界。この音楽の世界は何だろう。すべてが一致結合し価値を認めており充足しあっている。 一方の小フーガは、バランスの取れたまとまった名曲。 ...続きを見る

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2017/05/23 07:42
私の好きな古楽100(84)バッハ「オルガン独奏のためのトリオソナタBWV525-530」
バッハ(独1685-1750)のこのオルガンのトリオソナタは、3楽章構成で6曲あるが、詩情に満ちた美しい曲ばかりで、どの曲にも惹きつけられる。 3人で演奏されるソナタ形式を一人で、右手、左手、両足で3パートを演奏する。 それぞれのメロディの自律性を認識し、他のメロディーとの掛け合いを上手く弾きこなす必要があり、かなり高度な演奏技術が要求される。 ソナタ525の冒頭から楽しい豊かな音色で始まり、切なく美しいアダージョ、アレグロでは、軽やかな小さな生き物が飛び交う。 ソナタ526のラルゴ、ソ... ...続きを見る

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2017/05/22 07:09
私の好きな古楽100(83)バッハ「マタイ受難曲」
バッハ(独1685-1750)の「マタイ受難曲」は、「ヨハネ受難曲」が「初めに言あり、言は神であった」という福音書の前提を踏まえているため、神の支配、栄光が強調されるが、「マタイ受難曲」の方は、イエスの人間的実存の面から展開されているため、イエスの人間としての苦悩などが多くの場面で描写される。 ユダの裏切りへの厳しいことば、イエスの苦悩を理解しない弟子への落胆、「我が神、どうして私をお捨てになるのか」という神への信の確認など、きわめてドラマティックな展開を見せる。 「ああ、血にまみれ傷ついた... ...続きを見る

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2017/05/21 07:54
私の好きな古楽100(82)モテット3番BWV227「イエスよ、私の喜びよJesu,meine Fr
バッハのモテットは6曲あるが、いずれも、聖書の聖句や宗教詩、コラールなどのテキストを音楽化したもので、祈りの音楽である。 中でも3番「イエスよ 、私の喜びよJesu,meine Freude」は、同名のコラールをベースに、それを効果的に生かした素晴らしい作品である。テキストも、イエスに寄り添うことで、死、罪、傲慢、虚栄、富、名誉と戦うといった素朴な内容で、心の安らぎを求める祈り、信仰、霊の勝利を歌う。 変奏が多彩で、テキストの内容が音楽となって深化してゆく不思議な一曲である。 ...続きを見る

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2017/05/20 08:10
私の好きな古楽100(81)カンタータ第182番 「天の王よ、汝を迎えまつらん」BWV182
イエスはユダヤ各地で伝道して多くの信者・弟子を得た後、首都エルサレムに入り、やがて十字架にかけられるが、このエルサレム入城を「枝の日曜日」とし、その週の金曜日が受難日、次の日曜日が復活祭となる。 第182番 「天の王よ、汝を迎えまつらん」は、このエルサレム入城の時のカンタータである。 最初のソナタは、ヴァイオリンとリコーダーによる素朴でのどかな音楽。 「ロバに乗って」という場面を想像させる。 なんといってもこの曲の要は、5曲目のアルトによるアリアであろう。リコーダーのオブリガートが、やが... ...続きを見る

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2017/05/19 07:25
私の好きな古楽100(80)バッハカンタータ106番 「神の時こそいと良き日」
J.S.バッハ(独1685-1750)のこの曲は、「哀悼行事用」呼ばれる葬送用のカンタータである。 リコーダー、ビオラ・ダ・ガンバの柔らかい美しい前奏で始まる。 死の人間のジメジメしたやりきれなさが、どこかへ吹っ飛んでしまうような独特の響きがある。 旧約の、避けられない掟としての死を歌うバス、その後、やさしいソプラノが「主イエスよ来たりたまえ」と救済の手を差し伸べる。 直後のアリアとガンバの伴奏がとりわけ美しく感動的だ。 終章もリコーダー、ガンバが効果的にコラールを締めくくり、これらの... ...続きを見る

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2017/05/18 07:50
私の好きな古楽100(79)バッハカンタータ第82番「われは足れり」BWV82
  バッハ(独1685-1750)のバス独唱の名曲として知られる。 ルカによる福音書にある、救い主としての幼児イエスに出会い心満たされて死に赴くシメオン老人の物語で、シメオンを「私」として歌います。 ”私はもう結構。正しい人たちの希望である救い主をこの腕に抱きしめたのだ。私は今日のうちにもこの世を去りたい。”と。 誕生した孫かひ孫を抱き上げる老人のような、深い限りなくやさしい喜びと気持ちが重なり、心が安らぐ名曲である。 ...続きを見る

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2017/05/17 07:25
私の好きな古楽100(78)バッハ  カンタータ4「キリストは死の縄目につながれたり」BWV4
  ルターが、グレゴリオ聖歌「過越のいけにえを」Victimae paschali laudesの旋律を改編してコラール「キリストは死の縄目につながれたり」を作り、そのコラールをもとにバッハがカンタータ4番とする。 このカンタータは、死と生命が戦い、生命が死を呑みつくすという緊迫感のあるクライマックスがあるが、 音楽としては、その前の、罪ゆえに死に囚われる人間の絶望を歌うソプラノとアルトの2重唱の第2変奏「死に打ち勝てる者絶えてなかりき」(Den Tod niemand zwingen ku... ...続きを見る

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2017/05/16 07:37
私の好きな古楽100(77)ペルゴレージ  「スタ-バト・マーテル」
ジョヴァンニ・バティスタ・ペルゴレージ(伊 1710-1736 後期バロックのオペラ作曲家)は、バッハより25年後の世代だが、26歳の若さで亡くなっているため、彼より早く世を去っている。「スタ-バト・マーテル(悲しみの聖母)」は、グレゴリオ聖歌のひとつで、十字架のイエスの足元でマリアがわが子を嘆く悲痛な詩である。グレゴリオ聖歌は、やや単調な歌であるが、ペルコレージのこの歌は、悲しみの中に明るさもあり、まことに美しい。パレストリーナも美しい「スタ-バト・マーテル」を作っているが、ペルゴレージの魅力... ...続きを見る

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2017/05/15 07:56
私の好きな古楽100(76)ガルッピ  チェンバロ「ソナタ5番ハ長調」
  バルダッサーレ・ガルッピ(伊1706-1785)は、後期バロック期のオペラの作曲家であるが、大変魅力的なチェンバロのソナタを残している。チェンバロ「ソナタ5番ハ長調」は、ミケランジェリのピアノ演奏で有名になったが、曲の鳴りはじめた瞬間からその旋律に引き込まれてしまう。この美しいチャーミングな旋律は、ミケランジェリのピアノ演奏で聞くと、もはやバロックではなく、モーツアルトなどに近いが、チェンバロの演奏は、もっと素朴で別な味わいがある。 ...続きを見る

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2017/05/14 08:34
私の好きな古楽100(76)ルクレール  「ヴァイオリンソナタ」第4巻作品9−10
ジャン・マリ・ルクレール(仏1694-1764)は、「フランスのコレッリ」と呼ばれている。 ラモー(仏1683-1764)と同世代のルイ15世時代のヴェルサイユ学派で、ヴァイオリンをコレッリの高弟に師事している。彼の華麗で繊細な音楽は、音楽と舞踊の結びつきから来ている。彼はイタリアで若き頃舞踊手でもあった。「ヴァイオリンソナタ」1巻から4巻まで48曲を作っているが、すべての「ヴァイオリンソナタ」に舞曲風のステップが刻まれ、優雅で美しい。第3巻作品5−7などは、タルティーニの「悪魔のトリオ」を思... ...続きを見る

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2017/05/13 08:14
私の好きな古楽100(75)ヘンデル「ハープシコード組曲 」
ヘンデル(英1685-1759)のハープシコードの作品には、魅力的な曲が多い。 ヘンデル自身、ドメニコ・スカルラッティとハープシコードの腕試しをした逸話があるほどの名手である。 「調子のよい鍛冶屋(組曲第5番)」は、もっとも有名でありいつ聞いても楽しくさせてくれる曲である。この原曲は「シャコンヌ ト長調」の主題と変奏にある。 ヘンデルは、ハープシコードにおいて霊感を得た音楽を伝えようとしたといわれるが、彼のリズムや音の展開には湧き出る泉のように心の乾きを潤してくれるものがある。 このほ... ...続きを見る

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2017/05/12 07:10
私の好きな古楽100(74)ヘンデル 「リコーダソナタ」
ヘンデル(英1685-1759)の作品のなかで、「リコーダソナタ」は、多くの人に愛されている。 リコーダを吹くアマチュアにもプロにも。 曲が明るく、気持ちを平和な調和の世界に整えてゆく。とにかく旋律に無理がなく単純で質素なのであるが、内実が豊かで聞き手の心を満たしてくれる。 ソナタハ長調、イ短調、変ロ長調をはじめ、トリオソナタなどもより豊かな表現力を伴って、リコーダと通奏低音の、他の楽器にはない魅力的な雰囲気に浸ることが出来る。 ...続きを見る

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2017/05/11 07:55
私の好きな古楽100(73)ヘンデル  詩篇歌「主はいわれたDixit Dominus」
詩篇110番「主はいわれたDixit Dominus」は、ダビデの詩による賛歌であり、マタイ福音書でイエスがこの言葉を語っている。 「主はいわれた。”私の右の座に着きなさい。わたしがあなたの敵をあなたの足元に屈服させるときまで”と」。 イエスが現世におりて人となり、受難して再び昇天するするまでの間の、イエスに対する神の言葉としてとらえられている。 この詩篇歌で、ヘンデル(英1685−1759)に勝るものはないであろう。出だしの畳み掛けるようなリズムにすっかり魅了されてしまう。 ... ...続きを見る

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2017/05/10 07:05
私の好きな古楽100(72) D. スカルラッティ  「ソナタ集」
ドメニコ・スカルラッティ(伊1685-1757)は、ヘンデルとチェンバロの腕試しをした逸話がある名手であり、「555のソナタ」を残している。 バッハ、ヘンデルと同じ年の生まれである。 彼のソナタは、フラメンコの踊りやギターの音楽を思わせる音型、両手の激しい対話、憂愁を漂わせる響きなど多彩であり、飽きさせない魅力たっぷりの曲集である。 特にK132ハ長調,K501ハ長調などが印象深い。 ...続きを見る

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2017/05/09 08:05
私の好きな古楽100(71)ラモー  「クラブサン集」
ジャン・フィリップ・ラモー(仏1683-1764)は、ジャン・ジャック・ルソー時代のオルガニスト、作曲家、音楽理論家でもある。「クラブサン集」には、「第1」、「第2」、「新」と3集あるが、いずれのどの曲も聴く人を退屈させない。 舞曲がベースになっていることや標題音楽などが楽しさを増す。 すべてが空気のようであり、さわやかな風が耳元を駆け抜けてゆく。 特に第2集の、標題音楽の「小鳥たちの集合ラッパ」「リゴドン」「タンブラン」「恋のくりごと」「ソローニュのお人好し」、新曲集の「ガボットとト... ...続きを見る

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2017/05/08 07:25
私の好きな古楽100(70)テレマン  「リコーダ協奏曲」
テレマン(独1681-1767)といえば、同時代のバッハやヘンデルより当時は、人気と名声があった人である。 代表作は、「ターフェルムジーク(食卓の音楽)」。さまざまな楽器を魅力的に鳴らし質の高い作品を大量に作り出しているのだが、ここで取り上げるのは「リコーダ協奏曲」。 バロック時代は、ヴィルトゥオーゾ楽器としてリコーダが人気があったが、テレマンのリコーダ作品を聞くと、リコーダの魅力が最大限に引き出され精気がみなぎっている。ハ長調、ホ短調、ヘ長調、組曲イ短調など傑作が多い。中でもホ短調... ...続きを見る

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2017/05/07 08:15
私の好きな古楽100(69)ヴィヴァルディ  「調和の霊感」
ヴィヴァルディ(伊1678-1741)の「調和の霊感」は12の協奏曲からなり、「四季」と並ぶもっとも有名な曲である。 彼は「赤毛の神父」の愛称を持つ神父で、孤児院付属の女子音楽院の教師として活躍し、この音楽院の演奏のために多くの作品が書かれたいわれている。 子供から大人まで音楽の調和の喜びに導くような明るさがあるのもそんなところから来るのかもしれない。 6番の独奏ヴァイオリンの曲が、ヴァイオリンを学ぶ子供の教則本に載っていて、この曲をより親しみのあるものにしている。このほか、5番、8番... ...続きを見る

