(163) シュッツ 二重合唱「平和を与えてください」
ハインリッヒ・シュッツ(独1585-1672)は、イタリアでジョバンニ・ガブリエルに複合唱技法を学んでドイツへ展開した人である。詩篇曲やミサ曲などで、「来てください聖霊よ」「主よ、我らの主よ」「主よ私の言葉に耳を傾けてください」「良き羊飼いは蘇った」など印象に残る曲を作っている。中でも「平和を与えてください」は、二つの異なる曲、歌詞を重ねる独創的な作品。中世の交唱「平和を与えたまえ」と「皇帝万歳」とを重ねる、皇帝歓迎の政治的な音楽であるが、世俗的な皇帝の権威を認めつつも「われらのために戦うのは、神以外にない」という歌詞で締めくくる。このほかにも、婚礼音楽などもプロテスタントならでは内容で楽しい。
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