J.S.バッハ(独1685-1750)のこの曲は、「哀悼行事用」呼ばれる葬送用のカンタータである。リコーダー、ビオラ・ダ・ガンバの柔らかい美しい前奏で始まる。死の人間のジメジメしたやりきれなさが、どこかへ吹っ飛んでしまうような独特の響きがある。旧約の、避けられない掟としての死を歌うバス、その後、やさしいソプラノが「主イエスよ来たりたまえ」と救済の手を差し伸べる。直後のアリアとガンバの伴奏がとりわけ美しく感動的だ。終章もリコーダー、ガンバが効果的にコラールを締めくくり、これらの楽器の魅力を再認識させてくれる。
"繰返し聞き続ける古楽(14)-80 バッハ カンタータ106番 「神の時こそいと良き日」" へのコメントを書く