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2017/05/06 07:46
私の好きな古楽100(68)ヴィヴァルディ   「スタバトマーテル」
ヴィヴァルディ(伊1678-1741)といえば「四季」があまりにも有名だが、宗教曲においてもすばらしいものがある。 彼は、もともと司祭でもあった。宗教曲といっても、劇音楽に興味を持っていたヴィヴァルディは、宗教的独唱とシンフォニア的なコンチェルトの組み合わせで作られている。 「スタバトマーテル(悲しみの聖母)」は、ペルコレージ、パレストリーナなど多くの作品があるが、ヴィヴァルディの場合も、十字架上のわが子に対し「人として泣かぬものがあろうか」という言い知れぬ悲しみに打ち崩れながらも、苦し... ...続きを見る

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2017/05/05 08:17
私の好きな古楽100(67) クープラン クラブサン曲「恋する夜うぐいす」「神秘な障壁」他
フランソワ クープラン(仏1668-1733)は、ラモー(仏1683-1764)とともに、フランスクラブサン学派の巨匠の一人。クープランの作品の標題に伴う情景描写が極めて印象的である。 たとえば「恋する夜うぐいす」「神秘な障壁」「修道女モニク」などの小曲をきくと、爽やかなイメージの詩のアニメ動画を見ているような錯覚を覚える。 特に響きを消した音を効果的に使った和声の展開が印象的である。 ...続きを見る

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2017/05/04 07:43
私の好きな古楽100(66) ヨハン・クリストフ・ペーツ  「パストラール協奏曲 ヘ長調」
パストラーレ(キリスト降誕の夜、牧童が笛を吹いたという聖書に基づき田園情緒を描こうとする)については、コレッリで紹介したが、ドイツの作曲家ヨハン・クリストフ・ペーツ(独Johann Christoph Pez 1664-1716)のパストラール協奏曲ヘ長調も素晴らしい。 ドイツ人であるが、イタリアでコレッリに学び、フランスのリュリなどの影響も受けている。 弦楽に2本のリコーダーが加わり、牧歌的な雰囲気を出している。 ...続きを見る

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2017/05/03 07:45
私の好きな古楽100(65)ジュゼッペ・ヤッキーニ  チェロソナタ
ジュゼッペ・ヤッキーニ(Giuseppe Maria Jacchini伊1663-1727)は、チェロの黎明期のチェロ奏者で作曲家、ドメニコ・ガブリエル(伊1659-1690)(186参照)に師事したといわれる。いくつかのチェロソナタが素朴で、哀愁を帯びた旋律が親しみやすい。また舞踏的なリズムの楽しさも魅力的だ。「ソナタ・ハ長調」、「ソナタ・イ短調」、「ソナタ・ト長調」などチェロならではの魅力が生かされ、いずれも飽きさせない。 ...続きを見る

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2017/05/02 08:13
私の好きな古楽100(64)ドメニコ・ガブリエル  「ソナタ ト短調」「ソナタ イ長調」
ドメニコ・ガブリエル(伊1659-1690)は、バロック時代の作曲家でチェリスト。 「チェロのドミニカ」といわれていたようで、チェロの作品が面白い。 なかでも「ソナタ ト短調」「ソナタ イ長調」が印象に残る。ト短調は、のびやかで語りかけるように歌う、何か思い出が詰まった話をするような。 イ長調は、切なく美しい旋律と、軽快なリズムとが交互に展開し、緩急のチェロの魅力を味わうことができる。 ...続きを見る

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2017/05/01 07:20
私の好きな古楽100(63)パーセル  ファンタジア「第5番、インノミネ」「 ソナタ6番」
パーセル(英1659-1695)は、バロック時代の英国の大作曲家で、彼の「ファンタジア」には不思議な魅力がある。ファンタジアというのは、声楽曲で培われたポリフォニー技法を器楽曲に転用したもので、器楽曲が独自の道を始めた時の音楽である。テキストなしで思うままに旋律を作り出し独自の発想で練り上げてゆく。「声と言葉」から開放された斬新さ、音そのものの喜びのようなものを感じさせる。ファンタジアのどの曲も素晴らしいが、第5番とインノミネの2曲は何度も繰り返して聞きたくなる曲である。「インノミネ」は... ...続きを見る

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2017/04/30 08:01
私の好きな古楽100(62) パーセル 「組曲6番」「ラウンド0」「グラウンド」
ヘンリー・パーセル(英1659-1695)は、彼にはいくつかの優れたハープシコードの作品がある。 ちょっとしゃれた感じの「組曲6番」、哀愁を感じさせる「グラウンド」そしてブリテンの「青少年管弦楽入門」の主題にになっている「ラウンド0」など。 「ラウンド0」は、劇付随音楽のアブデラザールの中の第2曲「ロンドー」からきている。音そのものの喜びのようなものを感じさせるパーセル独特の自由奔放な世界がある。 ...続きを見る

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2017/04/29 08:26
私の好きな古楽100(61)マラン・マレ  ヴィオール曲「聖ジュヌヴィエーヴ教会の鐘の音」
マラン・マレ(仏1656-1728)は、ルイ14世に仕えたヴィオール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)奏者であり作曲家である。 マラン・マレについて書かれた小説に、パスカル・キニャールという人の「めぐり逢う朝」がある。 マレの師コロンブとの共感、葛藤を描いたものであるが、この中で「音楽とは言葉では語れぬことを語るためにある。」「死者に残しておく一杯の水のため、、、、生まれる前の命のために。息もせず、光もなかった頃のために」といった師弟の会話があり、音楽の根源を考えさせる。 「聖ジュヌヴィエーヴ... ...続きを見る

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2017/04/28 07:26
私の好きな古楽100(60)パッヘルベル  オルガン作品集
パッヘルベル(独1653-1706)については、ブクステフーデとともにバッハに影響を与えたといわれるように、オルガン作品集に数々の傑作がある。 アポロの6弦琴、プレリュードニ短調、シャコンヌへ短調、ニ短調、リチュルカーレハ短調、さらにルターのコラールにより変奏曲「God the Father dwells with us」など。 プレリュードニ短調は、バッハを想起させる迫力のある曲想、 シャコンヌへ短調、ニ短調は聞く者の心をとらえて離さない。 リチュルカーレハ短調は、不思議な半... ...続きを見る

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2017/04/27 08:08
私の好きな古楽100(59)パッヘルベル  器楽アンサンブル「音楽の楽しみ」
ヨハン・パッヘルベル(独1653-1706)は、「カノンとジーグ」で有名であるが、バッハの父アンブロジウスと交流のあったオルガニストで、ブクステフーデなどともにバッハに影響を残した人である。 彼は、オルガン曲だけでなく、器楽アンサンブルの作品を書いた。 「音楽の楽しみ」もその一つで、宮廷での「食卓音楽」として演奏された「6 曲のパルティータ」からなる小アンサンブル作品である。「カノン」や5声、4声のパルティータなどとともに、題名どおり[音楽の楽しみ]を味わうことが出来る。 4番ホ短... ...続きを見る

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2017/04/26 07:29
私の好きな古楽100(58) ゲオルク ムファット  「シャコンヌ ト長調」(「調和の捧げ物」組曲
ドイツのプロテスタントのオルガン音楽において、バッハの先輩たちにブクステフーデやパッヘルベルなどがいるが、その当時の一人、ゲオルク ムファット(Georg Muffat独1653-1704)は南ドイツ オーストリアのカトリック系オルガン音楽を代表する作曲家である。 パリでリュリに、ローマでコレッリに学んでいる。ビーバーとも交流があり、ムッファトは汎ヨーロッパ的な人生を送っている。 この頃のトッカータ、パッサカリア、シャコンヌなどはフランス、イタリアの影響を強く受けている。 シャコンヌ... ...続きを見る

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2017/04/25 08:04
私の好きな古楽100(57) ビーバー  「ロザリオソナタ」  
ハインリヒ・イグナツ・フランツ・ビーバー(チュコ1644-1704)は、17世紀屈指のヴァイオリンのヴィルトゥオーソ・作曲家」といわれる。 ザルツブルグの宮廷礼拝堂楽長を務めていたこともあり、「教会あるいは宮廷用ソナタ」「ロザリオのソナタ」「レクイエム」など宗教的な色彩の強いヴァイオリンソナタがある一方、「描写的なヴァイオリンソナタ」など、鳥や動物、戦いなどを描写した標題音楽なども作曲している。 マリアを主題とした「ロザリオのソナタ」は、パッサカリアやソナタ6番など高度の技法と深みのあるヴァ... ...続きを見る

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2017/04/24 07:18
私の好きな古楽100(56) シャルパンティエ     「真夜中のミサ」  
マルカントワーヌ・シャルパンティエ(仏1643-1704)は、バッハより少し前のフランスの作曲家で、この「真夜中のミサ」は、クリスマス前夜の真夜中の曲。 当時、フランスで広く歌われていたノエル(クリスマスの歌)が、ミサ曲として仕立てられている。 合唱と器楽合奏で作られ、素朴な笛の音は牧歌的な雰囲気を出している。出だしのキリエを聴いた途端、その美しい安らぎのメロディに魅了されてしまう。 バッハの「マタイ受難曲」のコラールなどの響きとも違って、もっとフランス的な明るい美しさがある。 ... ...続きを見る

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2017/04/23 08:23
私の好きな古楽100(56)  ブクステフーデ オルガン作品「前奏曲 ト短調149」
ブクステフーデブクステフーデ(独1637−1707)のオルガン作品は、前奏曲やフーガに優れた作品が多い。 特に「前奏曲 ト短調149」「フーガ ハ長調174」のこの2曲は、特に印象に残る作品である。 前奏曲 ト長調149」は、冒頭、大自然の鼓動を思わせる重厚な低音の旋律で始まり、深い世界へと我々を引き込んでゆく。芸術性の高い名作である。「フーガ ハ長調174」は、ジーグ舞曲のリズムによる可愛らしいブーガ。 断片的な小曲であるが、大変美しい。 ...続きを見る

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2017/04/22 08:28
私の好きな古楽100(54) ブクステフーデ  オルガン・コラール「いかに美しきかな暁の明星は」  
ブクステフーデ(独1637−1707)については、パッサカリアのような壮大なオルガン曲の一方で、オルガンコラールの作品群は、素朴で美しい魅力がある。 「いかに美しきかな暁の明星は(BuxWV223)」「われ汝を呼ぶ、主イエス・キリスト(BuxWV196)」「甘き喜びのうちに(BuxWV197)」「来たれ聖霊、主なる神(BuxWV199)」「今我ら聖霊に願い奉る(BuxWV208)」など。 バッハやパッペルベルなども同様にコラールに基づくオルガン曲を作っているが、ルター派のコラールの旋... ...続きを見る

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2017/04/21 07:33
私の好きな古楽100(53) ブクステフーデ   オルガン曲「パッサカリア ニ短調」  
ブクステフーデ(1637−1707)は,J.S.バッハ以前のドイツにおいて最大の教会音楽の作曲家といわれる人で、バッハに多大な影響を与えている。 ブクステフーデのオルガン曲には、プレリュード、トッカータなど沢山あるが、コラールやパッサカリアなどが、素朴で柔らかく聞く人の心に語りかけてきて印象的である。 特にパッサカリアニ短調は、ヘッセの小説「デミアン」の中で、「古いオルガン音楽のえり抜きの曲」で「この異様な深い沈潜的な、自分自身に聞き入っているような音楽に浸った。 それはいつ聞いても... ...続きを見る

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2017/04/20 07:48
私の好きな古楽100(52) フローベルガー 「トッカータ第11番(聖体奉挙のために)」他
フローベルガー(独1616-1667)については、組曲など標題音楽について取り上げたが、その中で「フローベルガーは、ヘルマン・ヘッセの小説「ガラス玉遊戯」の中で、主人公クネヒトが初めて出会う音楽名人のイメージとして取り上げられている。」と書いた。 ヘッセのフローベルガーへの思いは、標題音楽ではなく、ブクステフーデやバッハへ連なる荘重な鍵盤音楽のイメージを持っていたのではないかと思う。 彼の重厚さをイメージする音楽は、トッカータ、リチェルカーレ、カンツオーナ、ファンタジア、カプリッチョなど... ...続きを見る

