新「この一曲」(34) クレメンス・ノン・パパ  モテトゥス「父よ、我は天に対し」

ヤコブ・クレメンス・ノン・パパ(フランドル1510-1555)は、フランドルの16世紀初頭のジョスカンから16世紀後半の大家ラッススをつなぐ一人。
本名は、ヤコブ・クレマンというが、教皇クレメンス7世と区別するために付け加えた通称という説がある。
パロディ・ミサ曲など先駆的な作曲をしているが、モテトゥスやシャンソンなど多く作曲している。
モテトゥス「父よ、我は天に対し」は、珍しく聖書の放蕩息子の物語から題材をとった作品。放蕩息子が、父に対し「息子の資格はない。労働者の一人として働かせてほしい」と懇願する悔い改めの詞。8声部が同じ音形で歌い比重が等しくなるポリフォニーの典型的な通模倣書法で作曲されている。鏡の間で聞いているような響きがある。
また
「我はシャロンの花なり」(7声)「羊飼いらは互いに語れり」(5声)なども印象に残る作品である。
特に「我はシャロンの花なり」は7声で、高低の幅・深みもあり、雅歌の詩と重なって美しく響く。

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