繰返し聞き続ける古楽(2)-83 バッハ     「マタイ受難曲」

バッハ(独1685-1750)の「マタイ受難曲」は、「ヨハネ受難曲」が「初めに言あり、言は神であった」という福音書の前提を踏まえているため、神の支配、栄光が強調されるが、「マタイ受難曲」の方は、イエスの人間的実存の面から展開されているため、イエスの人間としての苦悩などが多くの場面で描写される。ユダの裏切りへの厳しいことば、イエスの苦悩を理解しない弟子への落胆、「我が神、どうして私をお捨てになるのか」という神への信の確認など、きわめてドラマティックな展開を見せる。「ああ、血にまみれ傷ついた御頭よ」が歌われるコラールの旋律が何度も繰り返えされ、そのたびに、胸が締め付けられる思いがする。一度聞いたら忘れられない旋律である。ヘルマン・ヘッセは、ある手紙の中で、このマタイ受難曲について、次のように述べている。「この曲は本当に計り知れぬ偉大な作品です。「いつの日にかわれ去り逝く時」のコラールとか、終わりの合唱の序奏の部分などで、熱い涙がほほを伝うのを感じたほどです。でもベルリンの真ん中で、主イエスの死に立ち会うなんて奇妙なことですね」

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