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2017/04/19 21:39
私の好きな古楽100(51) フローベルガー 標題音楽「哀歌」 ほか  
ヨハン・ヤーコブ・フローベルガー(独1616-1667)は、初期バロック時代の鍵盤楽器奏者、作曲家でフレスコバルディの弟子で、イタリアの音楽をドイツに橋渡しをした。ブクステフーデやバッハに先行するドイツの重要な作曲家である。バロック時代の組曲の構成舞曲(アルマンド、ジーク、クーラント、サラバンド)を確立したとされる。彼には下記のような、いくつかの標題音楽があり組曲に組み込まれている。いずれも題名が面白く情感豊かな曲が多い。 ●「皇帝フェルディナント3世陛下の痛切の極みなる死に捧げる哀... ...続きを見る

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2017/04/18 10:43
私の好きな古楽100(50) シュッツ 「音楽による葬送」  
ハインリッヒ・シュッツ(独1585-1672)は、17世紀のドイツ音楽を確立した人でドイツ音楽の父と言われている。 大バッハ誕生100年前に生まれている。 受難曲やモテットを多く作曲している。「音楽による葬送」は、シュッツの領主であった伯爵に依頼されて作曲した埋葬儀式のための教会音楽で、ドイツレクイエムの最初の作品である。 この曲は、「裸で私は母の胎からでた。裸でまた、そこへ帰ってゆこう」という歌詞で始まり一貫して「主よ私はあなたを離しません。私を祝福して下さるまで」と死に打ち勝... ...続きを見る

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2017/04/04 07:44
私の好きな古楽100(49) フレスコバルディ 「フィオーリ・ムジカーリ(音楽の花束)」
ジローラモ・フレスコバルディ(伊1583-1643)は、声楽界におけるモンテヴェルディと並んで、初期バロックの鍵盤楽器の最大の作曲家である。ローマのサン・ピエトロ寺院のオルガニストであり、聖歌に代わる典礼用のオルガン曲などを作曲し、弟子のフローベルガー(独1616-1667)を通して、ブクステフーデやバッハなどドイツのオルガン音楽に至る道を敷いたといわれる。後のバッハなどにも影響を与えている。 その「オルガン・ミサ」の代表作が「フィオーリ・ムジカーリ(音楽の花束)」である。トッカータ、... ...続きを見る

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2017/04/03 07:40
私の好きな古楽100(48) ジョン・ウイルビー  イングリッシュ・マドリガル「甘き蜜吸うハチたち 
ジョン ウイルビー(Jhon Wilbye 英1575-1638)は、 ルネッサンス音楽末期のイングリッシュ・マドリガルの作曲家。 イングリッシュ・マドリガルは、トーマス・モーリ(Thomas英1557-16029) をはじめジョン・ウイルビー、トーマス・ウィールクス(Thomas Weelkes英1576-1623)などエリザベス朝時代の宮廷作曲家達によって、イタリアの形式を真似て作られたが、イタリア程複雑で無く、英語にあったイギリス独自のものに発達させていて、多声だが和声を主体にした曲が... ...続きを見る

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2017/04/02 08:04
私の好きな古楽100(47)M.プレトリウス 教会音楽「シオンのミューズたち」  
ミヒャエル プレトリウス(独1571-1621)は、ドイツプロテスタントのコラールや賛美歌を編曲をした人として重要な作曲家である。 主要な作品は、教会音楽「シオンのミューズたち」と理論書「音楽大全」などである。ドイツでは、10年年上のハスラー、10年年下のシュッツ、シャイトなどと、また、イタリアのガブリエルなどとも交流があり、ドイツプロテスタントのコラールの展開とともに、教会コンチェルトの様式をドイツにもたらしている。 「シオンのミューズたち」では「マニフィカト」、「コラール」、モテッ... ...続きを見る

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2017/04/01 08:10
私の好きな古楽100(46) モンテヴェルディ マドリガーレ集:「アリアンナの嘆き」ほか  
モンテヴェルディ(伊1567-1643)は多くの優れたマドリガーレを残している。ヴェネチアのサンマルコ大聖堂の楽長を努め宗教曲を作曲する傍ら、いわばオフタイムにマドリガーレを作曲。ジェズアルドとともに代表的なマドリガーレ作者である。 モンテヴェルディは、マドリガーレ集を1〜8巻まで作曲し、後半の5巻あたりから、マドリガーレを通奏低音つきの独唱歌曲に変化させ、この分野でのバロック音楽を確立したといわれている。「こうして死にたいもの」(4巻)「私の魂は」(5巻)→「あなたを愛しています、私の... ...続きを見る

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2017/03/31 08:12
私の好きな古楽100(45) モンテヴェルディ [マニフィカト]他
モンテヴェルディ(伊1567-1643)は、バロック期初期の巨人である。 聖務日課用の大作「聖母マリアの夕べの祈り」が有名であるが、この中でも、その終曲であるマニフィカトが美しい。マニフィカトは2種類作曲されていて、ひとつは7声の合唱と器楽によるもの,もうひとつは6声の合唱と通奏低音だけのものである。この後半の通奏低音だけのものが、とりわけ美しい。 マニフィカトというのは、「賛美する」という意味であるが、受胎告知を受けたマリアが神を賛美する歌である。 「主は、この賤しい主の卑女(はした... ...続きを見る

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2017/03/30 07:32
私の好きな古楽100(44) ドゥアルテ・ロボ  「レクイエム」
  ドゥアルテ・ロボ(ポルトガル(1565-1646)は、ヴィクトリア(西1548-1611)の影響下にあった隣国ポルトガルにおけるポリフォニーの第一人者である。 彼の「レクイエム」はヴィクトリアの「死者のためのミサ曲」に劣らず、まことに美しい。 彼らは、日本にキリスト教が伝えられた頃の作曲家である。当時、日本人の間でキリスト教が、急速に広まったのは、キリスト教の死者に対する丁寧な扱いがあったことが要因のひとつにあげられている。 信長、秀吉の頃、セミナリオ(神学校)を通して宗教音... ...続きを見る

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2017/03/28 07:57
私の好きな古楽100(43) ダウランド  リュート曲「涙のパバーヌ
ジョン・ダウランド(1563-1626)は、バードともに英国におけるルネッサンス音楽の代表的作曲家である。 主にリュート曲が中心。とりわけ有名なのが、「涙のパヴァーヌ(Lacrimae)」で、世俗歌「Flow my tears(流れよ我が涙)」を器楽用に作曲したもの。 ダウランドのリュートの曲には、「ダウランドの涙」「常にダウランド、常に悲しき」など「つねに悲しむ」をモットーとする作曲家である。 人間は、基本的に孤独であり、常に悲しい存在である。ダウランドの曲は、そんな人間の... ...続きを見る

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2017/03/27 07:32
私の好きな古楽100(42) スヴェーリンク オルガン曲「われ汝を呼ぶ、主イエス・キリスト」他  
ヤン・ピーテルスゾン・スヴェーリンク(蘭1562-1621)は、17世紀初頭のオランダのアムステルダムの旧教会のオルガニストで、即興の名手とし、北ヨーロッパにその名を知られていた作曲家。 バロック鍵盤音楽の書法を開発し、その後展開するドイツオルガン音楽に大きな影響を与えている。 彼の門下生にドイツのシャイトやシャイデマンなどがいて彼らがドイツでオルガン音楽の種まき役をした。 ...続きを見る

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2017/03/26 08:26
私の好きな古楽100(41)ジェズアルド 「ミゼレーレ」  
カルロ・ジェズアルド(伊1560-1613)は、モンテヴェルディと並ぶイタルア・マドリガーレの代表的作曲家。 妻と愛人を殺害した痛苦の人生を送った人のようである。 ミゼレーレMiserereというのは、部下を戦場に送りその妻を奪うという卑劣な罪を犯したダビデの悔い改めが素材になっている詩篇51篇によるが、苦渋の生涯を送ったジェズアルドにも特別な思いが込められているのかもしれない。ジェズアルドの「ミゼレーレ」には大変魅力的な深い響きがある。 ...続きを見る

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2017/03/25 08:16
私の好きな古楽100(40) マレンツィオ  マドリガーレ「露に濡れた夜明け前に」他  
ルーカ・マレンツィオ(伊1553-1599)は、ルネッサンス末期のイタリアの作曲家でマドリガーレの大家として知られる。 マドリガーレは、16世紀初頭からイタリアで現われた形式で、自由詩にあわせたメロディがポリフォニーで作られる。 ヴィラールト、ローレ、ジェズアルド、モンテヴェルディなどとともに代表的作曲家の一人。 イタリアの貴族社会の社交的芸術として栄え、ペトラルカ、タッソー、サンナローザなど、優れた詩人の詩をメロディー化しており、マレンツィオのドリガーレは大変、質のよい優れた曲が... ...続きを見る

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2017/03/24 07:43
私の好きな古楽100(39)  トマス・モーリ  マドリガル「蕾にさえも悲しみは」他
トマス・モーリ(Thomas Morley英1557-16029) は、ジョン ウイルビー(Jhon Wilbye 英1575-1638)、トーマス・ウィールクス(Thomas Weelkes英1576-1623)とともに ルネッサンス音楽末期のイングリッシュ・マドリガルの作曲家として、なかでもモーリは主導的な立場にあった人である。 モーリスの場合は、当時のイタリア・マドリガルを範として作曲しているが、「今や五月」「蕾にさえも悲しみは」「4月は愛しい人のおもざし」「やさしいニンフ... ...続きを見る

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2017/03/23 08:09
私の好きな古楽100(38)  G.アッレーグリ    「ミゼレーレ」
アッレーグリ(伊1552-1652)「ミゼレーレ」は、パレストリーナの「教皇マルチェルス」とともにヴァチカンのシスティーナ礼拝堂に鳴り響いていたといわれ、その典礼でしか聞くことのできない秘曲だったそうである。 その秘曲を、ローマを訪れたモーツアルトが一度聞いただけで全曲書き写してしまったというエピソードがある。 天井の高い教会に、下から駆け上がって行く声が同時に上から降り注いでくるような極度な高音が繰り返される。 ミゼレーレMiserereというのは、部下を戦場に送りその妻を奪うとい... ...続きを見る

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2017/03/22 07:31
私の好きな古楽100(37)ジョバンニ・ガブリエリ   カンツォーナとソナタ 
ジョバンニ・ガブリエル(伊1553-1612)は、ルネッサンスからバロックへの過渡期に、分割合唱、通奏低音などによる作曲をした人。 聖マルコ寺院における宗教曲集「サクラ・シンフォニア集1,2」が、当時のドイツのハスラー、シュッツ、M.プレトリウスなどへ影響を与え、初期バロックのドイツへの移植を促した。 分割合唱様式は、半世紀前の聖マルコ寺院楽長であったヴィラールト開拓したヴェネツィア楽派の特徴であるが、ガブリエリにおいては、楽器、声楽を高度に配置した作曲が特徴。 「サクラ・シン... ...続きを見る

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2017/03/21 08:03
私の好きな古楽100(36) レヒナー 「もし主の御手から恵みを得るならば」  
レヒナー  モテト「もし主の御手から恵みを得るならば」 ハスラー モテト「主よいつまで私を」  ...続きを見る

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2017/03/20 07:59
私の好きな古楽100(35)ヴィクトリア レクツイオ「我が心は生活に疲れたり」 他
ヴィクトリア(西1548-1611)のレクツイオ「我が心は生活に疲れたり」は、ヨブ記10章1−7節から歌詞が採られている。 義人で道徳的な完全主義者であるヨブが、神から「いわれなき受難」を受け、神に抗議する内容である。「なぜ、私の不当さを探し私の罪を調べあげようとするのですか?あなたは知っておられるのに、私があなたに背くことを決して行わないのを」と。 レクツイオというのは、朗読に曲をつけたものである。 聖務日課でヨブ記が歌われるというのは、道徳主義者の驕りを戒めるところにあるのだろうか... ...続きを見る

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2017/03/19 07:59
私の好きな古楽100(34)  ヴィクトリア 「死者のためのミサ曲」
ヴィクトリア(西1548-1611)は、ルネッサンス期スペイン最大の音楽家。 教会音楽家でミサ曲のほかにも、「アベマリア」をはじめ印象深いモテトゥスが数多くある。 「死者のためのミサ曲」は、皇帝マクシミリアン2世の皇后マリア(フェリペ二世の妹)の死を悼んで作曲された。 レクイエムの単旋律聖歌を定旋律として他の5声がポリフォニックにからむ形で展開するが、悲しみやさまざまな感情を完全に昇華してしまうようなハーモ二ーが美しい。 死んだ時には、是非このレクイエムを流してもらいたい... ...続きを見る

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2017/03/18 08:28
私の好きな古楽100(33) W.バード  「5声のミサ」  
バード(英1543-1623)の代表作は、「3声のミサ」[4声のミサ」[5声のミサ」である。 いずれも余計な装飾がない端正な曲ばかりである。 あまりにも完璧なハーモニーでただただ聞き従う以外にないような面もあるが、音と音が組み合わさって作られる力強さにいつの間にか呑み込まれてゆく。 中でも「5声のミサ」は、熟達したポリフォニーに感動する。最後のアニュス・デーの美しさは格別である。 ...続きを見る

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2017/03/17 07:31
私の好きな古楽100(32) W.バード 「Sing joyfully unto God 」  
「われらの力の神に向いて喜び歌い Sing joyfully unto God」 (詩篇第81編) は、W.バード(英1543-1623)の礼拝用アンセムのひとつ。アンセムとは、イングランド国教会の礼拝(サービス)のなかの短い合唱曲のことで、この曲は、一緒に歌いたくなる楽しい曲である。特に、「Blow the trumpet in the new moon(角笛を吹き鳴らせ、新月に)」という件りがくると、思わず口をついてしまう。この詩篇には、「(神が)雷の隠れたところで答える」というキーワ... ...続きを見る

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2017/03/16 08:20
私の好きな古楽100(31) W.バード  コンソートソング(清らかな英国半島)
W.バード(英1543-1623)は、ミサの名曲があるが、コンソート・ソングの作曲者としても素晴らしい。 コンソート・ソングというのは、ヴィオールの合奏(コンソート)の伴奏を持つ独唱、または2重唱の歌曲であるが、「清らかな英国半島Fair Britain isle」「喪服の天使in angel's weed」などを聞くと、死者を悼む哀歌,悲歌ということもあるが、胸に迫るものがある。「美しいスザンナSusanna fair」も美しい。また、「キリストは蘇りChrist rising aga... ...続きを見る

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2017/03/15 07:28
私の好きな古楽100(30) コヴェントリ・キャロル  「ラリ ルラ、小さき子よ」
コヴェントリ・キャロルとは、16世紀の英国のコヴェントリで歌われてきたクリスマスキャロルで、「ラリ ルラ、小さき子よ(July,july thou little tiny child)」は作者不明、「ララバイ(子守唄)」は、ウィリアム・バード(英1543-1623)の曲である。 いずれも単なる子守唄ではなく、マタイ伝に出てくるがヘロデ王がベツレヘムで行ったという大規模な幼児虐殺事件を描いていて、イエスの降誕に伴う幼児への鎮魂歌である。子守唄のやさしさのなかに、母親の悲しみが広がってくる。... ...続きを見る

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2017/03/14 08:01
私の好きな古楽100(29) ロバート ホワイト 「エレミア哀歌」
ロバート ホワイト(英1538-1574)は、トーマス・タリス(英1505-1585)より少し後の作曲家で、ヘンリ8世からエリザベス1世に変わる、丁度、宗教改革によってカトリックからプロテスタントのスタイルへの変更を余儀なくされた時代の人である。 特に、「エレミア哀歌」は、タリスの作品とともに傑作とされている。 20分を超える長い曲なれど、聞くものを少しも飽きさせない。悲しみに満ちた響きがグイグイと迫ってくる。 また、モテトゥスも素晴らしく「主、汝にこたえたまわんことを」、「光にし... ...続きを見る

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2017/03/13 07:19
私の好きな古楽100(28) ラッスス 「レクイエム(5声)」
ラッスス(フランドル1532-1594)のレクイエムも素晴らしい。 ラッススのポリフォニーには、ナチュラルな美しさがある。 湧き出る泉の音をいつまでも聞いているような魅力がある。「レクイエム(5声)」は、グレゴリオ聖歌の「レクイエム」とポリフォニーによる声楽部が交差して歌われ、声楽部は常にグレゴリオ聖歌の定旋律を用いてポリフォニックに展開されていく。ラッソには4声の「レクイエム」もある。 ...続きを見る

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2017/03/12 08:39
私の好きな古楽100(27)ラッスス  「音楽は神の贈り物」他  
ラッスス(フランドル1532-1594)は、パレストリーナとともにルネッサンス・ポリフォニーの完成者といわれる人である。 「音楽は神の贈り物」は6声部のモテトゥスであるが、ポリフォニーに深みがあり、調和のとれた美しい曲で、題名にふさわしい。 歌詞は「音楽は最高の神の贈り物であり、人を感動させ、神をも感動させる、音楽は激しい心を和らげ、悲しい気持ちを励ます。音楽は樹木さえ、また、恐ろしい野獣をさえ感動させる」というもの。日々古楽を聞く我々にとっても、音楽はまさに神の贈り物である。 ... ...続きを見る

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2017/03/11 07:55
私の好きな古楽100(26)  パレストリーナ  モテット「鹿が谷川を慕うごとく」「バビロン川のほと
パレストリーナ(伊1525-1594)の代表的なモテット。 詩篇42、詩篇137に基づくものであるが、バビロンの捕囚など、イスラエルが破壊され、旧約の神に見放されてしまう絶望の時期の詩である。敵を倒す神はもはやいない、ひたすら苦しみをともにしてくれる受苦の神(旧約の神)がいるだけである。 聖書には、羊がよく出てくるが、鹿が出てくるのは珍しい。愚鈍で迷いやすい羊と比べ、繊細でひ弱なイメージがある。喉が渇ききっていてもどこかノーブルな鹿のように、パレストリーナの曲もやさしく美しい。 このほ... ...続きを見る

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2017/03/10 07:38
私の好きな古楽100(25) パレストリーナ「教皇マルチェルスのミサ」
「教皇マルチェルスのミサ この曲は、ルネッサンス後期の大作曲家パレストリーナ(伊1525-1594)の代表作。 ルターの宗教改革でドイツ語による「コラール」が生まれ独自の教会音楽が育ってゆくなか、カトリックのミサの言葉が不明朗といわれた多声音楽を、言葉がよく聞き取れるという典礼の要請と芸術の完成度を両立作品として知られる。端正で明るく、透き通るような美しさがある。 また 「スタ-バト・マーテル」はペルコレージが有名だが、パレストリーナのこの曲も美しい。 調和した響きに、静... ...続きを見る

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2017/03/09 07:48
私の好きな古楽100(24) アントニオ・デ・カベソン 「ディファレンシアス」「 ティエント」
アントニオ・デ・カベソン(西1510-1566 Antonio de Cabezon)は、モラレスなどとともにイベリア半島の大作曲家の一人。 フェリペ(カール)2世に仕えた盲目の宮廷音楽家でオルガンの作曲家ある。 スペインには古くからオルガンが使われてきたが、カベソンが16世紀,スペイン音楽にオルガン曲を開花させた。 彼は、スペインのバッハとも言われる。 「ディファレンシアス」は、変奏曲という意味である。 「騎士の歌」「イタリア風パヴァーナ」{ミラノ風ガリアリダ」などのディ... ...続きを見る

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2017/03/08 07:41
私の好きな古楽100(23) トーマス・タリス   「4声のミサ」、モテット、アンセム
トーマス・タリス(英1505-1585)は、「エレミア哀歌」で有名であるが 「4声のミサ」や数々の「モテット」、「アンセム」「ミサ」が聞き応えある。 バード(英1543-1623)とともに、エリザベス1世時代、カトリックから英国国教会のために、ラテン語から英語を用いて音楽を作ることを要請された時代の作曲家である。 アンセムとは、イングランド国教会の礼拝(サービス)のなかの短い合唱曲で、英国国教会版モテットのことである。彼のラテン語によるモテットにすばらしいものがある。 ...続きを見る

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2017/03/07 07:38
私の好きな古楽100(22) トーマス・タリス  「エレミア哀歌」
トーマス・タリス(英1505-1585)の「エレミア哀歌」は、ルネッサンス時代の英国における宗教曲の中でバードのミサ曲(3声、4声、5声)とともに特に美しいものとしてと知られる。 「エレミア哀歌」は旧約聖書に出てくる預言者エレミアが、紀元前6世紀、新バビロニアに滅ぼされたエルサレムの荒廃を嘆いたとされる歌である。原典のヘブル語で、詩の各節が、ABCのアルファベットで始まるように作られている。 「エレミア哀歌」は、タリスのほかにも、ホワイト(英1938-1574)やパレストリーナ(伊152... ...続きを見る

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2017/03/06 07:28
私の好きな古楽100(21) モラレス  モテトゥス「より良き生活のうちに」「羊飼いたちよ、語れ」等
クリストバル・デ・モラレス(西1500-1553)は、モテトゥスにおいて素晴らしい曲が多い。 ...続きを見る

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2017/03/05 08:15
私の好きな古楽100(20) ジャヌカン  シャンソン「鳥の歌」「狩の歌」「女のおしゃべり」  
クレマン・ジャヌカン(仏1485-1558)はフランスの世俗歌謡シャンソンの作曲家であるが、言葉に鳥や動物の擬音や擬態語を取り入れるとともに、市民の日常生活を描写した歌を作り出していて、その独特でダイナミックな音の世界に圧倒される。 「鳥の歌」「狩の歌」など鳥、動物と言葉の混成体が、四声の複雑な音の組み合わせで展開するその技は神がかりでさえある。無条件に面白いし、この時代にこのような優れた労作が数多く作り出されていたことにただただ驚くばかりである。 ...続きを見る

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2017/03/04 08:29
私の好きな古楽100(19)  ニコラ・ゴンベール   モテット「命半ばにわれら死ぬ」世俗歌「兎狩り
ゴンベール(フランドル1495-1560)は、ジョスカン・デ・プレの弟子であり、ジョスカンより不協和音などを積極的に取り入れた複雑なポリフォニを作っている。 モテット「ムーサたちよ嘆け」は、ジョスカンの追悼曲で不協和音などの効果がよく現れている代表例である。 ゴンベールは、自作のモテット「命半ばにわれら死ぬ」をもとに、パロディミサを作っている。 和声の、低音に深みと複雑な音の推移に魅了される。 「命半ば」というのは、「永遠の命」に対する言葉なのであろう。 「罪深いわれらに苦い死... ...続きを見る

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2017/03/03 07:40
私の好きな古楽100(18)  レリティエル   モテトゥス「ニグラ・スム」
ジャン・レリティエル(仏、伊1480-1552)はジョスカン・デプレの弟子である。 彼のモテトゥス「ニグラ・スム」は、パレストリーナが、それをもとにパロディミサ「ニグラ・スム」として作曲していることから、注目されいるのであるが、レリティエルの素朴な美しさは胸に染み入ってくる。 「ニグラ・スム」は旧約のソロモン雅歌にテキストがあるが、「私は、色が黒いが美しい。だから王に愛されて、ご自分の寝室に導き入れられた。」という元来エロティックな歌詞が、主とマリアの詩に変えられていったもの。... ...続きを見る

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2017/03/02 08:14
私の好きな古楽100(17)  W.コーニッシュ「悲しみにくれて」「ああロビン」(世俗歌:キャロル
W.コーニッシュ(英1465-1523)ルネッサンス初期のヘンリー8世時代の傑出した作曲家。 このような美しい曲が、この時代になぜ作られたのかと思われるほど印象深い。 特に「ああロビン」は有名で不思議な音がする曲であるが、それに劣らず、「悲しみにくれて」も、十字架に釘付けにされたイエスの受動の極限ともいうべき姿の悲しみを歌っている。 ...続きを見る

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2017/03/01 07:27
私の好きな古楽100(16) ブリュメル 「エレミア哀歌」、 ミサ曲「見よ、大地が大きく揺れ動き」
アントワーヌ・ブリュメリ(仏1460-1520)は、ジョスカンなどと同世代の作曲家で、北フランス、ジュネーブ、イタリアなどで活躍した人であるが、余り記録もなく良く知られていない。 しかし、ミサ曲「見よ、大地が大きく揺れ動き」、および「エレミア哀歌」を聞く限り、素晴らしい作曲家であることが分かる。特にミサ曲「見よ、大地が大きく揺れ動き」は、12の声部の複合唱技法が巨大な和音となって鳴り響き、おおきな森を感じさせる傑作である。多が一で一が多であるような。 また、エレミア哀歌も、なにげない音の流... ...続きを見る

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2017/02/28 08:00
私の好きな古楽100(15) ラ・リュ- 「レクイエム」
 ピエール・ド・ラ・リュ-(フランドル1460-1518)は、オブレヒトなどとともにジョスカン・デ・プレの同時代者。 彼の「レクイエム」は、オケゲムのレクイエムに続く古いポリフォニーのレクイエムである。 この曲は、まるで死者を柔らかく包んで雲に乗せて送るような雰囲気がある。 音域が低いので、肉声と器楽の組合わせで演奏されることが多いがそこがまた魅力である。彼の作品中もっとも傑出したものとされているが、聞く人引き込んでゆくような不思議な優しさがある。 ...続きを見る

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2017/02/27 07:21
私の好きな古楽100(14) オブレヒト  モテトゥス「祝されたまえり、マリア」「めでたし、十字架よ
ヤコブ・オブレヒト(フランドル1450-1505)は、ジョスカン・デ・プレの同時代者で、イザーク、ラ・リューなどとともに活躍。 オランダのユトレヒトでオブレヒトが楽長をしていたとき、高名なユマニストのエラスムスが少年聖歌隊員として歌っていたといわれる。 オブレヒトは平明な作風といわれ、モテトゥス「祝されたまえり、マリア」「めでたし、十字架よ」の2曲は、グレゴリオ聖歌などのプレーンチャントの複数の旋律と歌詞が4声、5声でそれぞれポリフォニックに模倣し合いながら歌われ大変楽しく聞くことが出... ...続きを見る

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2017/02/26 08:03
私の好きな古楽100(13) イザーク 「使徒のミサ」、モテトゥス「至高なる羊飼いよ」
 イザーク((フランドル、1450−1517)は、ジョスカン・デ・プレと並び立つ実力派でである。 シャンソンなどのほかに宗教音楽でも「使徒のミサ」や重厚なモテトゥスで聞くものを圧倒する。厚みと深みのあるこれらの音楽は、壮大な宇宙空間に共鳴する調和の世界を作る。 ...続きを見る

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2017/02/25 08:05
私の好きな古楽100(12) イザーク 「私は安楽に暮らせない」「インスブルックよ、さらば」(シャン
イザーク 「私は安楽に暮らせない」「インスブルックよ、さらば」(シャンソン) ...続きを見る

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2017/02/24 07:25
私の好きな古楽100(11) ジョスカン・デ・プレ  シャンソン「千々の悲しみ」「終わりなき悲しみ」
 ジョスカン・デ・プレ(フランドル、1440−1521)のシャンソン「千々の悲しみmille regrets」は、「天正の少年使節」が秀吉の前で演奏したとされる曲。 当時スペインなどで流行、神聖ローマ帝国の皇帝カール5世が大変好きだったことから「皇帝の歌」とも言われている。(この曲はモラレス、ゴンベール,ナルバエスなどが編曲している。) この曲とは別にジョスカンには、「終わりなき悲しみregretz sans fin」「わが愛しき人Que vous ma dame」などのシャンソン... ...続きを見る

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2017/02/23 08:17
私の好きな古楽100(10) ジョスカン・デ・プレ 「オケゲムの死を悼む晩歌」 「アヴェ・マリア」
 ジョスカン・デ・プレ 「オケゲムの死を悼む晩歌」 「アヴェ・マリア」 ...続きを見る

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2017/02/21 08:11
私の好きな古楽100(9)  オケゲム 「レクイエム」 他
「レクイエム」 ...続きを見る

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2017/02/19 14:57
私の好きな古楽100(8) ギョーム・デュファイ  イムヌス(賛歌),ミサ曲
イムヌス(賛歌)「Conditor alme siderum(造り主なる主)」 ...続きを見る

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2017/02/18 08:22
私の好きな古楽100(7) ギョーム・デュファイ   シャンソン「ああ,わが悲しみ」
デュファイ(フランドル1400-1474)のシャンソンのなかでは、「もしも私の顔が青いなら」が、同名の彼の代表作のミサにその旋律が使われていることで有名であるが、数あるシャンソンのなかで一際印象的な旋律が、「ああ,わが悲しみ(Helas mon dueil)」である。現代のフォークソングにも通ずる叙情的な旋律は、一人だけのものではく、皆と悲しみを共有する旋律である。 ほかに、「「よい日,よい月、よい年」「新年の日」「もしも私の顔の青いなら」など。 ...続きを見る

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2017/02/17 07:17
私の好きな古楽100(6) ダンスタブル  モテトゥス「聖霊よ、来たりたまえVeni Sancte
ダンスタブル  モテトゥス「聖霊よ、来たりたまえVeni Sancte Spiritus/創り主なる聖霊よ、来たりたまえVeni creator Spritus」 ...続きを見る

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2017/02/16 07:45
私の好きな古楽100(5) ギヨーム・ド・マショー  「ダヴィデのホケトゥス 」
ギヨーム・ド・マショー(仏1300-1377)は、ポリフォニーの本格的なミサ曲を最初に作曲した人である。 一人の作曲家がミサの通常文をすべて作曲する「通作ミサ」の最古のものがマショーの「ノートルダム・ミサ」である。古楽の黎明期であるゴシック期は、ノートルダム学派(1160-1250)、アルス・アンティクワ81250-1320)、アルス・ノヴァ1320-1380)の3期間に分けられるが、マショーは、アルス・ノヴァの時代の中心的な作曲である。 マショーは、モテトゥスや世俗曲も作っていて、「... ...続きを見る

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2017/02/15 07:22
私の好きな古楽100(4)モンセラートの朱い本
スペイン・バルセロナ郊外のモンセラート山の黒い聖母像で知られるモンセラート修道院に伝承される14世紀の朱い写本(1399製作)には、巡礼者たちによって歌い踊られた10曲の歌が残されている。 民謡や賛歌などで、単旋律、2声、4声のポリフォニー歌曲もある。素朴で力強い旋律は大変魅力的である。 「声をそろえていざ歌わん」や「7つの喜び」などの掛け声のようなマリア賛美には、人々の素朴な一体感と喜びが伝わってくる。 「あまねき天の女王」は、時間が止まってしまったような、ゆったりした世... ...続きを見る

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2017/02/14 07:26
私の好きな古楽100(3)中世イギリスの歌  「夏は来たりぬ」「天使がひそかに」ほか
まだ多声音楽の中心がフランスにあった13世紀ころに、作者不詳の「夏は来たりぬ」など6声で輪唱による世俗歌がイギリスに存在していた。 音楽史上奇跡に近いといわれている。 民謡風の素朴なリズムが多声で躍動する。 この頃の数々のマリア賛歌の曲なども素朴で温かい。古楽の魅力は、この頃の民衆的な素朴な歌に原泉がある。「天使がひそかに Angelus ad virginem」はラテン語であるが、その英語版の「ガブリエルは天父から」や、「祝福あれ(Edi be thu)」などの小曲を聞くと至福... ...続きを見る

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2017/02/13 07:19
私の好きな古楽100(2)スラヴ典礼音楽 「十字架挙栄祭」「四旬節と復活祭の聖歌」
スラヴ典礼はビザンツ典礼の流れをくむギリシャ正教の典礼である(スラヴ諸国において独自の民族的色彩のもとに発展したビザンツ=スラヴ典礼)。 楽器を使用しない、独特の旋律をつなぎ合わせた旋法という特徴がある。 大地の香りというか、海岸に打ち寄せる静かな波の音を聞くような、豊かでいつまでも聞き入っていたくなるような不思議な典礼音楽である。歌詞は、典礼だから祈りそのものであるが、祈りがこのような素晴らしい音楽のなかで行われることを大変羨ましく思う。 ...続きを見る

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2017/02/12 08:31
私の好きな古楽100(1)グレゴリオ聖歌、ソールズベリー聖歌
グレゴリオなど聖歌は癒しの音楽といわれるが、何度も聞きたくなる歌というのは必ずしも多くない。 プロテスタントのコラールのように繰り返し聞いたり謳いたくなる聖歌を挙げてみる。 ...続きを見る

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2017/02/11 12:25
新「この一曲」(136) バッハ  「フーガの技法」BWV1080
バッハ(独1685-1750)の「フーガの技法」は、一つの主題を複数の声部が追いかけるのであるが、そこには反行、縮小、二重、3重、鏡影、カノンなどさまざまなフーガが展開する。やや衒学的で、感覚に訴える要素を犠牲にしても、対位法の技を極限にまで突き詰めた作品といわれている。18のフーガを詩篇との関連で読み解こうとする試みもある。バッハの音楽には、音楽を超えたロゴスの世界を暗示させるような力があるのは確かだ。 ...続きを見る

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2017/02/10 07:32
新「この一曲」(135) バッハ  「音楽の捧げもの」BWV1079
バッハ(独1685-1750)のこの有名な曲は、フリードリッヒ2世がバッハに与えた主題により作曲し王にプレゼントした作品である。魅力はこの主題の旋律。 ...続きを見る

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2017/02/09 07:20
新「この一曲」(134)バッハ  「ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲BWV1060」
バッハ(独1685-1750)の「ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲BWV1060」は、元は「2台のチェンバロのための協奏曲」だったものだの編曲版。ヴァイオリンとオーボエの組み合わせは、曲の魅力をいっそう引き出している。風がさりげなく吹いてゆくように、オーボエが流れてゆく。こころを、曲に預けてしばし遊ぶことが出来る名曲である。ヴァイオリンが控えめにオーボエとブレンドされている、その配合が絶妙。 ...続きを見る

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2017/02/08 07:31
新「この一曲」(133) バッハ  「無伴奏チェロ組曲BWV1007-1012」
バッハ(独1685-1750)の「無伴奏チェロ組曲」は、聞けば聞くほど、いつの間にか自分の内面の声を聞いているような気分になってくる。言葉にならない音楽の言葉が語られてゆく。私はその言葉にうなずきながら聞く。 6曲のすべて、前奏曲が、滑り込むように曲にいざなう。第1組曲から第6組曲に至るまで、だんだん深い世界に入ってゆく。スラーが奥へ深く引きつれ、付点のリズムが激しく鼓動する。各組曲の、ブーレ、ガボットが降りtてゆく階段の踊り場で、生き生きと躍動する。第6組曲は、音域が一層幅広くなり、言葉... ...続きを見る

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2017/02/07 07:37
新「この一曲」(132)  バッハ  「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータBWV1001
バッハ(独1685-1750)のこの曲は、誰もが一度は心酔する名曲である。 パルティータ第2番のシャコンヌは、深い感動を与えてくれる。 一方、ソナタも素晴らしい。第1番の2楽章フーガの始まりの部分や3楽章のシチリアーノの柔らかな響き、第2番の3楽章アンダンテの美しさ、4楽章アレグロの不思議な響きなど魅力一杯である。また、ソナタ3番は宗教色が強いといわれる。1楽章は鐘の音、2楽章はコラールの祈り。3楽章のメロディとバスの響きが素晴らしい。 ...続きを見る

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2017/02/06 07:03
新「この一曲」(131) バッハ  「イタリア協奏曲BWV971」
バッハ(独1685-1750)のこの有名な「イタリア協奏曲」は、いわゆるソロと管弦楽の協奏曲ではなく、2段鍵盤(チェンバロ)による協奏曲的な形式原理を持ったソロ器楽曲である。 ヴィヴァルディなどのイタリアの合奏協奏曲の作曲原理を取り入れていることから「イタリア協奏曲」といわれている。 1楽章:ヘ長調(アレグロ)→2楽章:ニ短調(アンダンテ)→3楽章:へ長調(プレスト)と、緩/急、長/短、強/弱の効果的な組み合わせが、曲の流れを生き生きとさせると共にまとまりのあるものにしている。 特に1... ...続きを見る

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2017/02/05 10:26
新「この一曲」(130) バッハ 「半音階的幻想曲とフーガニ短調 BWV903」
この曲はベートーベンもよく研究したといわれる。 幻想曲の急速なパッセージ、大胆な転調、加えて、「語り歌う」レチタティーヴォ、しばし、バッハの他の曲にみられないこのドラマティックな曲に息をのむ。 この即興的な《幻想曲》で表現は、《フーガ》という厳格性に引き継がれ高められ、濃縮される。 ...続きを見る

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2017/02/04 08:07
新「この一曲」(129)-2バッハ 平均律クラヴィーア曲集(2)
24の調による「プレリュードとフーガ」の第2集。第1集に比べ音楽性が豊か。全体的にプレリュードが美しい。優雅さ、快適さ、甘美さなど次々繰り広げられる多彩な曲想に、飽きることはない。なかでも、印象に残る曲は、第4曲嬰ハ短調BWV873、第6曲ニ短調BWV875、第8曲嬰ニ短調BWV877、第9曲ホ長調BWV878、第22曲BWV893変ロ短調など。 ...続きを見る

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2017/02/03 07:25
新この一曲129−1バッハ 平均律クラヴィーア曲集(1)BWV846-869
24の調による「プレリュードとフーガ」。曲集は(1)と(2)があり、(1)は1722年、(2)はその20年後に完成している。(1)で印象に残る曲は、先ずなんといっても第1曲ハ長調BWV846,この曲を基にグノーが「アヴェ・マリア」のメロディをつけて編曲しことで知られる。こうした短い曲では、第13曲嬰ヘ長調BWV858は、:明るく楽しいプレリュードとフーガが快く美しい。 圧巻は次の3曲。 第4曲嬰ハ短調BWV849のプレリュードの冒頭のモチーフが素晴らしい。フーガは堂々とした巨大な構築空間の中... ...続きを見る

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2017/02/01 09:51
新この一曲128 バッハ  「パルティータ全曲 」BWV825-830
バッハ(独1685-1750)の鍵盤の組曲には、この「パルティータ」のほか「フランス組曲」「イギリス組曲」などがある。「パルティータ」は、「クラヴィーア練習曲集第1部」として最初に出版され、第2部には「イタりア協奏曲」「フランス序曲」、第3部「オルガン・ミサ曲」、第4部「ゴルトベルグ変奏曲」と続く。 「パルティータ」のなかで、印象深いのは1番と6番。1番は、舞曲のリズムを生かしながら、自然にある調和、変化を音で表現しているような繊細さとともにおおらかさがある。第2曲は、イタリア協奏曲を想起... ...続きを見る

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2017/01/31 07:45
新この一曲127 バッハ  「フランス組曲 5番BWV816」
バッハ(独1685-1750)の組曲は、このフランス組曲に先立ち「イギリス組曲」がある。「イギリス組曲」は、各曲の冒頭に自由なプレリュードがおかれているが、フランス組曲は、それはなく、舞曲リズムのアルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグを核とした組曲である 。バッハは、舞曲リズムから、曲のさまざまな多様性を引き出したといわれている。 繊細なリズム感、洗練された音楽表現、自然な音楽といった性格を創り出してきた。 この組曲の、特に有名でもある5番のアルマンドが流れ始めると、その洗練された... ...続きを見る

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2017/01/30 07:28
新この一曲126 バッハ オルガンコラール「深き淵より我汝をよばわる」
オルガンコラール「深き淵より我汝をよばわる」→詩篇130の基づくマルティン・ルターの作詞作曲。 同名のカンタータ第38がある。 詩篇130は罪の深い絶望から神の赦しを乞うという内容。 コラールの単旋律をもとに、深い淵からの重い叫びが響いてくるような荘厳な曲である。 時が生まれ一斉に万象が動き始め伸びてゆ北飼いに絡んでゆく。 そして怒濤のごとく流れゆく。 ...続きを見る

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2017/01/29 08:14
新この一曲125 バッハ  「パッサカリアとフーガハ短調BWV582」
バッハ(独1685-1750)のオルガン曲の中で、「パッサカリアとフーガ」は「トッカータとフーガ」に並んで素晴らしい。 冒頭の低音主題が大変印象的で、この主題の反復と変奏がグイグイと深くて雄大な世界に我々を引き込んでゆく。 ...続きを見る

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2017/01/28 08:00
新この一曲(123) バッハ オルガン曲「トッカータとフーガ 二短調BWV565」 
       ...続きを見る

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2017/01/27 08:47
新この一曲(123) バッハ 前奏曲とフーガ「ハ短調BWV549] 「聖アン」変ホ長調BWV552
ハ短調BWV549 ...続きを見る

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2017/01/25 07:52
新この一曲(122) バッハ オルガン作品「幻想曲とフーガ BWV542」「フーガ BWV578]
バッハの「幻想曲とフーガ BWV542」「フーガ BWV578]は、大フーガ、小フーガといわれている名曲。大フーガ、小フーガという言い方は、BWVの番号が存在しなかったときの名残りのようである。 大フーガのドラマティックで、未踏の空間へグイグイ心をひっぱって行くような展開、そして、目の前に開ける壮大で美しい世界。この音楽の世界は何だろう。すべてが一致結合し価値を認めており充足しあっている。 ...続きを見る

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2017/01/24 07:48
新この一曲(121) バッハ「オルガン独奏のためのトリオソナタBWV525-530」
バッハ(独1685-1750)のこのオルガンのトリオソナタは、3楽章構成で6曲あるが、詩情に満ちた美しい曲ばかりで、どの曲にも惹きつけられる。3人で演奏されるソナタ形式を一人で、右手、左手、両足で3パートを演奏する。それぞれのメロディの自律性を認識し、他のメロディーとの掛け合いを上手く弾きこなす必要があり、かなり高度な演奏技術が要求される。 ソナタ525の冒頭から楽しい豊かな音色で始まり、切なく美しいアダージョ、アレグロでは、軽やかな小さな生き物が飛び交う。ソナタ526のラルゴ、ソナタ52... ...続きを見る

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2017/01/23 07:38
新この一曲(120) バッハ 「マタイ受難曲」
バッハ(独1685-1750)の「マタイ受難曲」は、 「ヨハネ受難曲」が「初めに言あり、言は神であった」という福音書の前提を踏まえているため、神の支配、栄光が強調されるが、「マタイ受難曲」の方は、イエスの人間的実存の面から展開されているため、イエスの人間としての苦悩などが多くの場面で描写される。 ユダの裏切りへの厳しいことば、イエスの苦悩を理解しない弟子への落胆、「我が神、どうして私をお捨てになるのか」という神への信の確認など、きわめてドラマティックな展開を見せる。 「ああ、血にまみれ... ...続きを見る

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2017/01/22 08:11
新この一曲(119) バッハ モテット3番BWV227「イエスよ、私の喜びよJesu,meine F
バッハのモテットは6曲あるが、いずれも、聖書の聖句や宗教詩、コラールなどのテキストを音楽化したもので、祈りの音楽である。 中でも3番「イエスよ、私の喜びよJesu,meine Freude」は、同名のコラールをベースに、それを効果的に生かした素晴らしい作品である。 テキストも、イエスに寄り添うことで、死、罪、傲慢、虚栄、富、名誉と戦うといった素朴な内容で、心の安らぎを求める祈り、信仰、霊の勝利を歌う。変奏が多彩で、テキストの内容が音楽となって深化してゆく不思議な一曲である。 ...続きを見る

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2017/01/21 08:30
新この一曲(118) バッハ  カンタータ第182番 「天の王よ、汝を迎えまつらん」BWV182
イエスはユダヤ各地で伝道して多くの信者・弟子を得た後、首都エルサレムに入り、やがて十字架にかけられるが、このエルサレム入城を「枝の日曜日」とし、その週の金曜日が受難日、次の日曜日が復活祭となる。 第182番 「天の王よ、汝を迎えまつらん」は、このエルサレム入城の時のカンタータである。 最初のソナタは、ヴァイオリンとリコーダーによる素朴でのどかな音楽。「ロバに乗って」という場面を想像させる。 なんといってもこの曲の要は、5曲目のアルトによるアリアであろう。 リコーダーのオブリガートが、... ...続きを見る

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2017/01/20 07:35
新この一曲(117) バッハ   カンタータ106番 「神の時こそいと良き日」
J.S.バッハ(独1685-1750)のこの曲は、「哀悼行事用」呼ばれる葬送用のカンタータである。 リコーダー、ビオラ・ダ・ガンバの柔らかい美しい前奏で始まる。 死の人間のジメジメしたやりきれなさが、どこかへ吹っ飛んでしまうような独特の響きがある。 旧約の、避けられない掟としての死を歌うバス、その後、やさしいソプラノが「主イエスよ来たりたまえ」と救済の手を差し伸べる。 直後のアリアとガンバの伴奏がとりわけ美しく感動的だ。 終章もリコーダー、ガンバが効果的にコラールを締めくくり、これ... ...続きを見る

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2017/01/19 08:10
新この一曲(116) バッハ カンタータ第82番「われは足れり」BWV82
バッハ(独1685-1750)のバス独唱の名曲として知られる。 ルカによる福音書にある、救い主としての幼児イエスに出会い心満たされて死に赴くシメオン老人の物語で、シメオンを「私」として歌います。”私はもう結構。正しい人たちの希望である救い主をこの腕に抱きしめたのだ。私は今日のうちにもこの世を去りたい。”と。 誕生した孫かひ孫を抱き上げる老人のような、深い限りなくやさしい喜びと気持ちが重なり、心が安らぐ名曲である。 ...続きを見る

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2017/01/18 07:45
新この一曲(115) バッハ  カンタータ4「キリストは死の縄目につながれたり」BWV4
ルターが、グレゴリオ聖歌「過越のいけにえを」Victimae paschali laudesの旋律を改編してコラール「キリストは死の縄目につながれたり」を作り、そのコラールをもとにバッハがカンタータ4番とする。 このカンタータ「キリストは死の縄目につながれたりBWV4」は、死と生命が戦い、生命が死を呑みつくすという緊迫感のあるクライマックスがあるが、 音楽としては、 その前の、罪ゆえに死に囚われる人間の絶望を歌う ソプラノとアルトの2重唱の第2変奏「死に打ち勝てる者絶えてなかりき」(... ...続きを見る

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2017/01/17 08:02
新この一曲(114) ペルゴレージ    「スタ-バト・マーテル」
ジョヴァンニ・バティスタ・ペルゴレージ(伊 1710-1736 後期バロックのオペラ作曲家)は、バッハより25年後の世代だが、26歳の若さで亡くなっているため、彼より早く世を去っている。 「スタ-バト・マーテル(悲しみの聖母)」は、グレゴリオ聖歌のひとつで、十字架のイエスの足元でマリアがわが子を嘆く悲痛な詩である。 グレゴリオ聖歌は、やや単調な歌であるが、ペルコレージのこの歌は、悲しみの中に明るさもあり、まことに美しい。パレストリーナも美しい「スタ-バト・マーテル」を作っているが、ペルゴ... ...続きを見る

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2017/01/16 07:27
新この一曲(114) ペルゴレージ    「スタ-バト・マーテル」
ジョヴァンニ・バティスタ・ペルゴレージ(伊 1710-1736 後期バロックのオペラ作曲家)は、バッハより25年後の世代だが、26歳の若さで亡くなっているため、彼より早く世を去っている。 「スタ-バト・マーテル(悲しみの聖母)」は、グレゴリオ聖歌のひとつで、十字架のイエスの足元でマリアがわが子を嘆く悲痛な詩である。 グレゴリオ聖歌は、やや単調な歌であるが、ペルコレージのこの歌は、悲しみの中に明るさもあり、まことに美しい。パレストリーナも美しい「スタ-バト・マーテル」を作っているが、ペルゴ... ...続きを見る

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2017/01/15 08:16
新この一曲(113) ガルッピ  チェンバロ「ソナタ5番ハ長調」
バルダッサーレ・ガルッピ(伊1706-1785)は、後期バロック期のオペラの作曲家であるが、大変魅力的なチェンバロのソナタを残している。チェンバロ「ソナタ5番ハ長調」は、ミケランジェリのピアノ演奏で有名になったが、曲の鳴りはじめた瞬間からその旋律に引き込まれてしまう。 この美しいチャーミングな旋律は、ミケランジェリのピアノ演奏で聞くと、もはやバロックではなく、モーツアルトなどに近いが、チェンバロの演奏は、もっと素朴で別な味わいがある。 ...続きを見る

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2017/01/14 07:55
新この一曲(112) ルクレール  「ヴァイオリンソナタ」第4巻作品9−10
ジャン・マリ・ルクレール(仏1694-1764)は、「フランスのコレッリ」と呼ばれている。 ラモー(仏1683-1764)と同世代のルイ15世時代のヴェルサイユ学派で、ヴァイオリンをコレッリの高弟に師事している。彼の華麗で繊細な音楽は、音楽と舞踊の結びつきから来ている。彼はイタリアで若き頃舞踊手でもあった。「ヴァイオリンソナタ」1巻から4巻まで48曲を作っているが、すべての「ヴァイオリンソナタ」に舞曲風のステップが刻まれ、優雅で美しい。第3巻作品5−7などは、タルティーニの「悪魔のトリオ」... ...続きを見る

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2017/01/13 07:41
新この一曲(111) ヘンデル ハープシコード組曲
ヘンデル(英1685-1759)のハープシコードの作品には、魅力的な曲が多い。 ヘンデル自身、ドメニコ・スカルラッティとハープシコードの腕試しをした逸話があるほどの名手である。 「調子のよい鍛冶屋(組曲第5番)」は、もっとも有名でありいつ聞いても楽しくさせてくれる曲である。この原曲は「シャコンヌ ト長調」の主題と変奏にある。 ヘンデルは、ハープシコードにおいて霊感を得た音楽を伝えようとしたといわれるが、彼のリズムや音の展開には湧き出る泉のように心の乾きを潤してくれるものがある。 この... ...続きを見る

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2017/01/12 07:54
新この一曲(110) ヘンデル  「リコーダソナタ」
ヘンデル(英1685-1759)の作品のなかで、「リコーダソナタ」は、多くの人に愛されている。 リコーダを吹くアマチュアにもプロにも。 曲が明るく、気持ちを平和な調和の世界に整えてゆく。とにかく旋律に無理がなく単純で質素なのであるが、内実が豊かで聞き手の心を満たしてくれる。 ソナタハ長調、イ短調、変ロ長調をはじめ、トリオソナタなどもより豊かな表現力を伴って、リコーダと通奏低音の、他の楽器にはない魅力的な雰囲気に浸ることが出来る。 ...続きを見る

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2017/01/11 07:46
新この一曲(109) ヘンデル  詩篇歌「主はいわれたDixit Dominus」
詩篇110番「主はいわれたDixit Dominus」は、ダビデの詩による賛歌であり、マタイ福音書でイエスがこの言葉を語っている。 「主はいわれた。”私の右の座に着きなさい。わたしがあなたの敵をあなたの足元に屈服させるときまで”と」。 イエスが現世におりて人となり、受難して再び昇天するするまでの間の、イエスに対する神の言葉としてとらえられている。 この詩篇歌で、ヘンデル(英1685−1759)に勝るものはないであろう。出だしの畳み掛けるようなリズムにすっかり魅了されてしまう。 ...続きを見る

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2017/01/10 08:06
新この一曲(108) D. スカルラッティ  「ソナタ集」
ドメニコ・スカルラッティ(伊1685-1757)は、ヘンデルとチェンバロの腕試しをした逸話がある名手であり、「555のソナタ」を残している。 バッハ、ヘンデルと同じ年の生まれである。 彼のソナタは、フラメンコの踊りやギターの音楽を思わせる音型、両手の激しい対話、憂愁を漂わせる響きなど多彩であり、飽きさせない魅力たっぷりの曲集である。 特にK132ハ長調,K501ハ長調などが印象深い。 ...続きを見る

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2017/01/09 08:14
新この一曲(107) ラモー  「クラブサン集」
ジャン・フィリップ・ラモー(仏1683-1764)は、ジャン・ジャック・ルソー時代のオルガニスト、作曲家、音楽理論家でもある。「クラブサン集」には、「第1」、「第2」、「新」と3集あるが、いずれのどの曲も聴く人を退屈させない。 舞曲がベースになっていることや標題音楽などが楽しさを増す。 すべてが空気のようであり、さわやかな風が耳元を駆け抜けてゆく。 特に第2集の、標題音楽の「小鳥たちの集合ラッパ」「リゴドン」「タンブラン」「恋のくりごと」「ソローニュのお人好し」、新曲集の「ガボットとドウ... ...続きを見る

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2017/01/08 08:08
新この一曲(106)テレマン  「リコーダ協奏曲」
テレマン(独1681-1767)といえば、同時代のバッハやヘンデルより当時は、人気と名声があった人である。 代表作は、「ターフェルムジーク(食卓の音楽)」。さまざまな楽器を魅力的に鳴らし質の高い作品を大量に作り出しているのだが、ここで取り上げるのは「リコーダ協奏曲」。 バロック時代は、ヴィルトゥオーゾ楽器としてリコーダが人気があったが、テレマンのリコーダ作品を聞くと、リコーダの魅力が最大限に引き出され精気がみなぎっている。ハ長調、ホ短調、ヘ長調、組曲イ短調など傑作が多い。中でもホ短調は、リコ... ...続きを見る

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2017/01/07 08:23
新「この一曲」(105)ヴィヴァルディ  協奏曲「調和の霊感」
ヴィヴァルディ(伊1678-1741)の「調和の霊感」は12の協奏曲からなり、「四季」と並ぶもっとも有名な曲である。 彼は「赤毛の神父」の愛称を持つ神父で、孤児院付属の女子音楽院の教師として活躍し、この音楽院の演奏のために多くの作品が書かれたいわれている。 子供から大人まで音楽の調和の喜びに導くような明るさがあるのもそんなところから来るのかもしれない。 6番の独奏ヴァイオリンの曲が、ヴァイオリンを学ぶ子供の教則本に載っていて、この曲をより親しみのあるものにしている。このほか、5番、8番、... ...続きを見る

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2017/01/06 08:14
新「この一曲」(104) ヴィヴァルディ   「ニシ ドミヌス(主が建て給うのでなければ)」
ヴィヴァルディ(伊1678-1741)の宗教音楽は、「スタバトマーテル」を紹介したが、詩篇126による「ニシ ドミヌス(主が建て給うのでなければ)」を忘れるわけにはいかない。 9曲から構成されかなり変化に富んでいるが、展開がのびやかで自然なまとまりも感じさせる。「主が建て給うのでなければ」という歌い初めの歌詞をしっかり支える1曲目のアレグロ、叙情的な2曲目ラルゴ、心に迫ってくる4曲目ラルゴ、楽しいユニークな旋律の5曲目アレグロ、親しみやすく美しい旋律の6曲目アンダンテ、そして弦とともに展開する... ...続きを見る

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2017/01/05 08:16
新この一曲(103)ヴィヴァルディ   「スタバトマーテル」
ヴィヴァルディ(伊1678-1741)といえば「四季」があまりにも有名だが、宗教曲においてもすばらしいものがある。 彼は、もともと司祭でもあった。宗教曲といっても、劇音楽に興味を持っていたヴィヴァルディは、宗教的独唱とシンフォニア的なコンチェルトの組み合わせで作られている。 「スタバトマーテル(悲しみの聖母)」は、ペルコレージ、パレストリーナなど多くの作品があるが、ヴィヴァルディの場合も、十字架上のわが子に対し「人として泣かぬものがあろうか」という言い知れぬ悲しみに打ち崩れながらも、苦しみに... ...続きを見る

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2017/01/04 08:22
新この一曲(102)フォルクレ  ヴィオル小曲「La Regent(摂政)」「シャコンヌ」他
アントワーヌ・フォルクレ(仏1671-1745)は、マラン・マレ(仏1656-1728)とともにフランス・ヴィオル界の双璧といわれた人。 当時のクラブサンの大作曲家フランソワ・クープラン(仏1668-1733)とも宮廷で共演している。 ヴィオル小曲の「La Regent(摂政)」「シャコンヌLa Buisson(茂み)」「ジュピター」などは、組曲のピースであるが、高貴で生き生きしていて、精神的な独立性のようなものを感じさせる。 フォルクレは、気まぐれで大変気性の激しい性格だったといわれるこ... ...続きを見る

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2017/01/03 08:19
新この一曲(101)フランソワ クープラン クラブサン曲「恋する夜うぐいす」「神秘な障壁」他
フランソワ クープラン(仏1668-1733)は、ラモー(仏1683-1764)とともに、フランスクラブサン学派の巨匠の一人。クープランの作品の標題に伴う情景描写が極めて印象的である。 たとえば「恋する夜うぐいす」「神秘な障壁」「修道女モニク」などの小曲をきくと、爽やかなイメージの詩のアニメ動画を見ているような錯覚を覚える。 特に響きを消した音を効果的に使った和声の展開が印象的である。 ...続きを見る

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2017/01/02 08:26
新この一曲(100)ヨハン・クリストフ・ペーツ  「パストラール協奏曲 ヘ長調」
パストラーレ(キリスト降誕の夜、牧童が笛を吹いたという聖書に基づき田園情緒を描こうとする)については、コレッリで紹介したが、ドイツの作曲家ヨハン・クリストフ・ペーツ(独Johann Christoph Pez 1664-1716)のパストラール協奏曲ヘ長調も素晴らしい。 ドイツ人であるが、イタリアでコレッリに学び、フランスのリュリなどの影響も受けている。 弦楽に2本のリコーダーが加わり、牧歌的な雰囲気を出している。 ...続きを見る

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2017/01/01 08:13
新この一曲(99) ジュゼッペ・ヤッキーニ  チェロソナタ
ジュゼッペ・ヤッキーニ(Giuseppe Maria Jacchini伊1663-1727)は、チェロの黎明期のチェロ奏者で作曲家、ドメニコ・ガブリエル(伊1659-1690)(186参照)に師事したといわれる。いくつかのチェロソナタが素朴で、哀愁を帯びた旋律が親しみやすい。また舞踏的なリズムの楽しさも魅力的だ。「ソナタ・ハ長調」、「ソナタ・イ短調」、「ソナタ・ト長調」などチェロならではの魅力が生かされ、いずれも飽きさせない。 ...続きを見る

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2016/12/31 08:03
新この一曲(98)ドメニコ・ガブリエル  「ソナタ ト短調」「ソナタ イ長調」
ドメニコ・ガブリエル(伊1659-1690)は、バロック時代の作曲家でチェリスト。 「チェロのドミニカ」といわれていたようで、チェロの作品が面白い。 なかでも「ソナタ ト短調」「ソナタ イ長調」が印象に残る。ト短調は、のびやかで語りかけるように歌う、何か思い出が詰まった話をするような。 イ長調は、切なく美しい旋律と、軽快なリズムとが交互に展開し、緩急のチェロの魅力を味わうことができる。 ...続きを見る

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2016/12/30 07:59
新この一曲(97)パーセル 「組曲6番」「ラウンド0」「グラウンド」
ヘンリー・パーセル(英1659-1695)は、彼にはいくつかの優れたハープシコードの作品がある。 ちょっとしゃれた感じの「組曲6番」、哀愁を感じさせる「グラウンド」そしてブリテンの「青少年管弦楽入門」の主題にになっている「ラウンド0」など。 「ラウンド0」は、劇付随音楽のアブデラザールの中の第2曲「ロンドー」からきている。音そのものの喜びのようなものを感じさせるパーセル独特の自由奔放な世界がある。 ...続きを見る

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2016/12/29 08:11
新この一曲(96)パーセル  ファンタジア「第5番、インノミネ」「 ソナタ6番」
パーセル(英1659-1695)は、バロック時代の英国の大作曲家で、彼の「ファンタジア」には不思議な魅力がある。ファンタジアというのは、声楽曲で培われたポリフォニー技法を器楽曲に転用したもので、器楽曲が独自の道を始めた時の音楽である。テキストなしで思うままに旋律を作り出し独自の発想で練り上げてゆく。「声と言葉」から開放された斬新さ、音そのものの喜びのようなものを感じさせる。ファンタジアのどの曲も素晴らしいが、第5番とインノミネの2曲は何度も繰り返して聞きたくなる曲である。「インノミネ」はジョン・... ...続きを見る

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2016/12/28 08:30
新この一曲(95)マラン・マレ 「三重奏のための幻想的小品組曲ト短調」
マラン・マレ(仏1656-1728)は、ルイ14世に仕えたヴィオル(ヴィオラ・ダ・ガンバ)奏者であり作曲家である。 鐘の音の連打に曲が展開する「聖ジュヌヴィエーヴ教会の鐘の音」や4声の組曲第4番ニ長調を取り上げたが、 三重奏のための幻想的小品組曲がある。 中でも組曲ト短調は、ヴィオルの独特の美しい音色とリズムが広がる。プレリュードのあとファンタジアからメヌエット軽やかな舞曲が続き、プラント(嘆き)のあと、つむじ風のように旋回させる音のパッサカリアが続く。 このパッサカリアが印象的で... ...続きを見る

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2016/12/27 08:03
新この一曲(94)マラン・マレ  組曲第4番ニ長調(ヴィオル曲集)
マラン・マレ(仏1656-1728)は、ルイ14世に仕えたヴィオル(ヴィオラ・ダ・ガンバ)奏者であり作曲家である。(93)で鐘の音の連打に曲が展開する「聖ジュヌヴィエーヴ教会の鐘の音」を取り上げたが、このほかにも、組曲があり、特に、第4番ニ長調は、ヴィオルの伸びやかな弓の流れに、独特の美しい音色が広がる。 プレリュード、アルマンドから始まりロンドまで舞曲が続き、最後に、マレ特有の曲想、プラント(嘆き)シャリヴァリ(騒音)で終わる。心休まる一曲である。 ...続きを見る

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2016/12/26 08:07
新この一曲(93)マラン・マレ  ヴィオール曲「聖ジュヌヴィエーヴ教会の鐘の音」
マラン・マレ(仏1656-1728)は、ルイ14世に仕えたヴィオール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)奏者であり作曲家である。 マラン・マレについて書かれた小説に、パスカル・キニャールという人の「めぐり逢う朝」がある。 マレの師コロンブとの共感、葛藤を描いたものであるが、この中で「音楽とは言葉では語れぬことを語るためにある。」「死者に残しておく一杯の水のため、、、、生まれる前の命のために。息もせず、光もなかった頃のために」といった師弟の会話があり、音楽の根源を考えさせる。 「聖ジュヌヴィエーヴ教... ...続きを見る

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2016/12/25 08:24
新この一曲(92) コレッリ 「ラ・フォリアによる変奏曲」
コレッリ(伊1653-1713)のラ・フォリアは、ヴァイオリンをやった人ならば弾いてみたことがあるヴァイオリンの古典である。 ラ・フォリアという古い舞曲をベースにした変奏曲で3拍子の緩やかな音楽。 ヴァイオリンがヴィオールに代わって隆盛し始めた頃の古典的名曲で、低音主題の反復と変奏が美しく展開し快い。 ヴァイオリンだけでなく、リコーダなどでもブリュッヘンによるすばらしい演奏がある。 演奏者の息継ぎと聴く人の呼吸が一致し、音楽が生き物のように解き放たれて遊び始める。 ...続きを見る

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2016/12/24 08:12
新この一曲(91)ワシリー・ティトフ  「天使の叫び」
ワシリー・ティトフ(露1650-1715)は、ドイツのハインリッヒ・シュッツの影響を受けロシアの教会音楽を変革していった人といわれる。 「天使の叫び」は、聖母マリア賛歌で復活祭に歌われるものだが、低音と高音が融合した美しく清らかな曲で、題名の「天使の叫び」そのものだ。イエスの復活をマリアに告げる天使の喜びが伝わってくる。 ...続きを見る

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2016/12/23 08:29
新この一曲(90)パッヘルベル  オルガン作品集
パッヘルベル(独1653-1706)については、ブクステフーデとともにバッハに影響を与えたといわれるように、オルガン作品集に数々の傑作がある。 アポロの6弦琴、プレリュードニ短調、シャコンヌへ短調、ニ短調、リチュルカーレハ短調、さらにルターのコラールにより変奏曲「God the Father dwells with us」など。 プレリュードニ短調は、バッハを想起させる迫力のある曲想、 シャコンヌへ短調、ニ短調は聞く者の心をとらえて離さない。 リチュルカーレハ短調は、不思議な半音階に引き... ...続きを見る

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2016/12/22 08:14
新この一曲(89) パッヘルベル  器楽アンサンブル「音楽の楽しみ」
ヨハン・パッヘルベル(独1653-1706)は、「カノンとジーグ」で有名であるが、バッハの父アンブロジウスと交流のあったオルガニストで、ブクステフーデなどともにバッハに影響を残した人である。 彼は、オルガン曲だけでなく、器楽アンサンブルの作品を書いた。 「音楽の楽しみ」もその一つで、宮廷での「食卓音楽」として演奏された「6 曲のパルティータ」からなる小アンサンブル作品である。「カノン」や5声、4声のパルティータなどとともに、題名どおり[音楽の楽しみ]を味わうことが出来る。 4番ホ短調な... ...続きを見る

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2016/12/21 07:32
新この一曲(88) ゲオルク ムファット  「シャコンヌ ト長調」(「調和の捧げ物」組曲5番)
ドイツのプロテスタントのオルガン音楽において、バッハの先輩たちにブクステフーデやパッヘルベルなどがいるが、その当時の一人、ゲオルク ムファット(Georg Muffat独1653-1704)は南ドイツ オーストリアのカトリック系オルガン音楽を代表する作曲家である。 パリでリュリに、ローマでコレッリに学んでいる。ビーバーとも交流があり、ムッファトは汎ヨーロッパ的な人生を送っている。 この頃のトッカータ、パッサカリア、シャコンヌなどはフランス、イタリアの影響を強く受けている。 シャコンヌは... ...続きを見る

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2016/12/20 07:59
新この一曲(87)ビーバー  「ロザリオソナタ」
ハインリヒ・イグナツ・フランツ・ビーバー(チュコ1644-1704)は、17世紀屈指のヴァイオリンのヴィルトゥオーソ・作曲家」といわれる。 ザルツブルグの宮廷礼拝堂楽長を務めていたこともあり、「教会あるいは宮廷用ソナタ」「ロザリオのソナタ」「レクイエム」など宗教的な色彩の強いヴァイオリンソナタがある一方、「描写的なヴァイオリンソナタ」など、鳥や動物、戦いなどを描写した標題音楽なども作曲している。 マリアを主題とした「ロザリオのソナタ」は、パッサカリアやソナタ6番など高度の技法と深みのある... ...続きを見る

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2016/12/19 09:45
新この一曲(86) シャルパンティエ     「真夜中のミサ」
マルカントワーヌ・シャルパンティエ(仏1643-1704)は、バッハより少し前のフランスの作曲家で、この「真夜中のミサ」は、クリスマス前夜の真夜中の曲。 当時、フランスで広く歌われていたノエル(クリスマスの歌)が、ミサ曲として仕立てられている。 合唱と器楽合奏で作られ、素朴な笛の音は牧歌的な雰囲気を出している。出だしのキリエを聴いた途端、その美しい安らぎのメロディに魅了されてしまう。 バッハの「マタイ受難曲」のコラールなどの響きとも違って、もっとフランス的な明るい美しさがある。 ... ...続きを見る

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2016/12/18 08:21
新この一曲(85)ブクステフーデ オルガン作品「前奏曲 ト短調149」「フーガ ハ長調174」
ブクステフーデブクステフーデ(独1637−1707)のオルガン作品は、前奏曲やフーガに優れた作品が多い。 特に「前奏曲 ト短調149」「フーガ ハ長調174」のこの2曲は、特に印象に残る作品である。 前奏曲 ト長調149」は、冒頭、大自然の鼓動を思わせる重厚な低音の旋律で始まり、深い世界へと我々を引き込んでゆく。芸術性の高い名作である。「フーガ ハ長調174」は、ジーグ舞曲のリズムによる可愛らしいブーガ。 断片的な小曲であるが、大変美しい。 ...続きを見る

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2016/12/17 08:24
新この一曲(84)ブクステフーデ  オルガン・コラール「いかに美しきかな暁の明星は」
ブクステフーデ(独1637−1707)については、パッサカリアのような壮大なオルガン曲の一方で、オルガンコラールの作品群は、素朴で美しい魅力がある。 「いかに美しきかな暁の明星は(BuxWV223)」「われ汝を呼ぶ、主イエス・キリスト(BuxWV196)」「甘き喜びのうちに(BuxWV197)」「来たれ聖霊、主なる神(BuxWV199)」「今我ら聖霊に願い奉る(BuxWV208)」など。 バッハやパッペルベルなども同様にコラールに基づくオルガン曲を作っているが、ルター派のコラールの旋律に... ...続きを見る

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2016/12/16 07:45
新この一曲(83) ブクステフーデ   オルガン曲「パッサカリア ニ短調」
ブクステフーデ(1637−1707)は,J.S.バッハ以前のドイツにおいて最大の教会音楽の作曲家といわれる人で、バッハに多大な影響を与えている。 ブクステフーデのオルガン曲には、プレリュード、トッカータなど沢山あるが、コラールやパッサカリアなどが、素朴で柔らかく聞く人の心に語りかけてきて印象的である。 特にパッサカリアニ短調は、ヘッセの小説「デミアン」の中で、「古いオルガン音楽のえり抜きの曲」で「この異様な深い沈潜的な、自分自身に聞き入っているような音楽に浸った。 それはいつ聞いても快... ...続きを見る

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2016/12/15 08:23
新この一曲(82)コロンブ  ヴィオール作品「La Conference 語り合い」他
サント・コロンブ(Sainte Colombe)(仏1630〜40-1690頃)は、フランス・バロック音楽の作曲家、ヴィオール奏者。 作品の筆写譜以外、どういう人だったかの記録がない。 ヴィオール奏法を究めた人として、マラン・マレの師であったといわれている。 いくつかのビオラ・ダ・ガンバの作品の中で、「La Conference 語り合い」「Les Couplet(歌)」「Le Change(書き換え)」など聞いていると、素朴で深い低音が浪々と響いてくる。「La Conference 語り... ...続きを見る

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2016/12/14 07:36
新この一曲(81) ジャン=バティスト・リュリ 「ディヴェルティスマン」
ジャン=バティスト・リュリ(仏1632-1687)は、フランス・バロック時代の栄華を極めた「太陽王」ルイ14世のお気に入りの楽長を務めた作曲家である。 バッハの「フランス風序曲」の様式はリュリによるものである。 ディヴェルティスマン(余興)とは、バレや歌劇の主軸となるストーリーの展開が一時的に中断する部分で、観客を楽しませることを主眼としている。 ルイ14世が、ヴェルサイユ宮殿でお気に入りの楽長リュリと台本作家モリエールのコンビに書かせた音楽といえます。 全体的に優雅で楽しい... ...続きを見る

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2016/12/13 08:12
新この一曲(80)ヨハン・カスパール・ケルル  「パッサカリアニ短調」
ヨハン・カスパール・ケルル(独1627〜1693)はドイツ バロック盛期の作曲家。 ウイーンの宮廷オルガニスト。ムファットやフローベルガーと同世代で、ともにイタリアに学んだ南部ドイツの音楽家。パッヘルベル、バッハ、ヘンデルにも影響を与えている。 ...続きを見る

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2016/12/12 07:26
新この一曲(79)ヴェックマン 「組曲ロ短調」「ニ短調」「ハ短調」「第2旋法のマニフィカト」
マティアス・ヴェックマン(独1616-1674)は、シュッツの後継者でオルガニスト、チェンバロ奏者、作曲家。 フレスコバルディの弟子でイタリアの音楽をドイツに橋渡しをしたフローベルガー(独1616-1667)と相互啓発をした関係にある。 またスヴェーリンク(蘭1562-1621)の影響もドイツの門下生たちを通して受けている。 多くのソナタ、組曲、トッカータなど鍵盤作品があり、「組曲ロ短調」などは、人間の生きている時間が音楽に表現されているような流れで、繰り返し聞いていると爽やかな詩を読んで... ...続きを見る

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2016/12/11 08:00

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